外から朝日が差し込んでいる。
白い出窓から差し込む黄色い朝日。
格子の影がスネイルの手に当たり、カーブを描いていた。
スネイルは体を預けていたテーブルから上半身を起こす。
背中から布が落ちる。
いつの間に掛かっていたのだろう。
暖かそうな毛布がソファーの背にかかっていた。
寝てしまいましたか。
自分の腕に縋って泣いていた元義父に付き合ってたのは覚えている。
会議の疲れやパーティーに付き合った疲労、サーヴァンタスに付き合ってた精神的なストレスもあって猛烈に眠くなったのも覚えている。
サーヴァンタスに寄りかかって寝落ちたような気がするが
……そういえば。
スネイルは辺りを見回す。
一緒に寝落ちた筈のサーヴァンタスが居ない。
テーブルに目を向けると、小さなパイとメモ書きが置かれている。
葡萄の蔓のように細く滑らかな筆跡に目を向ける。
『昨日はありがとう。私は仕事があるから先に失礼する。リビングは昨日のうちに片付けた。ホームキーパーを予約しているから、お前が汚した分はそのままにしてくれていい。家を出る時は鍵を家のポストに入れておいてくれ。PS.私とお前のクリスマスはいつもこれを食べていたな?私からのクリスマスプレゼントだ。メリークリスマス。私の愛しい息子』
跡形も無く片付いた部屋で、スネイルは息を吐く。
どれだけ私が伝えようとも、貴様はその鎧を外しはしない。
テーブルに置かれたアップルパイを手で掴んで一口齧る。
幼い時に彼が焼いてくれたパイそのままの味だ。
サーヴァンタス、私は貴様を超える。
地位も名誉も、媚びる為に身につけた優しさも、自分を慰める為に発する善意も全て否定してやりましょう。
貴様が身につけている全ての鎧を剥ぎ取って、ただのサーヴァンタスになったなら。
この場所で、一緒にこのパイを食べましょう。
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