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豆炭々炬燵
8113文字
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ジャンルごった煮
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【花攫い】人外×人間詰め合わせ【其の参】
Xでお見かけした素敵設定に多大なるインスピレーションを受けております。
ジャンル別人外×人間で統一、ノリと勢いでどうぞ。
※クロスオーバーものでは御座いません※
長月 菊→繰繰れ!コックリさん・コクこひ
神無月 彼岸花→深夜廻・深夜廻山の神×ユイ
霜月 紅葉→スマイルプリキュア!・アカやよ
師走 椿→令和のダラさん・ダラ日
???月 プルメリア→モアナと伝説の海2・マウモア前提のタマモア
前の季節→
https://privatter.me/page/67d2b3e5a2fc1
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【豺ア螟懷ササ螻ア縺ョ逾榲励Θ繧、】おいでおいデオイデ
10月 彼岸花 攫われる人→ユイ
鈍く痛む体をボーっと、してても手当て出来ちゃうくらい慣れちゃった。
身近な存在が居なくなってぽっかり空いた穴を無理やり他ので埋める、自分だけが忙しない毎日にユイは何時しか涙が零れなくなってしまった。
心がキュッとするのが嫌で、それを誤魔化すため空回り気味に過ごしていればとても辛くて悲しいのに目は萎れた花が活けられている花瓶の底みたいにカラカラだった。
花をそっと置き真っ暗な花瓶の中を覗き込んで逆さまにしてもやっぱり水一滴出てこない。花瓶から抜いた花を戻そうと、萎れた花に手を伸ばせば指先に伝わる萎びていない感触。ユイの意識と視線が指先に触れた花に注がれる。
つるりと葉のない茎の先端、赤く細い花火が咲いていた。
「さっきと違う花
…
」
花瓶に差さっていた花の種類を思い出そうとすればするほど、花の輪郭を隠すように白い靄がたちこめてはっきり思い出せない。
でも、知らないうちに胸の前で握りしめている赤い花火じゃないのだけは分かる。
「
……
なんでわたしは、こんなとこにいるの?」
突如沸き立つ違和感を糧に恐怖心が大きくなる。
花の種類を思い出す以前に、どうやってこの場所に来たのか思い出せない。
見覚えのある、でも、記憶と何かが違う家の中でユイが咄嗟に不気味な花を手放すと、足元を覆い尽くす勢いで地面に落ちた花火が壁や床、歪な部屋そのものを押し退け無音で打ち上がった。怖気が背中を走って自分をギュっと抱きしめたユイの子供らしい足が後退る。
一歩、二歩、三歩
…
。心臓の音が大きくなっていくにつれ、息するのが下手になっていく。歩くたび足元で咲いている花火を踏んでしまっている気配にいつもだったら胸が痛むのにそこまで気持ちが回らない。
目の前に広がる花瓶の中よりも濃い暗がりに気を取られ、一歩下がるごとに重くなっていた足に気付くのが遅れバランスを崩して尻餅をついてしまった。
赤い花火がクッションになってあまり痛くなかった。だけど、ユイの耳の傍で聞こえる身を委ねたくなる優しい誰かの声が彼女の中に生まれていた恐怖の芽を摘みすり潰す。
「
……
だれ?」
色々考えるのをやめてあたたかな毛布に包れる安心感に浸りたいのに、頭の隅っこで自分と同じくらいの女の子が「逃げて!」って必死に何度も叫んでる。
聞き馴染みのある声に突き動かされてなんとか立ち上がろうと、グッと足に力を込めたが電池が切れたオモチャみたいに動かなかった。
動ける範囲で体を揺らすのに合わせ赤い花火が咲き乱れる。飛び散った火花が足首と手首に折り重なって赤い輪を、一際目が覚めるような朱色の蛇が薬指の根元に絡みついた。
「にげなきゃ
…
」
寒くないのに歯がかちかち鳴っている口で心の中に残っている勇気をかき集めて呟いたのを誰かが呼ぶ。
首の後ろを冷たい夜霧が撫で肩越しに後ろを振り返った瞬間、真っ赤な目玉とたくさんの腕の群にユイの体と意識が攫われていった。
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