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えすびぃ
2025-05-28 19:09:56
6527文字
Public
設定類
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俳優BL1陣:台本
「愛猫は鎖につないで」
有家 音幸(ありいえ-おとゆき)役 ―― 並平 常尋
浮護 達哉(ふご-たつや)役 ―― 仁池 甚平
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1.プロローグ
①出会い
――
オフィス(夕方)
周囲の会社員たちがひそひそ声で会話をしたり、帰り支度を始めたりしている。
音幸「このたびは申し訳ございませんでした!」
有家 音幸が課長に書類を手渡し、頭を下げる。
課長、それを受け取り苦々しい顔で目を通し、
課長「今回は先方が寛容だったから始末書で済んだけど、次やったら分かってるね」
音幸「はい
……
」
課長「ただでさえ君は日ごろから小さながミス多いんだから。これ以上は私もカバーしきれないよ」
音幸、唇を引き結び再度頭を下げる。
課長「もういいよ、今日は上がって」
音幸、頭を上げて自分のデスクに戻り荷物をまとめる。
オフィスを出る際、背中越しに課長の溜め息が聞こえる。
――
駅内(夕方)
音幸、浮かない顔で階段を降りていく。
電車から降りてきた急ぎ足の若者にぶつかられ、舌打ちをされる。
音幸(モノローグ)「大人になれば、もっと毎日がキラキラ輝いて見えるものだと思っていた」
――
電車内
音幸、満員電車に揺られ、よろめく。
近くに立っていた女性に肩がぶつかり、睨まれる。
音幸(モノローグ)「当たり前に仕事ができて、当たり前に誰からも頼られて、」
改札。
待っていた女性の元に男性が駆けてくる。手を取り合うカップルを横目に見る音幸。
音幸(モノローグ)「当たり前に、彼女ができて」
――
音幸の家(夜)
音幸、電気をつけて靴を脱ぐ。
荷物を下ろし、Tシャツ短パンに着替え、六畳一間の中央に敷かれた布団に転がり込む。
音幸(モノローグ)「どこで何をしていれば、そういう風になれたのだろう」
音幸、しばらく寝転がっていたが思い立ったように立ち上がる。
音幸(モノローグ)「過ぎていく毎日が退屈で、」
冷蔵庫を開け、中を覗き込む。ほとんど空っぽだ。
音幸(モノローグ)「寂しくて、」
音幸、溜息をついて鞄から携帯と財布を引ったくりポケットに突っ込む。サンダルを履いて、電気を消す。
音幸(モノローグ)「まるで鎖に繋がれた囚人みたいだ」
玄関の扉が閉じる。
――
路上(夜)
人通りはほとんどない。
歩く音幸の目の前に、一匹の猫が寄ってくる。
音幸「お、ミーちゃんじゃん」
音幸、頬を緩めてしゃがみこみ、猫を見下ろす。
音幸「また向井さんちから出奔してきたのか~?」
音幸、手を伸ばし、猫の頭を撫でようとして避けられる。
猫は少し離れた場所で毛づくろいを始める。
音幸、苦笑して立ち上がる。
音幸「お前はいいな、楽しそうで」
猫が突然何かに目を向けて、走り出す。
音幸「あれ、ミーちゃん? どうした、」
衝撃音。音幸はその場に倒れ込む。
音幸(モノローグ)「え?」
朦朧とする意識の中、車の音が聞こえる。視界が暗くなる。
――
オークション会場
ステージ上に設置された薄暗い檻の中、閉じ込められた音幸が目を覚ます。
音幸(モノローグ)「え
……
え?」
手足を動かそうとするが出来ない。裸で鎖に繋がれている。
音幸、大声で叫ぼうとするが口元に猿ぐつわが嚙まされていてうまく声が出ない。
音幸(モノローグ)「何だこれ、俺あれからどうなっちゃったんだ!?」
スポットライトが頭上から照らされる。音幸、目を細める。
司会「(英語)紳士淑女の皆様、お待たせいたしました。それでは本日の目玉商品、多くの希望を受けまして久しぶりに入荷いたしましたのは東洋の逸品、日本人の20代男性です」
音幸(モノローグ)「何? 何て言ってるんだ、英語
……
?」
司会「(英語)見目はもちろん状態も問題なし。しかも未使用品。上手に躾ければ用途を選ばずご自由にお使いいただけます」
音幸、やっと目が慣れてきて周囲を見渡す。
客席にはいかにも富豪という容姿の人間が仮面をつけ、何人も並んで座っている。
音幸(モノローグ)「っていうかすごい見られてる
……
やめてくれ、俺が何をしたっていうんだ
……
」
①
――
司会、大仰な手振りで音幸を指し示す。
司会「(英語)それでは、100万ドルからスタート」
音幸(モノローグ)「ドル? ドルって言った?」
会場の紳士淑女たちが手にした番号札を挙げ、口々に金額を吊り上げていく。
音幸(モノローグ)「あ。これ、オークションだ。これ、多分人身売買だ。死ぬまで召使にされるとか、臓器を売り捌かれるとか、そういうやつだ」
音幸、顔面蒼白になり呆然と会場を見渡す。その中で、高々と番号札が上がる。
達哉「(英語)100億」
司会「(英語)も
……
もう居ませんか! 100億!」
会場内、どよめきに包まれる。それ以上札は上がらない。それを見た司会が木槌を強く振り下ろす。
司会「(英語)それでは、100億にて落札です! 25番様、前へ!」
25番の札を持つ男、浮護達哉が席を立ち、拍手が響く中でステージへ歩み寄る。
檻の前に立ち、音幸の目を覗き込む。
二人、数秒見つめ合って。
達哉「今日からお前は、俺のペットだ」
音幸「
……
。
……
は?」
①
――
タイトルテロップ「愛猫は鎖につないで」第一話
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