万丈
2025-04-19 00:45:02
9125文字
Public 小説
 

雷帝インドラの半生

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
小説版シュラトのインドラ様のお話。
1~5章(本編)
6章(シヴァ視点)
7章(ミトラ視点)
コメ欄に後書きアリ。
🔄2025/06/04
前の話→天空の光、北の影
次の話→破壊神の影

第一章:雷帝の帰還と友の憂い

天空界の北の辺境、カーンダヴァは凍てつく風と岩肌が広がる僻地だった。

ルドラ神族の住まうこの地では、光流――あらゆる生物の内面に宿る力の源――が特に強い。

白と黒の奔流が民の精神を鍛え上げていた。

十五歳の春、雷帝インドラは調和神スーリヤの命を受け、故郷カーンダヴァへ帰還した。

彼に課せられた使命は、新たな破壊神シヴァの世話役だった。

シヴァ――ルドラ神族の王の世継ぎであり、禍々しい黒の光流で周囲の命を奪う存在。

生まれた直後に成人の姿となり、高い塔に幽閉されたその神を、インドラは支えるべく選ばれた。

インドラは「動」の化身、雷鳴の如く戦場を駆け抜ける。

武力では天空界随一の実力を誇る。

一方、ミトラは「静」の極致、幻術と智謀で敵を翻弄する。

知略ではインドラを凌駕していた。

互いの実力を認め合う二人は、十二羅帝の中でも特別な絆で結ばれていた。

出発前、ミトラがインドラを見送った。

長い黒髪を背に流し、濃い紫の瞳を持つ彼は、静かな声で言った。

「インドラ、ルドラの新しい王について情報が少なすぎる。決して油断するなよ」

「お前らしいな、ミトラ」

インドラは笑い、友の肩を軽く叩いた。

「心配するな。私はルドラの民を守り、王にお仕えするだけだ。シヴァ様がどんな方でも私の使命は変わらない」

ミトラの瞳に深い憂慮が宿った。

「お前はあまりに純粋だ。シヴァは神だ。人間の理を超えた存在だ」

「それでも、私の王だ」

インドラは穏やかに答え、ミトラに背を向けた。

ミトラは言葉を飲み込み、インドラの遠ざかる背中を見送った。

天空殿とカーンダヴァは遠く離れており、ミトラがインドラを訪ねることは容易ではない。

胸の内に冷たい予感が広がった。

故郷に足を踏み入れたインドラは、民の歓声に迎えられた。

「雷帝様! ご帰還!」

「インドラ様が戻られたぞ!」

子供たちが駆け寄り、老人が手を振る。

インドラは一人ひとりに丁寧に言葉を返した。

戦場を駆け抜け、民の信頼を一身に背負った少年は、十五歳の今もその信頼に応えていた。

だが、領地の奥にそびえる塔を見上げたとき、インドラの胸に微かな動揺が走った。

あそこにシヴァがいる。

破壊神。

すべての命を奪う存在。

インドラは深呼吸し、塔への道を進んだ。