えすびぃ
2025-05-28 19:09:56
6527文字
Public 設定類
 

俳優BL1陣:台本

「愛猫は鎖につないで」
有家 音幸(ありいえ-おとゆき)役 ―― 並平 常尋
浮護 達哉(ふご-たつや)役 ―― 仁池 甚平



7.彼に巻かれた鎖

③すれ違い

――達哉邸、浴室(夜)
  二人、薔薇の花弁が浮かぶ湯船に浸かっている。音幸は達哉に後ろから抱きしめられるような形だ。
  達哉、ひとつ溜め息をついて天井を見上げる。疲れた様子。

――
音幸「……ねえ、達哉さん」
達哉「ん、ああ……どうした、物足りなかったか?」
音幸「そうじゃなくて! ……最近の達哉さん、なんか変ですよ」
達哉「変? 何が」
音幸「出会った頃は……もっとこう、シャキッとしてて何考えてるか分かんなくて、ムカつく感じだったのに」
達哉「とんだ口の利き方だな(苦笑)」
音幸「ここ一週間……二週間くらいで、どんどん余裕無くなってきてる。疲れてるの丸分かりですよ」
達哉「……
音幸「仕事、詰め込みすぎじゃないですか」
達哉「お前に口出しされる筋合いはない」
音幸「何ですか、それ」
達哉「余計なことは何も考えなくていい。お前はただあの部屋で好きなように(生きて、俺に可愛がられているだけでいいんだ)」
音幸「(遮って、震える声で)好きなように……? 縛り付けておいてよく言うな!」
達哉「(驚き)音幸……?」
音幸「俺は人間です! 余計なことだって考えるし、あんな鎖ぶら下げて暮らすのも嫌だし、あんたの事を知る権利だってあるはずだ!!」
達哉「っ……(何か言い返そうとして言葉に詰まる)」
音幸「あんたは何者なんですか? なんで俺をあんな大金で買った? ……ペットだ何だって言ってますけど、それなら最近俺を抱く時のあんたは」(/どうしてあんな、恋人に甘えているみたいな寂しそうな目をしているんですか)
達哉「(遮って)もういい!!」
音幸「……そんなに自分の事、知られたくないんですか」
達哉「躾が足りなかったようだ。そんな口を叩けないようまた教え込んでやらないとな」
音幸「何回だって言いますよ。俺はいい加減あんたのことを知りたい」
達哉「時間が押している。風呂は好きに使え」
  達哉、湯船から上がり先に浴室から出ていく。
  取り残された音幸は黙ってその背中を睨みつけている。
音幸「……何なんだよ、あの人」
――