桜霞
2022-10-01 17:32:56
17250文字
Public 【twst夢】フライパンは無敵
 

パーソナルストーリー

#twst #twst夢 #not監督生 #女監督生 #オリ女主 2020/12/26にpixivに投稿したものの再掲です。







 NRC校内新聞
 誕生日のひとへインタビュー特集
 〜ユウとグリム編〜

 ───お誕生日おめでとうございます

「リンさ〜ん!! ありがとうございます!!」
「なんだかよくわかんねーけど菓子がうめえんだゾ!!」

 ───誕生日を迎えてどうですか?

「もうす、…………っかり忘れてました!! ドタバタすぎて!!」
「オレ様は今日初めてたんじょーびってヤツを知ったからな……この間こいつがいろんな奴にハグしてもらってたからそれで終わりかと思ってたけど、結局いろんなプレゼントがタダで貰えて、美味いケーキも食えて、幸せなんだゾ〜!!」

 ───なにかほしいものはありますか?

「オレ様は超〜高級なツナ缶なんだゾ!! それか、前にリンとユウが言ってた『ちゅーる』ってやつも、グルメハンターグリム様としては気になるんだゾ」
「サムさんの店にありそうなのが怖いんだよな……
「お前はどーなんだ?」
「うん、皆には『元の世界と行き来するためのマジックアイテム』とか『肌に直接身に着ける服』とか、冗談で言ってたんだけど、方々から真面目にお叱りを頂いちゃって。反省してます。後悔はしてません」

 ───ストレスたまってんねえ

「そりゃあ発散するところがそんなに無いので……

 ───趣味とか、部活は?

「うーん、今は勉強が忙しいですし……趣味と呼べるようなものも……
「よく料理してるのは趣味じゃねーのか?」
「あれは、趣味とはまた違うような……自分磨きかな……

 ───自分磨きは好き?

「好き、というか。抵抗はないですね! できなかったことができるようになると嬉しいです!」
「オレ様にはできねえことなんてねえんだから、自分磨きなんて必要ねーんだゾ。へへん!」
「この間赤点取った口でよくもまぁそんなことが言えるよ……

 ───他に好きなものはある?

「たくさんありますけど……最近、わりとはっちゃけても大丈夫だなって気付いたので、積極的に皆のことを振り回して行こうと思ってはいます!」
「好きなものどころか物騒な宣言なんだゾ……ちなみにオレ様は黒い」
「人の話を遮ることも!! 躊躇わずに!! やっていきたいですね!! ハイ!!!」

 ───皆とは上手くやれてる?

「はい! 上手くやれてると思います!!」
「手のかかる奴らばっかりだけどな」
「手のかかる奴ぶっちぎりナンバーワンがなんか言ってるなぁ」
「おめーも似たようなもんなんだゾ」
「そんなことなくない!?」

 ───特に仲が良いのは?

「やっぱりいつメンですかね……エースとデュース、後はジャックとエペルとセベクと……一部別にそこまでじゃねえとか言いそうなのもいますが……
「素直じゃねえ奴らなんだゾ!」
「でも、いつもありがたいなぁって思ってます。あんまり言いすぎるとパシられたり集られたりするので程々にしておきますが、正直いつメンとグリムとリンさんがいなかったらどうなってたか分からないです」
「へへん!」

 ───それでは、トラブルメーカーと呼ばれている事についてお聞かせください

「大体グリムのせいなんですよ」
「ふな!? ンな事ねーんだゾ!?」
「大体グリムがやらかしかけるのをどうにかしようとして雪だるま方式で事態が大きくなってややこしいことになるんですよ」

 ───なるほど

「正直私の授業態度は真面目な方だし日々粛々と生きてるのになんで問題児扱いされるのかちょっとよく分からないです」
「さっきオレ様たちのことを積極的に振り回していくって言ってた奴が何言ってんだゾ!!」
「何かとりあえずオンボロ寮の監督生のせい〜みたいな空気にするの流行ってるみたいですけど私は大概火消し役なので、皆さんもうちょっと私に優しくしてくれてもいいと思うんですよ」
「オレ様これ知ってるんだゾ!! イメージ操作ってやつだろ!!」

 ───グリムはこう言ってますが

「ちょっと何を言ってるのかよくわかんないです」
「ふな゛ーーー!!! 裏切り者ーーー!!!」

 ───振り回されてる振り回されてる(笑)

「ハッ!! なるほどこういうことか!?」
「いや、これはわりと本気」
「わかりにきーんだゾ!!」

 ───ははは(笑) 改めまして、誕生日、おめでとうございます。

「ありがとうございます!!」
「なんだゾ!!」





 ぴこん、と録画を終えた機械音が響く。ユウとグリムは、揃ってふう、と肩から力を抜いた。
「お疲れさん。写真は動画から抜き取って使うから、別で撮らなくてもいいって」
「分かりました! じゃあケーキ! ケーキ食べましょう!」
「にゃっほーい!!」
 二人がぴょんぴょこ跳ねながら、リンお手製のバースデーケーキの前に陣取ろうとする。リンは微笑むと、しなやかな腕で一人と一匹を捕まえた。
「ほへ、」
「ふな?」
「その前に。リンさんからプライスレスでプレシャスなプレゼントだよ」
「えっ、」
 ぱちくり、大きな瞳を瞬かせている間に、ぎゅう、と力いっぱい抱き締められる。
「───誕生日、おめでとう」
 優しい、穏やかな声音が耳朶を包んだ。きゅう、と胸が引き締められる気持ちがするのに、体はくたりと力を失ってしまいそうになる。
 ちぐはぐな自分自身に頭の中でわたわたしているのが嫌で、ユウとグリムは揃ってリンを抱き締め返して誤魔化そうと腕を伸ばした、その直後だった。
 ちう、とこめかみに、柔らかな感触が与えられる。
 さらりとしているのに、どこか暖かで。とろん、と微睡んでしまうような。
 キスをしてもらったのだと、ユウたちが気付けたのは、リンが二人から少しだけ体を離してからだった。一段と静かに笑みを深めたリンは、「さて、お待ちかねのケーキだ! たんとお食べ!」と鮮やかに一人と一匹をエスコートして、流されるがままにバースデーケーキを食べるユウたちを、幸せそうに見つめていた。