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Hizuki
2025-04-07 21:55:21
11947文字
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あんスタ[薫あん]
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あんスタ過去ログまとめ[薫あん]
【あんスタ】薫あん。ついったに画像のみで上げたSSのテキスト版まとめ。
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『できれば先に教えてほしかった』
指定されたお店に着いたのは約束の時間の五分ほど前だった。入り口で知り合いが先に来ていることを話すと、奥の個室に案内される。障子が張られた戸を開ければ、約束していた二人が出迎えてくれた。
「いらっしゃい、かおる〜」
「おう、羽風!」
「奏汰くん、もりっち、やっほ~。誘ってくれてありがとね」
四人掛けの少し広めのソファ席、その奥側に奏汰くんともりっちが並んで座っていた。今回の発端は奏汰くんからの連絡だった。『ちあきにもこえをかけているんですけど、こんや、いっしょにごはんでもどうですか~?』と。今日はオフで、特にこれといった用事もないから、断る理由はなかった。もちろん、今の流星隊の様子を聞ける機会にもなると思ったのもある。きっと向こうとしても同じだろう。戸を閉めながらテーブルの上を見ると、お箸とおしぼり、取り皿のセットが四つあることに気付いた。
「あれ、誰かもう一人来るの?」
「はい〜、もうすこししたらくるとおもいますよ〜」
一体誰だろうと思いながら、奥の席に詰めて座る。奏汰くんが声をかけるとしたら流星隊の他のメンバーか、あるいは颯馬くん辺りだろうか。荷物を下ろして一息つき、三人分のドリンクを注文したところで、もう一度戸が開かれた。
「すみません、遅くなりました」
「
…
ん?」
聞こえてきたのはとても馴染みのある少し高い声で。
「あんずさん、おつかれさまです~」
「大丈夫だぞ、あんず!俺達もさっき揃ったところだ!」
「あんずちゃん!?」
奏汰くんともりっちが呼んだ名前を思わず復唱する。慌てて戸の方を見れば、ダークグレーのスーツ姿のあんずちゃんがそこにいた。仕事を終えてそのままここに来たようだ。
「えっ、俺あんずちゃん来るって聞いてないんだけど!?」
「
…
あれ、いってませんでしたか~?」
「聞いてない聞いてない!」
そのまま奏汰くんの方を見て問いかけると、変な間が空いた。とぼけるように奏汰くんが首を傾げる。
「まぁ、そういうことなので〜」
そう言って雑に話を締め括った。これ以上この場で聞いたとしても、奏汰くんは答えてくれないだろう。さっきの口振りからして、もりっちはきっとあんずちゃんが来ることを奏汰くんから聞いている。そして、あんずちゃんの様子からすると、彼女も俺がいることは知っていたと見ていい。知らなかったのは俺だけだ。
「こんばんは、薫さん」
あたふたしている俺を見て、あんずちゃんがくすくす笑っている。かわいい。いやいや、そうじゃなくて。
「
…
こんばんは、あんずちゃん。お仕事お疲れさま」
「ありがとうございます。隣、お邪魔しますね」
「あっ、うん。どうぞ」
挨拶を返すと、あんずちゃんが持っていた鞄を預かって奥の荷物置き用の棚に置いた。食事のメニューを広げたもりっちが、俺にだけ見えるようにぐっと親指を立ててみせる。あんずちゃんにドリンクメニューを渡した奏汰くんも、俺の方を見てにこにこと笑っている。手元に目を向けているあんずちゃんはそんな二人の様子には気付いていない。
…
つまりこれは二人に『嵌められた』ということらしい。
いや、『お膳立てされた』という方が正しいのか。
普段の仕事に加えて、今は例のオーディションにもあんずちゃんは関わっているという。そんな忙しい中で、彼女に会える機会が得られたのはやっぱり嬉しいのだけど。とりあえず近いうちに二人には何かお礼をしよう、なんて思いながら、俺もメニューに視線を落とした。
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