MN*B
2024-06-21 01:49:20
21591文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.17 境界線

シリーズ中第31話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいね、コメントをいつもありがとうございます。
お待たせしました。

 
今回で、アニメ化した部分がほとんど終了となります。
ちょっと変わった文字打ちしたので、人によっては好き嫌いがあるかもしれないです。

 
次回、予告していた七海と順平ペアの話になります。
こちらも2週間以内にあげる予定です。もっと早くあげられたらいいんですが…。

 
 

 兄弟二番目対決。
お互いが、お互いのウィークポイントを突く存在でした。
ところで…九相図って、加茂家の血が入ってるんですね。血縁者と呼べるのかは…どうなんでしょう。

 
 

【狗巻先輩の呪言について】

伏黒の説明では「言霊の増幅・強制の術式」って言われてるんですが。つまりそれって、呪術廻戦の世界だと「言霊には(少なくとも)力が元々ある」ということですかね…?
ファンブックじゃ「呪力をこめた言霊を放つ:呪力を言葉にのせて相手に放つ」=「呪言」となっているので…ちょっと微妙な感じですけど。



#オリ主 #夢術廻戦 #伏黒恵 #釘崎野薔薇 #虎杖悠仁 #壊相(呪術廻戦) #血塗
2021年9月26日 20:58



 外へ放り投げられた俺は、すぐに体勢を立て直しながら着地する。
そんな俺のことを、少し離れた場所から見てくる人影

「おや。子どもでしたか道理で」

含みのある言い方をした相手が、月明りに照らされ、河川敷に立っていた。そして、この辺り一帯に、なぜか変な臭いが漂っている。
何が、”どうりで”なんだ。あと言うほど子どもじゃない。
俺は反感を覚えながら、相手の様子を窺う。

「そういうアンタは……随分とアダルトだな?」

相手の恰好を確認した俺は、思わず困惑してしまう。
蝶ネクタイにボディハーネス?網タイツとガーターベルト
なんだその恰好布面積が少なすぎるだろ。あと腕から察してたが、筋肉がすごいボディビルダーかなんかか?

「失礼あなたには目の毒でしたか」

腕から血を滴らせる相手は、軽くそう言ってきた。
暗にそれ、俺に筋肉がねぇって言ってるだろ。
相手を観察し終わった俺は、眉を寄せて警戒心を強めた。

 俺の想定していたよりも、相手の傷口はずっと浅い。しかも、腕には赤い線が入っているだけで、すでに出血自体は止まっているようだ。
なんというか傷口が、固まってるのか?
血液が凝固したみたいなそんな感じに見える。治癒はできてないところを見ると、反転術式は使えないみたいだな。


 治してもヒリヒリする肌を、それとなく撫でる。
なんだかよくわからなかったが、相手に触れたところから影響を受けた。血液もその一端のようだ。むしろ、血液が媒体なのか?

それに、獣鉤手の様子もおかしい
最初は自分から勝手に出てきたくせに、今は鋼が浮き出るばかりで、刃が出てくる様子はない。まるでこれでは、出るのを嫌がっているみたいだ。

いや獣鉤手 コイツが出るのを渋るのは、これが初めてじゃない
コイツに好みのようなものがあると仮定すればある程度、相手の正体も絞れる。
治癒が簡単にできないから呪霊じゃなく、コイツが切りたがらない相手。
ここから導き出せる可能性は

「お前"元"人間だろ」

あり得るのは"アイツ"が改造した人間。そして、ほかに考えられるものは、

「受肉体、か。……呪胎九相図じゃねぇだろうな」

別にそうだと断定したわけではなく、俺の考えも間違っているかもしれない。ほとんど引っかけのようなものだ。
だがもし、そうであるなら問題だった。だから確かめておきたい。
そう考えたからこその発言だった。

 相手は俺の言葉を聞いて、驚いたように間を空ける。しかしすぐに、片眉を上げニヒルに笑った。

「ご名答。たったこれだけの間で、よく推察できましたね」

嘘だろ、最悪だなッ!
いっそ当たって欲しくなかった考えが的中し俺にとって、最悪な流れが出来ていることを悟る。

呪胎九相図の名前を出したのは、俺が知ってる呪物がそれくらいしかないってだけだ。ついでに、そうであるのなら、それを盗んだ張本人である"アイツ"の関与が疑われる。
つまりこの件は、また"アイツ"絡みってことになる
しかもこれは……

 俺は色々な思いが渦巻いて、唇を噛んだ。
相手はといえば、親指を舌で舐め話をし始めた。

「私たちに課せられた、おつかいそれには、術師殺しは含まれていません。引けば見逃しますよ」

「おつかい『初めてのおつかい』ってか?カメラマンがいるなら出てきて欲しいもんだな」

そう言い返しながら、俺は周囲を探る。
相手の裏には"アイツ"がいるはず。だが相手も"おつかい"だと言う以上、この場にいる可能性は低い、か

「おや、違いましたか。てっきり同じ目的かと」

俺の煽りも気にせず、クールに相手は返答をする。

「我々の目的は、宿儺の指の回収です」

思わず、その言葉に目を見開いた。
ここに、あるっていうのか。指が



「アンタ人を殺したり、傷つけたりしたことは?」

俺はそう尋ねながら、制服の両袖を引き剥がす。懐に入れていたお守りも、それと一緒に河川敷の端へ放った。
相手はといえば、余裕な態度を見せてきている。

「質問の意図がわかりかねますね」

そう言ってから、彼は不可解そうに眉を寄せた。

まさか、したことがないと私が言うのなら、あなたは見逃すとでも?それに見逃されるのなら私ではなく、あなたのほうです」

その言葉に、俺は淡々と答える。

「ただ、知っておくべきだと俺が感じただけだ。それで、あるのか。ないのか」

「ないです。あなたに出会うまでのことですが」

それは、これからやり合うからってことか。それとも、さっきから続く肌への違和感のことか。
なんの術式かわからないが、今のところ問題はない。

「そうか。そんなアンタには悪いが、それでも……俺はアンタを殺さなきゃならない」

「ご心配なく。死ぬのは、私ではありませんから」

そう言う相手の顔は自信ありげで、不敵に笑っている。
それが、色合いが斑になったサングラス越しに見えて俺は目を伏せた。

「どっちがマシなんだろうな」

人を殺さずに死ぬのと、殺してでも生きるのは。


 俺は両手を構えて、相手に突っ込んだ。
驚いた表情を見せる相手だが、それでも後ろに飛びさすりながら、応戦の構えを取る。

互いの視線が交錯した。