akinoshiroihana
2024-12-15 22:07:48
6454文字
Public
 

ラ―ヒュンワンドロ2024名刺原文





「なあ、タイツにしとかね?」
窓辺に現れた銀色の「子供」が言った。実働1年未満ながら、成人の肉体を持つ金属生命体の無邪気な彼が。
「おめーのよ、クリスマスプレゼントに入れてえやつが絶対入りにきーんだよなあ」
事前予告をして夜に来るのではサンタではなく怪盗になってしまうではないかと、頑是ない子の行く先を案じる慈母のような目でヒュンケルは手仕事の手を止めた。そういえば似たようなことはあったかもしれない、「サンタさん用の靴下」編みましょう、と新しい本と野歩きのマントが入るくらい、大きな靴下を教えられて前夜までかけて自作したこと。あれは地底では学ぶこともなかったもので、火の傍の柔らかさ熱さ集中に、加熱された果実と砂糖の匂い、その記憶は遠くなっても懐かしく甘い香りのように残る。

ああ、そうだラーハルトの野郎のでいいからよ、あれ枕元に提げとけよ、な?
あのタイツかストッキングかしらねえけど、あの伸びるやつ
青年の膝の上の、先ほど取り込んだ、太陽と冬の木花の香りのする洗濯物をひょいひょいと下心なく摘まみ上げてヒムは言う
ほらァ、お前のこれじゃキツイんだよ、いい具合に入んねえよ
ラーハルトのやつ頼むわ、ムード台無しだし破れたらワリイけど、あいつのなら入るは入るだろ、
「な!」
その言葉に青年は真珠貝みたいな色の髪を冬の日差しに洗わせ揺らし、遠い優しい記憶の香を嗅いだあと
「そうだな」
と微笑んだ




話途中で帰宅したラーハルトが、裏口で蒼褪めて震えているのを、彼等はまだ知らない