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澄ひろえ
2020-07-26 21:56:16
10195文字
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騎士の意味は
ククゼシ2人旅ツイート小説「呪われしゼシカ編」を加筆、修正した物です。
ログ見逃した人どうぞ。最終ページは後書きです。
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リブルアーチに戻った俺はハワード邸を訪れる。
・・・嫌なもん見ちまった。
権力を持った者が持っていない者をいびり倒す・・・修道院時代にはよく見た光景だ。
見ていて気持ちいいものでは無い・・・が、赤の他人の俺が口を出して解決する問題じゃ無い。
俺の存在に気付いたハワードは報告は上で聞くと屋敷に入っていった。
「なぁ、あんた。なんでこんな家にいるんだよ」
主人の不当な態度に腹を立てているのかと思いきや、チェルスと呼ばれた青年はあははと笑う。
「上手く言えないんですけど、このお屋敷にすごく運命的なものを感じるんですよね」
・・・運命的ねぇ。まぁ、本人がそれで満足してるなら良いけどよ。
俺はイライラしながらハワード邸の隠し部屋にある本棚をあさっていた。
クラン・スピネルを渡して、衛兵にされたところまではまだ、いい。
事もあろうに、結界を作るのに必要な本を探してこいと言う。
そんなもん、必要だってわかりきってるんだから自分で最初から探しとけっつーの!
「世界結界全集・・・これか」
本棚から抜き出そうとして、その本の横にあるタイトルに目がとまった。
「ハワード一族の歴史・・・?」
何故かは分からないが、俺は思わずその本を手にとって開いていた。
そこに書かれていたのは、ハワードの祖先と、その師である大呪術師クーパスの記録。
クーパスは己の力が賢者の血筋であると気付かれる事を恐れて、弟子であるハワードに呪術師としての力を譲り渡し、何処かへ消えたという。
そして、ハワードは因縁の呪いをかけた。クーパスの子孫に危機が迫った時、巡り会いその力を持って守る為に。
「ハワードは・・・賢者の血を引いてない?」
なら、敵がハワードを狙う理由は?勘違いしてるのか?
・・・いや、違う。そうじゃない。
初めて「彼女」と対峙した時、ハワードの他にもう一人いた。
まさか、敵の本当の狙いは・・・。
その時、
「でたぁ!杖使い女だ!」
誰かの悲鳴が聞こえた。俺は慌てて本を閉じ、依頼された本を棚から抜き出して駆けだした。
「ええい、遅いわ!何をやっとったんじゃ!」
ハワードが詰め寄ってくる。俺は世界結界全集をハワードに手渡した。
「儂はこれから結界を調合するゆえ、お前は外であの杖使い女を食い止めておれ!と・・・」
ハワードの手から光が放たれ、俺を包む。と、体力と魔力が回復していくのを感じる。
俺はハワードの部屋を出て階段を駆け下り、屋敷の外に出る扉に手を掛けた。
これから、やるべき事・・・「彼女」を止める。
戦う事になるだろう。それでも、このまま放っておけば・・・迎えるのは最悪の結末。
過剰な力を使い、暴走し、灰になって滅び行く「彼女」・・・そんな事は絶対にさせない。
「覚悟、決めろよ・・・」
俺は一つ深呼吸をしてドアを開け放ち、外へ飛び出した。
雷鳴轟く天候の中「彼女」はチェルスと対峙していた。
やはり賢者の血を持つ者は。ハワードではなくて・・・あいつだったのか。
俺はチェルスの前に立ち塞がった。「彼女」は笑いながら杖を構える。
「やっぱり来たのね・・・いいわ。どうせ貴方と戦う事は避けて通れないと思ってたもの」
覚悟は決めた。もう迷わない。「彼女」と戦う。
「彼女」を死なせない。
「彼女」に誰も殺させない。
・・・俺は、「ゼシカ」の騎士だから!
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