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ᴋᴀʜʟᴜᴀ ᴍɪʟᴋ ʀᴏɴᴘᴀ

✨🍻 カンパーイ! // 🍻✨


🍺1章

殺人はいつまで経っても起こらない。
少しの諍いはあったが、どれもいつの間にか収まっていた。

我々は大人なのだ。世の酸いも甘いも多少は知れている。
子どものように、些細なきっかけで逆上し、人を殺すまで憎悪を抱くには至らない。

朝蜘蛛「しっかし、僕が消えたってのにこんなに助けくる気配ないのおかしいだろ。まさか全員僕のこと忘れたわけじゃあるまいし!」
梵「外の人たちのことが心配?俺もだよ。いくつか仕事入ってたし、凄い迷惑かけちゃってるんだろうな」

この状況が全部夢だったら良かったのにね、と梵白狼は嘆いている。それに同意して頷く朝蜘蛛守は、頭の中ではほかのことを考えているようだった。

平和な様子を見て、八神唐丸は少し前に起こった衝撃的な殺人を思い出した。
いきなりコロシアイをしろと強制され、反抗すれば見せしめとばかりに嘘のような黒い槍で貫かれた。

ヴェインは大丈夫だろうか、と本当の家族のように思っている可愛い子のことを思い出す。
彼女にとって、止行は大切な友人であったらしい。ふさぎ込むヴェインへ、八神はどんな言葉をかければ正解なのかが分からなかった。

一方で、清澄あさひと話す頻度が多く思えた景衣はケロリとしている。患者とカウンセラー、仲が良かった、とは確かに言いきれない関係だったのかもしれないが。
どうやら、妹以外は目に入らないらしい。カウンセラーの癖に、と思わなくもなかった。

獏獏「どうぞ、獏獏定食です!良ければ召し上がってください!」
空良「いい匂いー!懐かしさとか安心感もあるけど、新時代の風も感じられるみたいなっ!」
セヴィリオ「はは、食リポみたいだね。こっちも試してみない?」

古川「せっちゃんも凄いよな、これだけ限られた中でも色々なカクテル作っちゃうんだぜ」
遥保「……私は苦いものが好きなのだが、そういった要望も叶えてくれるだろうか」
笛吹「相当無茶な要求以外は聞いてくれるんじゃないか?俺は先ほど彼から茶を貰ったよ」

乃香「お兄ちゃん、乃香はお腹が空いたのよ。あっちにあるのも食べたい!」
景衣「分かったよ、乃香ちゃんが食べたいならそうしようか」

実に平和な一場面だった。殺人など到底起こる気配などなかった。
少し前に起きた悲劇など忘れたかのように、あるいは素知らぬふりをするように。

だが、これは君たちを楽しませようと画策された宴ではない。
楽が許されているのは、壊れてほしくないからだ。辛いことが続けば人は簡単に折れる。長期的に考えれば、少しの安らぎは必要だった。

辛さの後には、楽しみを。
それなら、楽しいことの次には一体何が待ち受けているのだろうか。

四十物「どーも~!皆様お楽しみ中のところ失礼致します!この度は苦言を呈しに参りました!」





御守「っとあぶね~。……おいおい勘弁してくれよな!キミたち、大丈夫か?」
八神「少なくとも、以前のように死人はいないな。兎角怪我をしたものの手当をしなければ」

大多数の人間は、絶望を無事避けられた。
最初から大勢を狙ったわけではなかったのだろう。反応出来ず動けなくとも、怪我を負わなかったものがいたのだから。

涙流「痛い、痛いじゃないっ……!貴方、よくもこの私に傷をつけたわね……絶対に、忘れないわ。忘れてなんかやらないわ……!」

不幸にも絶望がその身を掠めた涙流は、全身で怒りを表していた。
珠のような肌を血塗る赤い色は、なんとも言えぬ妖艶さをはらんでいる。

ヴェイン「なんで、またこんなことが……だ、大丈夫だからな!アンタたちのことはアタシが全部治してやるから!」
朝蜘蛛「……この僕に刺さったおかげで怪我しなかったんだから、ありがたく思えよな!泣くなよ、そんなに……

驚きか、はたまたそれ以外の感情からか。涙を零した彼女の瞳には朝蜘蛛の傷口からドクドクと血が流れる様が映っている。

四十物「いいですか?早くコロシアイをしましょう!そうしないと、またお邪魔させていただきますからね!」

それでは乾杯!儚く楽しいひと時を!
四十物は手に持ったグラスを高く掲げている。

🍻✨

可哀想だ、と言われた。
それが己に向けられたとは到底思えなくて、笑って誤魔化した。

地獄のような日々を生き抜いて、勝ち抜いた。そうして得られた席に今でも座れていることは、幸福以外の何物でもない。
羨ましい、とよく言われた。白鳥が水面下で足を動かす様を知らない人たちは、ただ羨望をこちらに向けてくる。

必死になることの何が悪いのか。自分を偽ることは、決して不幸ではない。
仮面を被り続けていれば、いつかはこれが素顔になり得る。

僕には、よっぽど目の前に立つ君の方が可愛そうに見えた。



【梵白狼】
🍺貴方はバタフライピーティが飲み込めない!

🍻✨

ああ、なんて可哀想なのだろうか。
目に入る生きとし生けるものは、一つの例外もなく哀れで惨めだった。

幸福に映る偶像も、所詮はまやかしだ。偶像とは、得てして大衆がいなければ成り立たない。一人で生きていけなくては、意味がない。

なんという悲劇、なんという災難!万人が逃れられない罪とは、まさしくこの世に生まれ落ちてしまったことなのだ。
可哀想だ。だから、手を伸ばさずにはいられなかった。

蜘蛛が朝に巣を張るのは、晴天の時が多いらしい。
それならずっと泣いてばかりいる自分は、いつ安寧の場所を手に入れられるのだろうか。



【朝蜘蛛守】
🍺貴方は嗚咽が飲み込めない!

🍺1章
シロ→梵白狼様
クロ→朝蜘蛛守様