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お芋さん太郎
2024-04-02 20:42:38
13374文字
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ONEPIECE
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狩り大会
#ハートの海賊団オールキャラ #パラレル
※ずっと前にネットの海に流したやつ
※パラレル設定注意!特殊設定注意!
※ペンギンとシャチの技は捏造
※オリキャラクルー、モブクルーがしゃべる
※ちょっとガラ悪いハートの海賊団
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上は荒波、下は暗闇。
ちょうどその狭間を進む潜水艦〝ポーラータング号〟に、調子のはずれた鼻歌が響いていた。
金属製の壁は心地よく音を返してくる。
気分をよくした鼻歌の主は、肩をはずませ楽しげにステップをふんだ。
ごきげんなままに指を鳴らすリズムは軽い。
とうとうサビにさしかかり、勢いにまかせて華麗にターン!
……
は決まらず、出張ったパイプに足をひっかけ、盛大に転んだ。
「シャチ、なにやってんのお前」
「
……
愛すべきおれらのポーラータング号とハグ」
「ばかじゃん」
タイミングよく近くにいたウニが、あきれた様子でシャチを見下ろす。
いつものシャチなら「バカって言ったほうがバカなんだ、バーカ」と噛みつくはずの流れだ。
しかし今日は、ちょっと違う。
シャチは寝そべったまま足を組んだ。
昼寝してるみたいに頭の下に手をやり、余裕そうに口元をゆるませる。
「お前の暴言を許しましょう。おれはいま気分がいいんだ。感謝しろよ」
「ありがとう」
「素直かよ!」
ふたりがへらへら笑っていると、食堂の扉からペンギンがニョキッと顔を出した。
「シャチ、ウニ。なにやってんのお前ら」
「シャチがコケたから指さして笑ってた」
「バカじゃん」
「うるせー!」
ペンギンに手まねきされた先には、もうすでにクルーたちが集まっていた。
操舵室にいるハクガンとべポ、動力室で仕事しているイッカクら数人、キッチンの準備をしているコックを除くとこれで全員。
シャチたちのすぐ後に船長のローがやってきた。
みんなの目線が彼に向かう。
ローはゆっくりとクルーらを見まわしてからひとつ息をおき、満を持して口を開いた。
「これより、狩り大会をはじめる」
いかつい野郎どものデカくて太い歓声が艦をビリビリ震わせた。
いつまでも終わりのこないそれを、ローは手だけで制する。
「標的はおれたちの『真上』にいるオキアミ海賊団。船員約80ほどの中規模海賊だ。賞金首は船長が3000万、その他1200万がひとりに500万がふたり。それ以下は
……
アー、四捨五入して切り捨て。まあなんと、お可愛らしいことだ」
ローが持っていた手配書をバサッとバラまき、お行儀悪く踏みつける。
クルーたちからはアハアハといやらしい笑いがもれた。
ローは少しの間それを眺め、とん
……
と妖刀“鬼哭”を床につき鳴らす。
部屋に満ちていた笑いが一瞬で引いた。
「先発はペンギンとシャチ、船底から侵入し撹乱しろ」
「おっしゃ! 」
「まかせろ!」
ペンギンとシャチが肩を組みながら声を合わせた。
「戦闘チームは艦の浮上後、おれの能力で敵船甲板へ。内ウニの略奪チームは頃合いをみて船内に侵入し、金品食料を奪取」
「アイアイ」
戦闘チームが目をギラつかせる。
「他は艦で援護を頼む。それと
……
ジャンバール」
「なんだ、キャプテン」
「お前は見学していろ」
ジャンバールは口をポカンと開けた。
キョロキョロと視線を泳がせ、眉根をよせて首をかしげる。
前回の狩り大会は、シャボンディ上陸前だった。
それからは海軍から逃げたり、頂上戦争に顔を出したり、麦わらのルフィの治療をしたりと怒涛の毎日。
