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すなつき
2024-12-07 10:23:03
18315文字
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ライアキbioパロ まとめ
Xへ投下中のbioパロまとめです。
全て格納済み
簡単な設定
街ひとつ飲み込んだホロウの中に溢れていたのはエーテルにより侵蝕されたエーテリアス……ではなく、ゾンビになった人間たちだった!みたいな話。
エーテリアスと呼んでいるけど、外見は基本的にゾンビ。他に寄生型がおりこちらは見かけは普通の人間なので、マジニやガナード系。定期的に掃討しないとホロウ内がゾンビだらけになってしまうため、政府機関だけでなく民間のエージェントも出入りしている。銃火器持たせたかっただけ。
パエトーン
アキラとリンと、ときどきFairy。
ホロウの内と外を繋ぐ特殊な無線技術によりリアルタイムでサポートしてくれる伝説のプロキシ。主に救出任務が多い。
直接ホロウ内に向かうこともあり、兄のスナイパーとしての技術は高い。妹はややトリガーハッピーなところがあるので基本的にホロウに入るのは兄のみ。
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タン、タン、タン、と継続的に響く軽い発砲音は、アキラの握るベレッタより吐き出された銃弾が正確にエーテリアスの眉間を撃ち抜いた音だ。
エーテリアスは衝撃に仰け反り、黒い液体をまき散らしながら倒れ込み、その足元でぐずぐずと溶け始める。
アキラは足を取られないように立ち位置を変えながら、僅かに息を乱しつつも応戦を続けていた。
脱出ルートを塞ぐ斧のエーテリアスを無視して通り抜けることは困難を極める。巨体のくせして奴は意外と素早い。それに真っ向からライカンはひとりで対峙している。
アキラに出来ることは、斧のエーテリアスの咆哮で湧いた雑魚をライカンに近づけないようにすること。そして一体でも多く、かつ、一秒でも速く殲滅することであった。
フッ、と息を吐き出しすり抜けざまに左手に握ったナイフを一閃。喉元を搔き切りながら背後へ回り込み、後頭部へと銃口を押し当て一発。
破裂音と共に内部で炸裂した弾頭が柔い前頭部を砕き、中にたっぷりと詰まった液体をぶち撒ける。甘ったるく、しかしどこかすえた鼻を突く臭いが立ち昇るのを振り払い次へ。
前のめりに傾ぐ背中を踏みつけて跳躍、猫のようにくるりと器用に体を捻り背後に迫っていた別の一体の顔面に更に一発。
ガチン!と音を立ててホールドアップの状態になったベレッタの空のマガジンを引き抜きながら深く膝を曲げて着地を決めた。
沈み込んだまま、アキラは両手を地面に当て足払いをしかけた。足を掬われ仰向けに倒れ込んだエーテリアスの胸部にストンプをかましながら、新たにマガジンが装填されたベレッタの丸いマズルを向ける。
刹那、白と淡いオレンジのマズルフラッシュが走り、リコイルで僅かに跳ね上がった銃身から空の薬莢が排出された。
まるでダンスでもするかのように、アキラは軽やかなステップで左右から襲いかかるエーテリアスの鋭い爪を交わし、お返しのようにナイフを首に突き立て、残ったもう一体へ銃弾を撃ち込んだ。
ぐるりと軸足を中心に回転、刺したままのナイフで大きく抉り首の骨を砕きながら目前に迫ったエーテリアスの膝を撃ち抜く。体勢を崩し前のめりに倒れ込むそれの頭を曲げた膝で蹴り抜いた。
吹き飛ばされ周囲のエーテリアスを巻き込み転がるそれを見やり、アキラは汗を滴らせながらフードの下で薄い唇を歪めた。
「
……
いいね、楽しいパーティーになってきたじゃないか」
振り返ることなく、背後に一発。それから続けざまに空中に向かって二発。
