蹂躙自陣オンリー用

『蹂躙するは我が手にて』現行未通過×

『OnlyYou!!』用のサンプル



◆かくして贖罪は果たされず/サンプル

▷全年齢
▷メルロル/蹂躙時代if
・遺されたロルによるメルの約束にまつわる話。


天才技術者メルヘカ・タヴィリカが死んだのは、彼の苦手な雪が降り積もった日だった。飲酒運転を行った車との不運な接触事故、運転手も彼も即死らしい。勿論、遺書も遺言もなにも用意されていない。死体も粉々で、棺桶の中を見ることはできない。

アル殿とエル殿には、未だ知らせていない。この判断に、どんな反応を返すのかは分からない。けれどメル殿の唯一であったボクは、葬儀で他の誰かが慟哭するのを見たくなかった。まぁ、自分は涙も流れなかったわけだけど。小さくなった彼の骨は、ボクの家に納められた。彼の血縁は残らず戦争で失われていたし、それを預けられる知人もいない。そうして選ばれたのが、葬式を取り仕切っていたボクだった。

彼は誓ったことがある。
「オレはいつか、キミを食い尽くしてしまう」

ボクは受け入れたことがある。
「いいよ。残さず全部、食べてくれるなら」

その約束は、呆気なく破られた。彼が明るく笑う遺影を前にして、ボクの内側は得体の知れない感覚で埋まっていく。渦巻くこの色を、自分は知らない。憤怒、憎悪、苦痛、悲哀、それとも別のものだろうか。嘘つきになった彼は、これの正体を知っていたのだろうか。