数日に一度のペースでおこなっていた狩りが、ずいぶんと久しぶりになってしまっていた。
つまりシャボンディで仲間になったジャンバールにとって、これが初めての狩り大会。
だからこその采配だった。
とはいえ、ジャンバールは体格が良く腕っぷしも強いし、海賊としての戦闘経験も十分ある。
新人だからといって見学だなんて、納得いくはずがない。
「だがキャプテン、雑用くらいならおれにも
……
」
ジャンバールはローに大きな恩がある。
とにかく役に立ちたい一心なのだ。
「言い方を変えよう。見学がお前の今回の仕事だ」
「キャプテン」
「いいか、これは船長命令だ。ああそうだ、このまえ渡した『カルテ』を忘れるな」
「
…………
了解した」
にべも言わさぬ口調である。
ジャンバールはすっかり肩を落として、大きいはずの背中がふた回りほど小さくみえた。
それでもやっぱり大きいのだが。
「はーい船長、質問いいですか?」
すこしピリついた空気に、シャチの声が抜ける。
ローが目線で先をうながした。
「おれさァ、ずーっと今日を楽しみにしてたんだよ。なんたって狩り大会は、いち、に
……
えっと3週間ぶり?」
「2週間ぶり」
「それぶりだからさ」
シャチが指折り数えたあげくに適当を言い始めたものだから、ペンギンが横から訂正する。
ローが「簡潔に」と息をもらした。
「遊んでいい?」
シャチのごく簡潔な問いに、ローはキュッと眉間の谷を深めた。
そのままペンギンを見る。
ペンギンもキュッと唇を結んで、コクリとひとつ頷いた。
その一方で、シャチはニコニコ笑顔をみせた。
サングラスの奥のまっ赤な目が、彼の興奮を物語る。
彼らは長い付き合いだから、ローもペンギンも手に取るようにそれがわかった。
「
…………
認めよう」
「やったー!」
「ただし、おいシャチ聞け!
……
くれぐれも! くれぐれも、おれが終わりと言ったら終わりだからな」
「アイアイ!」
小躍りすら始めそうなシャチを、ローが強くたしなめる。
元気すぎる返事は逆に不穏だ。
ローは大きな舌打ちで、それをごまかした。
2週間ほど自由にできる余裕がなかったのも事実である。
変なタイミングで不満が爆発しないよう、ここらで発散させるのがベストなのだ。
「もしおれが言ってもやめねェ場合は、お前の舌ちょん切ってケツの穴にぶち込むからな」
「ヒェ
……
」
「ウニの」
「おれ!?」
「絶対ェ嫌だ!」
「おれだってヤだよ!」
「冗談だ」
本当に冗談なのかは誰も知らない。
とにかくシャチは楽しげに万歳していた両手をそっと下げたし、とばっちりを受けたウニはケツに手をやった。
ほかのクルーも目すぼめて、苦い顔を隠さない。
いたたまれない空気を打ち消したのは、ひとつの大きな破裂音だ。
ローが手を叩いて鳴らした始まりの合図は、微妙な雰囲気のクルーたちを腹の底から奮い立たせる。
「総員ただちに持ち場につけ! 30秒で支度しろ! 浮上用意!」
「浮上よーい!」
ローが告げると同時に、弾れたようにクルーたちが動きだす。
クリオネが操舵室と動力室に伝令をとばすと、伝声管から『アイアイ!』と声が返った。
そうしているうちにやってきたのは、武器を持ったペンギンとシャチ。
「3、2、1でいく。息を吸え
……
3、2、1、シャンブルズ」
頬に空気をたっぷりつめ込んだふたりが消えた。
かわりに小魚が水を求めて跳ねまわる。
援護チームが手早く魚をキッチンに届け、汚れた床にモップをかけた。
たったの数秒ですべてが元通り。
無駄な動きはひとつだってない。
棒みたいにただ立ってるしかなかったジャンバールに、ローがポンと手を置いた。
お前もそのうちな。
そんな声が聞こえてくるようで。
ジャンバールはハッと気を取り直し、いそいそとカルテを取りに急いだ。
彼に与えられた大切な仕事をまっとうするために。
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