【凶星を穿つ】

自陣MHパロ/Season.1
一気読み版




「モモ、前線に出るんか」


多くのハンターが行き来する通路近く、一つの小部屋で装備の点検をしていたアサヒにカンジが言う。弓の弦を整えつつ、アサヒは返事をした。


「ああ、G級ハンターだからね。カンジはどこに配置されたの?」

「観測所の警護や。バルファルクの影響で縄張りから出されたモンスターを追い払うんやって」

「あー、防衛に回るんだ」

「ソウゲツも出るんやろ?」

「まぁ、この村でG級はボクとソウゲツだけだし。増援として二人、他ギルド所属のG級ハンターが派遣されるらしいけど……間に合うかはわからないね。発見時点から作戦は開始されるから」

「ヒーローは

「ヒロはまだ聞いてない。怪我もあるし、防衛側にいるんじゃないかな」


さくさく会話を進めながらも、アサヒが作業を止めることは無い。弦の調子を丁寧に確かめながら瓶を補充していくその手は、迅速で馴れたものだ。言葉に詰まったカンジが、アサヒに何かを言おうとしては口を閉ざすを繰り返す。察したアサヒは一瞬悩むが、結局はそれを口に出した。


「ソウゲツと別行動で安心した?」


ここでようやく、アサヒは手を止めカンジを真っ直ぐに見る。交差した視線はそのままに、カンジはくしゃりと顔を顰めた。決して怒ったり悲しんだりしているわけではないが、その表情には悲痛さが含まれている。


……かもしれん。まだ分からんけど、それでもこの『オオアラシ』が終わたらきっと、答えを出せるんやろな」


願望にも似た言い方で、カンジは言葉を紡いだ。一種の現実逃避ではないのかという問いを、アサヒは口にしない。それは無意味な質問であり、カンジも分かりきっていることだからだった。