学園長室を後にしたリンは、『たぬき開発プレゼンツ DAL Airlineのパイロットによる気まぐれミステリーツアー』と柔らかなフォントとほのぼのとした温かみのある写真で彩られたパンフレットを印刷した。パンフレットには、本来は島の住人にしか発行されない旅行券を期間限定で解放しているとの旨が記載されている。隅の方に小ぃーーーちゃく、「※行き先は離島、または無人島です。必要な物は各自ご用意ください」と書かれていた。
リンは、これを、学園長室の机上に乱雑に片付けられていた南国の島々の観光パンフレットの山に紛れ込ませておくことに決めた。学園長は上手く視線を逸らせたと思っているかもしれないが、リンの視界にはばっちりそれらが映り込んでいた。
己の責任をほっぽり出してひとり南国のバカンスを楽しむなど以ての外である。リンはこれからクロウリーが訪れるだろう南国のリゾート地が無人島である呪いと、観光パッケージツアーが無人島移住パッケージになる呪いをかけた。心の中で。