斧のエーテリアスを引き受けたライカンの元へは一匹も通すつもりなどない。ギッ、と断末魔を上げて落ちる飛行型の蜂のようなエーテリアスを一瞥しながらアキラは右手側から振り下ろされた刃のついた腕を半身になって避けた。
側をすり抜けるそんな自然な動作で後頭部に向かって発射。
乱れた息も、流れる汗も煩わしい。己の体力のなさを今頃恨んだところで劇的なレベルアップのチャンスが訪れる世界ではないのだ。
僅かにぶれた狙いに舌打ちを零しながら、アキラは淡く光る目を真っ直ぐにエーテリアスの群れへと向けた。
◆
横薙ぎに振るわれる大きな斧を、低くしゃがみ込むことで避けたライカンはそのままがら空きの胴体へと鋭い鋼鉄の蹴りを撃ち込んだ。
斧のエーテリアスは鈍い声を上げて僅かに上体のバランスを崩したものの決定打には程遠い。
まるで目障りな小蝿を追い払うかのように振り回される斧にはほとほと辟易していた。
すかさず距離を取り、唸り声と共に振り上げられた斧から目を離すことなくバックステップで回避する。
直後、轟音と共に石畳を粉砕しなから地面に斧の先端が突き刺さる。少し間違えばたちまちミンチになってしまうような攻撃に内心で舌打ちを零しながらもライカンは口端を歪めた。
「素人がッ!」
着地した左足に強くブレーキをかけ、背後に飛び退った体の力を前に向かうものへ変換する。キュインと小さく義足が鳴り、勢いよくライカンは踏み出した。
石畳を蹴り上げて、右足で突き刺さる斧の背を踏みつける。高い位置にある頭はちょうど、狙いやすいところへ下がってきていた。
義足のパワーで跳び上がったライカンはそのままエーテリアスの頭上で、ぐるりと前転するように背を丸め伸ばしたままの片足を振り下ろす。鈍い衝突音の後、勢いのついたフルメタル・レッグの踵部より繰り出されたネリチャギは斧のエーテリアスの黒い頭にヒビを走らせるに至った。
どろりと、黒いエーテル物質を垂れ流しながら悲鳴のような声をあげるそれの足元に難なく着地したライカンはランダルの銃口を突きつけて、トドメと言わんばかりに銃爪を引いた。
ドンッと重い発射音と共に押し出されたショットガンゲージは瞬く間に拡散して無数の鉛玉でエーテリアスの顔面を砕く。
斧を振り回しのたうち回るエーテリアスの攻撃に当たらないように距離を取り、ライカンは残弾の少ないランダルを構えたまま敵を見据えた。
あれで仕留めたとは思わない。有効的な一撃ではあったろうが、現に奴はまだ動きを止めていない。あちこちにエーテルを撒き散らしながら、斧で周囲を破壊していたがやがてそれはぴたりと動きを止めた。
膝を突き、顔らしきものを空へと向けて口だったものをがぱりと開いたまま黒いエーテルを滴らせていた。
不気味なまでの静寂。アキラはまだ戦闘を続けているので援護に向かいたいが、ライカンの直感が目を逸らすなと警鐘を鳴らしている。
じり、と僅かに足を引く。義足の裏で砕かれた石畳の破片を更にすり潰すようにしながら、いつでも動けるように集中を切らさない。
フーッ、と吐き出す己の呼気が響く。数秒か、数分か。時間の経過もあやふやになるほどの意識の最中、斧のエーテリアスがビクッと大きく痙攣した。
顔面が大きく開きその中から禍々しい赤色に染まったコアのようなものが露出する。どこから声を出しているのか巨大な獣の唸り声に似たものを響かせながらボコボコと背中に新たな腕を生やすそれ。
「ッ!!」
ライカンが息を飲む僅かな隙に変貌したエーテリアスは目前に迫り斧を振り降ろそうとしていた。
間に合わない。
ライカンは瞬間的に察して回避の行動を取る。視界がスローモーションのようにゆっくりとなり、間近に迫る斧から目を逸らすことができない。
あと数センチ。あとコンマ一秒でも有れば良い。
