万丈
2025-04-19 00:45:02
9125文字
Public 小説
 

雷帝インドラの半生

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
小説版シュラトのインドラ様のお話。
1~5章(本編)
6章(シヴァ視点)
7章(ミトラ視点)
コメ欄に後書きアリ。
🔄2025/06/04
前の話→天空の光、北の影
次の話→破壊神の影


第六章:破壊神の眼差し
シヴァの視点

我はシヴァ、破壊を司る神である。

生まれた瞬間、黒の光流が我が内面から溢れ、我を産んだ者たちの命を奪った。

我が美は、凡人を思慕の苦しみに駆り立て死に至らしめ、我が邪視は一瞥で魂を刈る。

男でも女でもなく、両方を兼ね備え、どちらでもない完璧な存在。

それが我だ。

だが、カーンダヴァの高い塔に幽閉され、次の破壊神が生まれるまでの永遠を待つ運命は、我を孤独の淵に沈める。

誰も我に近づけぬ。

誰も我を見られぬ。

だが、彼が来た――インドラ、雷帝、我が唯一の臣下、我が光。

インドラが初めて我の前に跪いた時、 彼は十五歳だった。

長い黒髪が肩に落ち、灰色の瞳が我の姿に一瞬揺れたが、すぐに正気を取り戻した。

他の者は我を見れば狂い、死ぬ。

だが、インドラは違った。

彼はただ跪き、こう言った。

「我が王、シヴァ様。雷帝インドラ、参上いたしました」

その声は揺るぎなく、我が黒の光流に抗う力を持っていた。

我は試した。

「そなたの正気は、いつまで持つかな?」

彼は答えた。

「我が王、私は、いかなる試練も乗り越えてみせます」

その瞬間、我は確信した――彼は特別だ。

彼は我のものだ。

十二年間、インドラは我のそばにいた。

彼の存在は、この冷たい塔を温めた。

彼は食事を作り、衣装を整え、埃を払った。

その手は雷を操る戦士のものなのに、まるで我が壊れ物であるかのように慎重だった。

我は破壊神、すべてを滅ぼす存在。

なのに、インドラの優しさは我を捕らえた。

彼は我を怪物とも、欲望の対象とも見なかった。

我は彼にとって王であり、守るべき存在だった。

だが、我はそれ以上のものを求めた。

我は彼を欲した――我の臣下として、伴侶として、我のすべてとして。

「インドラ、そなたは我を憐れむか?」

星明かりの下で尋ねた。

彼は誠実に答えた。

「シヴァ様、貴方の運命はあまりにも過酷です」

その憐れみは我を刺し、同時に我を引き寄せた。

彼は我の孤独を見抜き、癒そうとした。

愚かな人間よ、そなたの存在こそが我の救いであり、苦しみなのだ。

我は破壊神、すべてを滅ぼす者。

なのに、インドラの眼差し、その温もりに、我は溺れた。

我は彼を試した。

黒の光流を解き放ち、彼の精神を侵した。

光流は我が内面から立ち上り、塔を満たした。

インドラは耐えた。

彼の白の光流は我の黒に抗い、正気を保った。

「そなたは強いな、インドラ」

我は笑った。

彼はいつもこう答えた。

「貴方のためです。我が王」

その言葉は我を縛る鎖だった。

我は彼の忠義を愛し、憎んだ。

我は彼を我のものとしたいのに、彼はただ王として仕えるだけだった。

我の欲望は抑えきれなかった。

「インドラ、今宵は我のそばで過ごせ」

そう命じながら、指で彼の頬を撫でた。

彼は一瞬身を固くしたが、拒まなかった。

「シヴァ様が望むなら」

彼は言った。

その従順さが我を狂わせた。

我は彼を壊したかった。

彼の忠義を試し、限界を見たかった。

だが、同時に、彼を失う恐怖が我を縛った。

彼は我の唯一の光、唯一の臣下。

他の者は皆、我の光流に耐えられず死んだ。

インドラだけが、我のそばにいられた。

ある夜、我はさらに踏み込んだ。

「インドラ、我のそばに横たわれ」

彼は躊躇したが、従った。

我が寝台の端に横たわる彼の体は硬く、しかし光流は揺るがなかった。

我が黒髪が彼の肩に触れ、赤い瞳で彼を見つめた。

「そなたは我を拒まぬな。なぜだ?」

問うと、彼は答えた。

「貴方の望みを叶えるのが、私の務めです」

我は笑った。

残酷で、優しい笑み。

「そなたの純粋さは、我を狂わせる。そなたは我のものだ、インドラ。永遠に我のそばにいろ。」

彼は頷き、我の手を握り返した。

彼は知らなかった――その握手が、我の心をどれほど締め付けたかを。

ルドラの民を滅ぼしたとき、インドラは我を庇った。

彼の手は血に濡れ、彼の心は砕けた。

彼は自ら命を絶とうとしたが、我は許さなかった。

我が光流は彼の身体を縛り、我の意思を優先させた。

「そなたの絶望、そなたの嘆き、すべて我のものだ」

我は笑った。

彼は泣いた。

そなたの涙も我のものだ。

ルドラ神族の壊滅後、インドラは我の影となった。

彼の身体は我の意のまま。

だが、彼の光は、未だ我を縛る。

我はシヴァ、破壊神。

インドラは我の永遠の光、我の呪いだ。