ちよど
2024-11-18 20:09:50
9256文字
Public わし様など
 

練習1P 400個記念企画短編化まとめ

#練習1P、のタグで書いていたもの。このたび、読んでくださったみなさまのおかげで400個書けたので記念企画としていくつか短編化しました。
リクエストしてくださった方々ありがとうございました。



 No.2 わし様+マスター「もう生前じゃねぇだろ」

■原文■

 最近ドゥリーヨダナのわがままがひどい。
 シュメル熱が流行ったせいで多くのサーヴァントが出撃出来なくなっている中、「周回は嫌だ」「食事は部屋でなければ食べない」「用事があるなら部屋まで来い」とカルナさんとアシュヴァッターマンを引き連れて自室に引きこもってゲーム三昧をしているらしい。
「わがままは時と場合を選んで欲しい!!」
 マスターの絶叫にビーマは眉を寄せた。
 こちらは律儀に毎日周回に参加している。毒無効はウィルスにも効くようだ。
「アシュヴァッターマンもカルナもあいつの部屋からほとんど出てこねぇな」
「どうせ、ドゥリーヨダナに付き合っているんだよ!!」
 稼働出来るサーヴァントが少なくなったしわ寄せが全て来ているマスターは叫んだ。
「もうだめ!そろそろ限界!行くよ!ビーマ!!」
 ドゥリーヨダナのわがままに耐えきれなくなったマスターはビーマを引き連れてドゥリーヨダナの部屋に突撃し、絶句した。
「どうして言わなかったの?」
 寝込んでいるドゥリーヨダナと、彼にすがりついているアシュヴァッターマンを庇うように立つカルナは答えた。
「不調を知られるな、と言われた」
 ビーマが首を振る。


■短編■
ドゥフシャーサナ、分かっているな?」
「オレはドゥフシャーサナではない」
 荒い息の下で告げれた言葉を訂正すると、ベッドに横たわっているドゥリーヨダナが熱に潤んだ目を開けた。
「──カルナか。」
「そうだ。アシュヴァッターマンもいる」
 赤みがかった紫の瞳が下を見る。ドゥリーヨダナの腹部に取りすがっていたアシュヴァッターマンが泣きはらした顔を上げた。
「旦那。俺の──」
「いらんいらん。すぐに治る」
 ぜいぜいと息を切らしながら、涙を浮かべたアシュヴァッターマンが宝珠を譲り渡そうとするのを断って。ドゥリーヨダナは熱い息を吐いた。
カルデアだということは周回があるな。カルナ。わし様はこの前ガネーシャ神から借りた新作のゲームにはまって部屋から出たくないのだ」
「シュメル熱で動けるサーヴァントの数は減っている。わがままは身を滅ぼすだろう」
 オレの忠告にドゥリーヨダナは少しだけ視線を揺らした。
「だが、王子たるもの不調を知られるべきではない。──分かるだろう?」
 分からない、と答えるのは簡単だったが。オレは頷いた。
「食事を取ってこよう。──普通のものを」
 言い置いてオレは食堂に向かう。途中でマイルームに寄りドゥリーヨダナが出撃出来ないと告げると案の定マスターは怒りを滲ませた。
「いつ出撃出来るの?」
「しばらくかかるだろう」
「しばらくっていつ!?」
 シュメル熱で動けないサーヴァントはオレが思っているより多いようだ。余裕がない様子に友の評判が下がっていくのを実感する。
 だが、それをあれが望むのだというならばオレは口を閉ざそう。
「カルナさんに言ってもしょうがないよね。わがままは程々にして早く出てきてと伝えてくれる?」
「承知した」
 頭を下げてマイルームから出る。食堂ではビーマが食事を配っていた。
「シュメル熱にかかった奴に持っていくのはこっちの粥だ。食べやすいし栄養もたっぷりだぜ」
「──普通の食事を3人分もらえるか?」
 オレの声にビーマがこちらを向く。
「そっちは大丈夫なのか?」
「無用の心配だ。──持ち帰りで」
 そう答えたオレにビーマはわずかに顔をしかめたが、備え付けのワゴンに食事を並べてくれた。
「シュメル熱のせいで必要な奴が多い。早めに返してくれ」
「無論だ」
 ──気づかれるような挙動はしなかったが、ドゥリーヨダナが回復するよりもはやくマスターの忍耐が尽きたようだ。
「どうして言わなかったの?」
「不調を知られるな、と言われた」
 部屋に乗り込んできたマスターに俺が答えると、ビーマが首を振った。
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読んでくださってありがとうございます。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

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