
●これは無かろうと思うのですが、獄炎の続きが出ないイマノウチ物件・子ヒュンネタ
どうしたの
なにをはなしてるの
わからないよ
魔王の力の元、集い、同じ言葉で語り合ったモンスターたちはそれを失い
どうしたの
なにをしたの
再び野に帰り
彼らの間の食物連鎖は復活し
なにをしているの
「あ」
「「「ああアアァあああぁあ!!!」」」
森でアルミラージがヘルバトラーに食われているところを目にしてそれっきりなんです、とレイラは告げた
だがそれは、詳細に言うならば、狩場の草いきれの中、血だまりの上で食っているもの、生きながら食われているもの、行き会った子供の中に昨日までの記憶がいっとき小さなあかりのように灯り、そのあと引き裂かれんばかりの叫びに変わった結果のことだとどうして彼女が知ろう
「良かったですよありがとう、無事ならそれで」
勇者は暗い部屋の中、ベッドで身を丸めた子供の様子を伺い、そして僧侶を安心させるべく優しく言う
「これでむやみと森に飛び出して行ってしまうことも減るかもですよ、あのヤンチャでつれない地上世界一年生さんは」
地上の「本来」が、光降る森の「当たり前」が、銀の子供には悪い夢だなど、若き勇者がどうして知ろう
今は、まだ。

●
その小さな玄関口には大ぶりな鏡が掛けられている
侵入者を伺い見る道具かと青年は思ったが「いや、あいつでも視野はおれたちよりかなり広い」と半魔が応えた
「あいつ」
「お前に翼を落とされた方の俺の仲間がいたろう」
血の気が多すぎ、騒々しかったが洒落者でそこそこ清潔な奴だった、塒は一夜借りる分には悪くないと思っていたら譲り受けてな。「色気づいた時のメス
―――同属のオンナがタマゴを産みたくなって壁を引っ掻き回す痕が増えて来たんでぞっとしねえ」と。言われてみれば、その姿見も一辺がへし割られたようになっている。
「つまりそいつの連れ込み宿か?」
「十年以上前の話だ」
修理と手入れはしてある、と返しつつ、半魔はその姿見の前、春の野を歩いてきた金色の埃か花粉を軽くはたき、そのいずまいを直す。
「こういう姿を映すぴかぴかしたものは、古い本能が刺激される厄介な好物だったようだ」
「ああ
……」
言われて青年も思い当たる。地底魔城を夜の塒にと戻って来る翼あるもの達は、パートナーと反りが合わずつつき殺してしまった後にはその目を食ってしまうことがよくあったし、幼い彼の大きな瞳を見ると嬉々として寄って来たのは
……そういえばあの親愛なるリザードマンの愛騎ガルーダでさえ嘗てそうではなかったか
「だからこの宿には何故かぴかぴかのグランドピアノも置いてある、驚くぞ」
「弾けるのか?」
「十年以上前の話と言っただろう」
半魔が仏頂面のまま、口の端だけ器用に上げた。
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