ライカンが、グ、と歯を食い縛った、矢先。
ガキンッと金属のぶつかる凄まじい音が響き、斧の軌道が僅かにずれた。それはライカンの数センチ横を通り抜け毛先を僅かに刈り取って地面にめり込んだ。
即座にライカンは距離を取り、跳ねる心臓を抑えながら背後を見やった。
「やぁ、随分と楽しそうにしているから妬いてしまったよ。もしかして浮気かい?」
「まさか、オオカミは一途な生き物でございます。浮気などとても。あなたの方こそ、ご婦人方に囲まれて随分と楽しそうでございましたね?」
「おっと、見られていたのかい? でも安心してくれ、あなたより魅力的な人はいなかったよ」
どこか重い足取りながらもライフルを構えたアキラの軽い口調にライカンはゆっくりと息を吐き出した。
会話の最中にも関わらず、むき出しのコア目掛けて数発撃ち込みつつライカンを見上げて口元を笑みに象る。
「援護するよ、さっさと終わらせよう。帰って熱いシャワーが浴びたいんだ」
「よろしいですね。私もご一緒しても?」
「シャワーをかい? ふ、くくっ、それは、いいね。忘れられない夜になりそうだ」
「ご期待に添えるよう努力致します」
ライカンは胸元のホコリを払いながら、体勢を低くした。義足が高い駆動音を奏で始め、よろめくエーテリアスを赤い目でしかと睨みつける。
飛び出したライカンの背後から正確無比な射撃が、行く先を拓く。優秀すぎるスナイパーの援護にライカンは堪らず口端を歪めた。
敵は先ほどよりも素早くかつ、耐久も増している。しかし先ほどよりも格段に戦いやすくなっているのだ。
斧を交わし、義足で一撃。飛び跳ねるように拳を回避して関節にランダルを一発。ひしゃげた肘に悶絶するエーテリアスの膝がライフルで撃ち抜かれて堪らず膝をついた。
残った三本の腕も尽くアキラのライフルにより無力化されていく。
遮るもののない曲がった背中はライカンの足場に最適だった。駆け登り、ランダルのごつい銃口をコアにぴたりと押し当て銃爪を引く。
グシャッとコアの半分が吹き飛びエーテリアスは大きく身震いした。吹き飛ばされるような勢いで背中から降り立ったライカンは残弾の尽きたランダルの代わりに、長きを共にしたライトニング・ホークを構える。
掌にピタリと吸いつく慣れし親しんだグリップをしっかりと握りしめ、セーフティを外してトリガーに指をかけた。
「終わりにしましょう」
低い銃声と共に撃ち出されたマグナム弾は回転しながら、吸い込まれるように残ったコアへと着弾する。
衝撃波がコアを襲い腕を振り回し藻掻いていたエーテリアスはよたよたとよろめき、そして鉄骨のむき出しになった廃材の山の中へとどうと倒れ伏した。
巨体を鉄骨が貫き磔にされたエーテリアスはそれでも腕を振り回して藻掻いていたが、やがて力を失って四肢を投げ出し絶命した。
「
……
帰ろうか、アルファさん」
「
……
ええ、そうですね帰りましょうパエトーン様」
ホロウの内部は静まり返っている。少し前までエーテリアスの群れに囲まれていたなど微塵も思えないほどにシンと静寂が満ちていた。
二人は構えていた銃を下ろしてどちらからともなく顔を見合わせた。予定された建物の隙間を抜けるホロウの出口はかろうじて残っている。連れ立ってその隙間へとライカンが手をかけた、刹那。
「アルファさんッ!!」
その細身のどこにそんな力があったのか。
アキラに強く腕を引かれ引き倒されたライカンはこちらを見下ろす彼を見上げてゆるゆるとひとつきりの目を見開いた。
「パ、パエ、トーン、さま」
「無事、かい?」
ライカンの視線の先。薄いアキラの体を鉄パイプが深々と貫いている。尖った先端から赤い液体が伝って、ライカンの上に落ちていった。
「パエトーン様ッ!!」
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