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enoki181
2025-05-22 19:28:40
12422文字
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リプレイ
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【ストリテラ】基本侵蝕値99%
俳優:守部さん、エノキ
シナリオ
https://talto.cc/projects/GMrsckAGvRQfeUhBFXBay
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ファイナルチャプター
天保 空穗:日はすっかり沈み、空には星々が瞬いている。
暗闇の中には不釣り合いな血色の影が、足元に延びていた。
「
……
どうしたら満たされるんだろうね、私は」
影がこぽこぽと泡立つ。
「ねえ、“
首の無い天使
ニケ
”」
「キミは衝動に身を任せたいと思ったことはないのかい?」
振り返り、後輩を見遣る。
朝下 ラケ:「
……
」
美しい夜空が広がっていた。
先輩の赤い服が、赤い血が、月の光を受けてその景色に色を与えている。
「あります。私だってオーヴァードですから」
「けれど、衝動を、恐怖を、それを感じて立ち止まっていたら
……
」
「ずっとそのままで、前には進めません
……
!」
持ちなれない銃を構え、眼鏡の奥の青い瞳を見た
天保 空穗:視線が交わる。
「口だけは立派だ」
笑みが深まる。
影から染み出した血が、半球状になって自分を包む。
「キミは、顔がない、口がない
――
永遠に不完全で未完成で立ち止まる名前を与えられたじゃないか」
ぱっくりと割れて網目の隙間ができ、彼女を指さす。
「美しくないよ、キミ」
無数の血の弾丸が飛んでくる。
朝下 ラケ:「美しくなくて当然です
……
!」
脳のリミッターを外し、反応速度を加速させた。
「顔もない、腕もない、あるのは体と翼だけ」
弾丸を弾丸で撃ち落とす。
「けど、美しくなくたって
……
」
そして、あっという間に弾倉が空になった銃を投げ捨て、駆け出した。
「愛してくれる人がいたんですッ!!」
足に、腕に、鮮血が絡み付く。それでも止まらない。
手を伸ばし、まばゆい閃光が指先から生まれる。
朝下 ラケ:「先輩」
「私は"先輩"には向いてません」
零れる星粒のように笑ってみせた。
"首の無い天使"は今、自分の体が耐えきれないほどの捨て身の攻撃を行なおうとしている。
天保 空穗:手数も威力もこちらが有利。経験だって。
がむしゃらな閃光なんて、こちらの血の弾で撃ち落としてしまえる。
(ノイマンだって?信じられないな、キミは!)
言ったなぁ、そんなこと。何度も、何度も。
怖がりのくせに、頭より先に体が動いてしまって、ノイマンらしくなくて。
どこまでも真っ直ぐな、光。
彼女の指先から横に広がる光が、まるで翼のように見えた。
反射で眩しく、顔は見えない。
「クソ、どこから
……
ッ
……
!」
「
……
キミは強いなぁ」
いつも細められている瞳が、薄らと開く。
空色の眼に、天使が反射していた。
「そうだよ、美しくなくていいんだ。僕たちはバケモノだから」
「でもね、キミにはまだ早そうだから、バケモノの先輩として、先に逝ってきてあげよう!」
吊り上げた唇の端から、血が零れていた。
もう血が自由に動くことはない。
ろくな受け身も取れずに背中から倒れた。
朝下 ラケ:「
……
!」
翼にも似たそれが爆ぜることはなかった。
彼の瞳から、口元から、語りから、ジャームの気配がしなかったからだ。
力が収束し、小さな光が真っ暗な空に消えていく。
月明かりが二人を照らしていた。
「先輩、どうして
……
!」
天保 空穗:「うーん、悪くないからだね」
「ああ!死にたくない!生きていたいよ!それほどまでにこの世界は美しかった!」
「もっと私の手で美しくしたかったなぁ!」
「
……
こうやって、嘆きながら、死ねるのは、悪くない、間違っていないんだよ」
「ラケ君、キミはね、正しかったよ」
「正しいことをした人が、ちゃんと報われる、そんな世界にさ
……
じゃないとおかしいだろう
……
」
「
…………
」
朝下 ラケ:「
……
先輩」
わかってしまう。
彼が何を伝えたくて、それをしたのかが。
「
……
」
「見てください。空も、街も、綺麗ですよ」
「先輩が、私が、今まで守ってきた景色です」
首の無い天使でも涙を流す。
悲しみが宿るのは顔じゃなくて心だ。
朝下 ラケ:「もしも翼が生えたら、ここから飛んでいけたら
……
」
「もっと、綺麗ですね」
指でそっと先輩の瞼に触れて、閉じた。
一滴の雫が頬の血を滲ませていた
ストリテラ「基本侵蝕値99%」
終幕
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