MN*B
2024-06-21 01:49:20
21591文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.17 境界線

シリーズ中第31話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいね、コメントをいつもありがとうございます。
お待たせしました。

 
今回で、アニメ化した部分がほとんど終了となります。
ちょっと変わった文字打ちしたので、人によっては好き嫌いがあるかもしれないです。

 
次回、予告していた七海と順平ペアの話になります。
こちらも2週間以内にあげる予定です。もっと早くあげられたらいいんですが…。

 
 

 兄弟二番目対決。
お互いが、お互いのウィークポイントを突く存在でした。
ところで…九相図って、加茂家の血が入ってるんですね。血縁者と呼べるのかは…どうなんでしょう。

 
 

【狗巻先輩の呪言について】

伏黒の説明では「言霊の増幅・強制の術式」って言われてるんですが。つまりそれって、呪術廻戦の世界だと「言霊には(少なくとも)力が元々ある」ということですかね…?
ファンブックじゃ「呪力をこめた言霊を放つ:呪力を言葉にのせて相手に放つ」=「呪言」となっているので…ちょっと微妙な感じですけど。



#オリ主 #夢術廻戦 #伏黒恵 #釘崎野薔薇 #虎杖悠仁 #壊相(呪術廻戦) #血塗
2021年9月26日 20:58



 部屋の隅、壁にもたれかかるようにして立っている夏油。
彼は世間話をする体でだが少しの呆れを含んだ声で話しかける。

「まだ機嫌は直らないか、真人」

「直る直らないって話じゃないよ、別に。元々、悪くなってないんだから」

話しかけられた真人は、仏頂面で返した。
それを見て、誰ともなく夏油は肩をすくめてみせる。

 部屋に流れる雰囲気は決して良くはない。部屋の向かい壁に、磔にされた男がいるのも、この不穏さに拍車をかけている。
それらを意に介さず、話し出すもう一人の男がいた。

「まだ話は終わらないのか。もう随分と待ったぞ」

二本のガラス筒の前に立つのは、長身の男。彼は、髪を高い位置で二つに結い上げている。
それに並ぶようにして立っていた真人は、そのガラス筒の前にしゃがみ込む。

「宿儺の指とは違って、九相図 こっちは誰でもいいんだろ。なんで勝手なことするかなぁ」

反感を持ったように、真人は夏油のほうを冷たい目で見た。
夏油はといえば、それを受けても飄々とした様子のまま、彼へ反論を述べる。

「あれはちょうど良かっただろう?私はむしろ、そこまで気にする君のほうが納得いかない」

夏油、わざとだろ」

「なんのことか「いっ、命だけは助けてくれッ金、金!?オレ、あんま持ってねぇけどっ」

二人の言い合いを遮り、そんな叫びがあがった。
壁で磔にされた男が目を覚まし、うわ言のごとく命乞いを始めたのだ。
しかしその視線は、夏油と長身の男にしか向いていない。

「何度言わせる気だ」

低い声が響く。
それに威圧され、男の悲鳴は呆気なく止まる。

「そんなことより、俺の弟たちだ」

あーはいはいと、真人は適当な返事をしながら、ガラス筒の片方を手に取る。
その様子を、真顔のまま見つめてくる長身の男。
真人はそんな彼と磔にされた男を交互に見て、片眉を上げた。

「俺も視えてないような人間で大丈夫かなぁ。お前もこんなのが弟の器でいいの?」

俺なら嫌だねと、嫌味な態度で話す真人。
それを意にも介さず、淡々とした声が返ってくる。

「俺たちは150年も待ったもういいだろう」

真人はそう話した彼へ、胡乱な目を向けた。
だが、呆れたように軽く肩をすくめてみせると、ガラス筒を開けて中身を取り出す。

「これって誰?ま、誰でもいっか。本人にでも聞くからさ」

軽い声色で喋った真人は、哀れな犠牲者へと手をかける。

「はい、あーん」

「ゥァッォゴ!」

「おい、乱暴に扱うな!俺の弟だぞッ」

くぐもった悲鳴は、誰の耳にも入らなかった。