芹沢亀吉
2025-04-15 22:58:27
14137文字
Public 菊タブー
 

黄金黙示録

暴虐な軍国主義者の楠木武が恥をかく物語の通算114話目。とある遊戯王カードの背景物語が気に入ったので参考にさせて頂いた。残忍描写濃い目かつ性加害描写もあるので18歳未満の方は閲覧しないように。出番自体は少な目でもしっかりと恥はかく、それが今作の楠木武。


「申し訳ございません!大統領閣下!と、ところで例のエルドランドに行く準備が整いました。」
 
 途端にタネンは上機嫌になり両目がギラリと輝く。
 
「おぉ、流石仕事が早いな!イエス・キリストの生まれ変わりであるこのビル・タネンは数多の黄金を手にして救世主メシアになる使命がある!そしてそんな俺のためエルドランドの黄金がある!」
 
「エルドランドには日本の天皇とカハナ首相も同伴しましょう。連中の目の前で大統領閣下が数多の黄金を手にすれば皆閣下にひれ伏します。新たな救世主誕生の瞬間です。」
 
「そうだ、このビル・タネンこそ新たな救世主だ。やはりストーン君を生涯の盟友に選んだ俺の目に狂いは無かったな。ユダ野郎と現人神気取りの黄色い猿をひれ伏させるなんて考えただけでも涎が出そうだよ。」
 
 タネン達の思惑など露知らず、義仁親子はホワイトハウスからのエルドランド行きの誘いに大はしゃぎ。
 
「黄金!黄金!黄金!パパも俺も皇統の男系男子だからその黄金全部貰って良いんだよね!そもそも地球上の全ての黄金は本来俺達皇族のものだから。」
 
「息子よ、嬉しいか。俺、いや朕も嬉しいぞ。念願の即位を目の前にして溢れんばかりの黄金にありつけるなど朕の徳の高さ故の出来事だろう。あの兄の即位式が霞む盛大なのを開催しようではないか。」
 
 文字通り金に目が眩んだ義仁親子のニヤついた表情は何とも嫌らしく、花村は困惑を隠せない。
 
「で、殿下、即位を目前にして何人も行方不明になっている危険な島に行かれるのは如何なものかと。」
 
 途端に義仁親子の機嫌が悪くなった。
 
「花村貴様!折角のホワイトハウスからの誘いを蹴れと言うのか!ここでホワイトハウスからの誘いを受けねば戦後数十年の良好な日米関係にも悪影響を及ぼしかねん!貴様総理の癖にそんな初歩的なこともわからんのか!その体たらくだからこの前の衆院選で過半数割れしたんだろ!さては貴様朕と息子をあの島に行かせず自分が黄金を頂くつもりだな!この奸賊がぁ!」
 
 反論出来ない花村に対しひたすら怒鳴る義仁のあさましい姿は亡き清仁にそっくり。あれだけ兄清仁を毛嫌いしていた癖にその兄同様横暴なパワハラ野郎なのだから世話が無い。まだ即位前にも拘らずこの有様なのだから即位後の義仁はどれだけ横暴に振る舞うのやら。
 
「パパの言う通りだ!早くパパに詫びろ、花村!あと俺にもちゃんと詫びろよ!」
 
「申し訳ございません、殿下!申し訳ございません!」
 
 ただひたすら土下座する花村を見て満足する義仁親子、これも亡き清仁と同じ。結局花村が折れ義仁親子は勿論皇族全員がエルドランドに行くことに。
 
 エルドランド近海にズラリと並ぶ艦隊、そう、日米合同演習を名目にタネン達、そして義仁親子らがエルドランドにやって来たのだ。カハナをはじめイスラエル政府の要人達はタネン達と行動を共にし、イスラエル軍はパレスチナ侵攻を最優先する観点からこの「合同演習」には参加していない。
 
「カハナ首相、通算15年以上首相をされてきた貴方の実績にはこのビル・タネンも感服しております。」
 
 タネン並に欲深いカハナは通算15年以上の首相の任期も財界との癒着、パレスチナ人ひいてはアラブ人を同じ人間と認めないイスラエル極右強硬派の熱烈な支持によるところが大きく、その実態は汚職まみれ。
 
「私こそタネン大統領の剛腕ぶりに感服しております。おっともうすぐ到着ですね。」
 
 タネン、カハナ、ストーン、そして義仁親子、エルドランドに上陸した欲深き輩の運命や如何に。