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シフォン
2023-06-06 21:54:13
3761文字
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小説
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黒白無常
2023年秦兄弟誕生日記念。
パラレル時空で死神として働く兄弟の話。
ファンタジー要素、捏造設定等多分に含みます。
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時は昔、中国の冥界。
悪霊を地獄へ連れ去る死神たちがいた。
彼らは「黒白無常」「七爺八爺」などと呼ばれており、
生前兄弟の契りを交わすほど仲の良い二人であったという。
思慮深く穏やかな謝必安─────白無常、
清廉潔白で高潔な范無救─────黒無常。
とある伝承では、彼らの生前について
以下のように伝えられている。
ある日。
二人が橋を歩いていると、雨が降り出した。
傘を持っていなかった二人は、どうするか相談する。
「私のほうが脚が速いから、走って取ってこよう。
橋の下で雨宿りをして待っていて」
そう范無救に言い残し、謝必安は走って行った。
雨は絶え間なく降り注ぎ、強さを増していく。
水位が上がり川が氾濫しても、
范無救はその場を離れようとしなかった。
(自分がここにいないと、きっと謝必安は心配するだろう)
傘を手にした謝必安は、范無救の元まで走り続ける。
しかし、雨に阻まれなかなか辿り着くことができなかった。
やっとの思いで戻った時には───范無救の姿は無かった。
洪水に巻き込まれて、橋ごと流されてしまったのだ。
どれだけ探しても、呼びかけても、范無救は応えなかった。
『自分が范無救を殺してしまった』
自責の念に駆られた謝必安は精神的に衰弱していき、
范無救の後を追うように、橋に麻縄を括り付けて───
悲しき最期を迎えた彼らは、神に見初められ獄卒となった。
その後、彼らは民間伝承において信仰の対象となり、
厄除けや賭け事に利益のある神として祀られている。
─────時は流れ、現代。
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