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しちろ
2024-06-30 20:47:51
45456文字
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LOM・宝石泥棒編
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宝石泥棒編 最終話
ティアストーン後編。
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6
長いお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。
ここからはおまけです。
例によって台無しなんで、閲覧は自己責任でお願いします。
↓↓↓
おまけのティアストーン
1 おまけのティアストーン 石化待ったなし
夢を見ていたような気がする。優しくて温かくて、とても切ない夢。
それが、いつの間にやら明るくなってよく寝たな、と思った。思ったのだが。
「えっと、あれ?」
起きてみれば、なぜか珠魅に囲まれている。
カイは目をこすり、ぱちぱちと瞬かせた。
「瑠璃?」
「
……
ああ」
核を奪われたはずではなかったのか?
驚きながら瑠璃を見ると、そのそばでエメロードが笑って小さく手を振った。
「本物?」
「ああ」
エメロードだけではない。ルーベンスとディアナもいる。
「嘘だ」
「嘘じゃない」
「じゃあ、夢」
「夢でもない」
だって、みんな死んだはずなのだ。
それが、自分に向かって笑いかけている。
カイは自分の頬をつねってみた。
痛かった。
目頭と、鼻の奥がツンと熱くなった。
「ふえ」
「ま、待て! 泣くな、せっかくもとに戻ったのに!」
玉石の座は、珠魅たちの悲鳴と混迷に包まれた。
2 おまけのティアストーン 完全に忘れてた
「
……
危なかったぜ」
「うん、完全に石になりそうな自分を感じたよね」
瑠璃もカイも、額にびっしり浮かんだ汗をぬぐう。おそらく、今の瞬間がカイの人生一番の危機だった。
「ところでさあ」
一同を見渡したカイが、首を傾けた。
「なんだ」
「シオンは?」
「!!!!!」
珠魅たちは一斉に外に飛び出した。
3 おまけのティアストーン ウォータースライダー。もしくは流しそうめん
「
……
」
サフォーの門のそばで、シオンは雨に打たれていた。
嵐ってすごいな
……
。
シオンが生まれて初めて見る、珠魅の嵐である。
それは置いといて、煌めきの都市は巻貝のような構造になっている。
要するに、大量の雨水が上層から濁流のように押し寄せてくる。
「
……
」
シオンは思った。このままだと俺、溺れて死ぬかもしれない。
4 おまけのティアストーン おらに元気を分けてくれ
「シオンーー!!」
玉石の座を飛び出した瑠璃と真珠姫は、都市の下層で核が砕けそうなほどビビった。
「死んでるーーーー!」
死んでない。
「おにいさま、しっかり!」
「クソ、もう一度涙だ! 少しずつでいい! みんなの命を分けてくれ! オレ達ならできる!」
死んでない。
5 おまけのティアストーン こんな主人公たちですみませんでした。
煌めきの都市の一室に、カイとシオンは並べられていた。
「
……
」←石化して搬送
「
……
」←負傷&溺死しかけて搬送
「ねえ、シオン」
「
……
」
「あたしたちさあ」
「
……
」
「かっこ悪くね?」
「
……
」
「雨、止まないね」
「
……
そうだな」
6 おまけのティアストーン 必殺技
「ところでさあ」
「なに」
「キミ、さっきなんか技出したじゃん」
「
……
まあ、いちおう
……
」 ※作中で使った技は『一刀』
「自慢じゃないけど、あたしも出たんだよ。なんと、一度も使ったことのない剣の技が」
「へえ」
「というわけで、キミの剣を貸してほしい」
両手剣だけど
……
。
よくわからないなりに、シオンは自分の大剣を貸してやった。
それを腰だめに構え、カイは目を閉じる。意識を集中させ、砂マントのストーカーを強くイメージした。
「喰らえ! レーザーブレード!」
「
……
」
カイは重たい剣を不器用な仕草で、てい、えいと振る。当然だが、何も出ない。
空振りを重ねるごとにカイの顔が赤くなり、そのうち耳まで赤くなってきた。
「あ、えっと、キミの剣、両手剣だもんね? 瑠璃のは片手剣だもんね? 種類違うもんね?」
「そういう問題じゃない気がする」
「だいじょうぶ、運命の剣があればもう一度出せる気がする! こう耳を澄ますとね、魔法の剣は教えてくれるわけだよ、あたしに正しい剣の使い方をね
……
」
「あの剣、使ったのか」
「そだよ、すごいでしょ」
「
……
まだ、あるの?」
「
……
あ」
一度しか使えない、瑠璃の運命の剣。力を使い果たしたので、マナに還りました。
カイは大剣をシオンの枕元にそっと返すと、すごすごと自分に割り当てられた寝台に戻った。
「
……
」
「
……
」
「
……
も少し大人しく、寝とこうか」
「
……
。そうだな」
7 おまけのティアストーン したらな!
「おい、大丈夫か
……
」
様子を見に来た瑠璃は、目玉が飛び出そうになった。
「アンタた
……
ちぃ!?」
寝かせておいたカイとシオンが、すでに帰り支度を整えている。
「ちょっと待て! アンタら、まだ動ける状態じゃないだろう!」
「あたしたち、そんなやわじゃないよ。こう見えてもバリバリ鍛えてるもん」
「いや、それはそうだが
……
ずいぶん強くなったのは認めるし」
体力が異常にあるのも、まあ認めざるを得ない。なんでこいつらこんなに頑丈なんだ。
呆れる瑠璃に、そうだねえ、とカイが頬をかいた。瑠璃と出会ってから、彼女は特に鍛錬を欠かさなかった。
「実はさ、瑠璃。あたし、あたしより強いキミやパールに置いて行かれないように必死だったんだ。なんとかキミたちの力になりたくて」
「
……
」
「瑠璃。なんか、照れてる?」
からから笑って、カイは大きく伸びをした。
雨はもうやみそうだ。
「さあて、帰るかぁ! コロナとバドが待ってるからね!」
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
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