万丈
2025-04-19 00:45:02
9125文字
Public 小説
 

雷帝インドラの半生

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
小説版シュラトのインドラ様のお話。
1~5章(本編)
6章(シヴァ視点)
7章(ミトラ視点)
コメ欄に後書きアリ。
🔄2025/06/04
前の話→天空の光、北の影
次の話→破壊神の影


第四章:狂乱の夜と滅び

インドラが二十七歳、シヴァが十三歳のとき、悲劇が訪れた。

シヴァの黒の光流が暴走し、ルドラの民を飲み込んだ。

シヴァはそれを意図的に解放したと語った。

「我はただ、彼らの本性を解き放っただけだ。見よ、インドラ。皆、悦びの涙を流して殺し合っている」

シヴァの声は甘く、破壊の美を讃えるようだった。

だが、インドラには民の絶叫と血の臭いしか感じられなかった。

シヴァの暴走を予想していなかったインドラは、ただ愕然とした。

「シヴァ様! 何故この様な恐ろしいことをなさったのですか!」

塔の最上階で、インドラは叫んだ。

シヴァは微笑み、答えた。

「インドラ、我は試しているだけだ。そなたも、破壊の悦びに浴してみるか?」

インドラは愉しげに語る主の姿に、全身の血の気が引いていくのを感じた。

やがて真実に気づいたルドラの民が、元凶であるシヴァの死を求め塔の元へ殺到した。

民の暴走を止めるため、主を守るため、インドラは彼らに必死に語りかけた。

しかしその声が彼らの心に届くことはなく、暴走した民の怒りと憎しみの刃は、インドラに向けられたのだった。

「雷帝! なぜシヴァを庇う! 悪魔の手先め!」

刃がインドラの体を切り裂き、血が地面を染めた。

長い黒髪が血に濡れ、灰色の瞳に絶望が宿った。

それでも彼はシヴァを庇い続けた。

「シヴァ様は……我らの王だ……

意識が遠のく中、インドラはシヴァの正義が目覚めることを、ただひたすらに願っていた。


シヴァの反魂の術により、インドラは蘇った。

だが、正気に戻った彼の目に映ったのは、荒れ果てた大地に横たわる、無数のルドラの民の屍だった。

自らの手で、愛する民を皆殺しにしたのだ。

インドラの心は砕け、正気を保つことすら苦痛だった。

彼は嘆き、剣を自らの胸に突き立てようとした。

だが、身体は動かなかった。

シヴァの黒の光流が彼の命を繋ぎ止め、身体はインドラの意思よりもシヴァの支配を優先していた。

「インドラ、そなたが死ぬことは許さぬ」

シヴァは愉しげに笑い、インドラの絶望を見つめた。

「そなたの身体は我のものだ。そなたの心も、魂も、すべて我が意のまま。美しい……そなたの苦しみは、我をどれほど愉しませるか!」

インドラはシヴァの言葉を聞き、身体が自分のものではない事実を知った。

ルドラの民を殺した罪、シヴァの支配に縛られた現実――すべてが彼の心を押し潰した。

彼は地面に崩れ落ち、ただ泣くことしかできなかった。

涙が血と混じり、地面を濡らした。

「シヴァ様……どうして……

嗚咽が響き、シヴァの笑い声がそれに応えた。

「そなたの涙も、我のものだ、インドラ」

シヴァの執着は、彼を縛る鎖そのものだった。

ルドラの一族は壊滅し、インドラはシヴァの影として、魂の自由を奪われた。

天空殿にいるミトラのもとへ悲報が届いた。

だが、天空殿とカーンダヴァの距離はあまりにも遠く、駆けつけることは不可能だった。

ミトラはインドラの運命を案じることしかできなかった。