暴虐な軍国主義者の楠木武が恥をかく物語の通算114話目。とある遊戯王カードの背景物語が気に入ったので参考にさせて頂いた。残忍描写濃い目かつ性加害描写もあるので18歳未満の方は閲覧しないように。出番自体は少な目でもしっかりと恥はかく、それが今作の楠木武。
序章 呪われし魔石
「お、お助けを!うわぁあああ!」
悲鳴を上げた奴隷達は生きたまま心臓を抉り出され生贄に、すると
魔石が宙に浮き、白い稲妻状の閃光を放った。
「こっ、この反応は何だ!?この前のとは違う!」
「す、素晴らしい。エルドリクシルが新たな力を発揮した。」
16世紀のルネサンス期は所謂錬金術の最盛期。大西洋上の名も無き孤島でも錬金術師達が太古の昔の文献を基に魔石エルドリクシルを作り出すも肝心の魔石が何の変化も見せず研究が停滞していた。ところが島に漂着した瀕死の船乗りを生贄にしたところ
エルドリクシルが黒く輝きながら宙に浮き、それに味を占めた欲深き錬金術師共は冒頭の記述通りアフリカから奴隷として連行された人を生贄に捧げることに。
「前は黒く輝いていたエルドリクシルが今度は白く輝いた。
黒化から
白化へと進んだんだ。この調子なら
赤化ももうすぐだぞ。」
当時の錬金術師達が血眼になり追い求めた「賢者の石」の創造には黒化、白化、そして赤化の3段階があるという。
「ああ、早く赤化したエルドリクシルが見たい。」
「あいつら遅かれ早かれ全員生贄に捧げるんだよな。だったら今すぐ全員捧げようぜ。」
欲に駆られた錬金術師共は両目をぎらつかせ、奴隷達はもう明日の日の出を見られないことに気付きある者は号泣し、ある者は茫然としている。逃げ出そうにも傭兵達に囲まれ蟻の這い出る隙も無い。
「お、俺やっぱり無理。いくら何でもいきなり全員生贄にするのはやり過ぎだぞ。」
錬金術師の1人がそう言うと、他の錬金術師共がその者を一斉に睨む。
「ついさっき1人生贄にするのに同意していた癖に今更善人面するな!」
「丁度黒いのばっかり生贄にするのもどうかと思っていたところだ。お前生贄決定な。」
錬金術師共は全員生贄に難色を示した1人を縛り上げ、瞬く間に心臓を抉り出した。奴隷達は傭兵共に縛り上げられ、1人、また1人と生贄に。
「さぁて生贄が揃った。これだけ捧げればエルドリクシルも赤化するんじゃないのか。」
エルドリクシルは錬金術師共の期待通り赤い輝きを帯び始め、稲妻状の赤い閃光を周囲に放つ。
「おい!?話が違うぞ!ギャー!」
周囲を黄金に変えていく赤い閃光を浴び多大な苦痛にもがき苦しみ屍と化していく錬金術師共、生贄にされた人達の怨念、そして自分達の欲望がエルドリクシルに宿った結果こうなった。要するに自業自得である。そして他の連中が皆屍と化す中人間離れした強靭な欲望を持つ1人の傭兵がエルドリクシルを手にし、早速その魔石を己の胸部に埋め込み全身に黄金、宝石を纏う高位の亡者と化した。
「俺が今日からエルドリクシルの所有者!そして我こそこの
黄金郷の主、エルドリッチ!」
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