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ちよど
2024-11-18 20:09:50
9256文字
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わし様など
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練習1P 400個記念企画短編化まとめ
#練習1P、のタグで書いていたもの。このたび、読んでくださったみなさまのおかげで400個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。
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No.3 現パロ ビマ+ヨダ「邪魔してくれるなよ」
■原文■
転生してやっと見つけたドゥリーヨダナはひとりだった。
「どんなペテンを働いたんだ?『天才少年』」
公開されている情報をたどって会いに来た俺を部屋に通して、ヤツは手を広げた。
「これを見ても分からんのか?薄情な男だ」
ドゥリーヨダナの部屋は雑多な物で溢れかえっていた。本もあれば模型もある、スポーツ用品、写真、編み物などなど。なんの関連性も見えない物ばかり。
「飽きっぽいにもほどがあるだろう」
呆れるとドゥリーヨダナは柔らかく微笑んだ。
「本当に分からないの?ビーマお兄ちゃん」
その声色は、
「──ドゥフシャラー」
101番めの従姉妹はその兄の姿で笑みを深くした。
彼女がいるということは他の100人がいないわけがない。
再び部屋に視線を巡らせれば各々の嗜好が透けて見える。本はヴィカルナだろう、模型はチトラーンガダが好きそうだ。ドゥリーヨダナばかり写っている写真はドゥフシャーサナか。編みかけのセーターを手に取れば、ドゥリーヨダナの雰囲気がまた変わった。
「という事だ。わし様は賢く最高の王子だが、弟達と知恵を合わせれば『稀代の天才』と呼ばれるのも当然だろう。──わし様達は今度こそ最後まで一緒にいる。だから」
■短編■
数え切れないほどテレビに出てレギュラー番組まで持っている目立ちたがりの『天才少年』にダメ元で手紙を出したはいいが、まさか自宅に招待されるとは思わなかった。
どこにでもあるような一軒家。俺を迎え入れてくれた母親の目は微笑んでいた。通されたのは雑多なもので溢れた子供部屋だ。
その中央でテレビで見た少年が俺を迎える。
「せっかく生まれ変わって疎遠になったというのに、わざわざわし様に会いにくるとは」
呆れたような表情にこいつが『ドゥリーヨダナ』だと確信した。
「どんなペテンを働いたんだ? 『天才少年』」
俺の言葉に奴は口元をつり上げる。それは生まれ変わる前によく見た顔だった。
百王子の長兄。俺の宿敵。ドゥリーヨダナ。
だが、今のこいつに兄弟はひとりもいない。たったひとりだ。
生前いつも弟妹達が側に居たドゥリーヨダナはまだ細い腕を広げた。
「これを見ても分からんのか? 薄情な男だ」
指し示されたのは部屋に溢れている雑多な品々。棚に几帳面に詰め込まれた本の数々。その棚の上には繊細な模型の数々が飾られている。壁にはドゥリーヨダナ自身が写った写真が何枚も貼ってあり、子供用のバットやラケットは無造作に立てかけてあった。更にはテーブルの上に編みかけのぬいぐるみが転がっている。
「飽きっぽいにもほどがあるだろう」
呆れるとドゥリーヨダナは柔らかく微笑んだ。
「本当に分からないの?ビーマお兄ちゃん」
その声色は、
「──ドゥフシャラー」
101番めの従姉妹はその兄の姿で笑みを深くした。
彼女がいるということは他の100人がいないわけがない。
再び部屋に視線を巡らせれば各々の嗜好が透けて見える。本はヴィカルナだろう、模型はチトラーンガダが好きそうだ。ドゥリーヨダナばかり写っている写真はドゥフシャーサナか。体を動かすのが好きだったのは誰だったか。可愛らしい毛糸のぬいぐるみを手に取れば、ドゥリーヨダナの雰囲気がまた変わった。
「兄貴はさぁ。お前にこの秘密を話してもいいって言ったけど、俺は反対」
「ドゥフシャーサナ」
「うーん。でもビーマさんは兄さんの中の僕達のこと。秘密にしてくれると思うよ」
「ヴィカルナ」
ひとりの少年がくるくると表情と声色を変えて違う人格を語りだす。
それは多分一般的には多重人格というものだろう。──確かにむやみに知られれば『天才少年』の生活はむちゃくちゃになる。
しかし。『ドゥリーヨダナ』は誇らしそうに笑みを浮かべた。
「わし様はもともと賢明な王子だが。『わし様達』が知恵を合わせれば『稀代の天才』と呼ばれるのも当然だろう」
「まあ乾電池も繋げればめちゃくちゃ光るしな」
「わし様達を電池扱いするでないわーっ!!」
怒ってこちらを指差すこいつは俺がこの秘密を暴露するとは思っていないのだろう。それが心配ならそもそも俺が送った手紙を黙殺すればよかったのだ。
こほんとドゥリーヨダナが咳払いする。
「まあいい。そもそもわし様はあまり信じてはおらぬが。世の中には因果というものがあるそうだ」
妙な話題になって俺は首を傾げた。そんな俺をドゥリーヨダナの瞳が映す。
「生前、わし様達を引き裂いたのはお前だ。ビーマセーナ。──わし様達は今度こそ最後まで一緒にいる。だから」
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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