MN*B
2024-06-20 21:50:07
18516文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.2 回復する指針

シリーズ中第16話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいね…どうもありがとうございます。
いつもと比較すると、ちょっとお待たせしました。

こんな文章量ですので、おそらく1週間に1本ペースですかね。
ストーリー内で開いた期間を補間するための話も書きつつ…って感じなせいなのもあります。

書いたのは番外編にあげようと思ってますが、キャラ数が増えてきて会話文多めなので、どういう文体にするかな…と迷ってますね。勢いで考えずにあげたい…願望…。
書かなくてもいい話たちじゃあるんですが、書き手のイメージを補うためですね。
どんくらい仲良くなったかな…ってイメージを固めるためです…。

 
最後の寿司話は、もうちょい掘り下げたのを番外編にあげる予定です。

 

【青嶺衛の『怖…。』レベル】
・五条悟の「それ相手死んじゃうかも」
・両面宿儺の「どこぞへ消えても構わんならな」
・釘崎野薔薇の「お子様どもめ!!」



#オリ主 #伏黒恵 #虎杖悠仁 #五条悟 #釘崎野薔薇 #夢術廻戦
2021年3月18日 05:42



 次の日。
俺は朝食を片付けて、食堂で一息ついていた。
そこへ誰かがやってくる恵だな。
俺の予想通り食堂の扉を開けて入ってきたのは恵で、彼は俺のほうへ話しかけながら近づいてくる。

「青嶺。今日の午前は休みだ」

「んそうなのか?おはよう、伏黒」

「ああ。午後に原宿集合だと。もう一人の一年を迎えに行くらしい」

そういえば、入学が遅れてた女子がいたな。

突然だなと、俺がこぼせば、やっぱり知らなかったかと微妙そうな顔をしている恵。

もしかして、このことはケータイのほうに連絡がいっていたのかもしれない。
今ダメになってるけど、五条さんなら知らずにやってそうだ。

俺がそんなことを考えていると、恵はこれまた微妙な顔をしてこちらを見てくる。

……どうする?」

何がだ?」

俺は質問の意図がわからずに、眉を寄せた。

「なんでこういう時だけ察しが悪いんだお前は!」

恵は納得できないといった様子で、不満げにしながら俺の向かいの席に座った。
ケータイ触り始めたけど、朝食は食べたのか?

何か話をするわけでもないまま、俺がぼやっと座っていると、またこちらへ向かってくる足音がする。
家入さんっぽいな。
そう思いながら扉を見つめれば、しばらくして、また予想通りの人が現れる。

「おはよう。虎杖悠仁はいないか?」

「家入さん、おはようございます」

「おはようございます。虎杖はまだ自室じゃないですか?」

俺は挨拶を返して首を振り、恵が補足をいれる。
それを聞いた家入さんは、手に持った紙袋を掲げて、テーブルの上へ乗せた。

「そうかこれ、彼の制服なんだけど、渡しといてくれ」

「わかりました」

恵が返事をするが、俺も一応頷いておく。

制服できるのはや
でもダメになったときの替えができたのも早かったし、こんなもんなのかもな。

そんな俺の前に、家入さんはまた別の小さい紙袋を差し出してくる。

「で、これが青嶺の新しいケータイだ。戦ってればよくあることだから気にするな」

「ありがとうございます」

俺は軽く頭を下げながらそれを受け取った。
なんか頑丈なケースでも買ってつけるのもありなのか?

家入さんは用事は終わったと言わんばかりに、踵を返そうとして思い出したように俺へ声をかけた。

「そうだ青嶺。そのサングラスは調光タイプじゃないな?」

よくわかんないっス。とりあえず色濃いの買っただけなんで」

もともとはサングラスといったものに縁がなく、その手の知識もなかった。

「拘りがないなら、昼夜併用のを買ったほうがいい。いちいち外したりかけ直したりも面倒だろう」

「君は眼も特殊だから、暗い中でもあまり晒さないほうがいいかもしれない。今回みたいに強い光を直接浴びるのは治るとしても良くないからね」

「はぁわかりました」

それじゃ制服よろしく。と、家入さんは言って、食堂をあとにした。


よし青嶺。買いに行くぞ、今日」

一緒に話を聞いていた恵は、有無を言わせない口調で言った。

「え、なんでそんな乗り気なんだ」

話の流れからして、俺のサングラスについてだよな?

「どうせ午前中ヒマだろ。だったら買い物に行って、そのまま集合場所行くのがちょうどいい」

それはそうだが
困惑する俺を置いてけぼりにしつつ、電車の時間はと予定を組み立て始める恵。

「おはよーなんか出掛ける相談してる?俺も混ぜて!」

話をしている途中で虎杖がやってきて、そのままなぁなぁで流された




 買い物を終わらせて、集合場所に集まっている俺ら。
集まったも何も、出掛けてからずっと一緒にいるわけだが。

俺は慣れないサングラスを押し上げながら、周りを見渡した。
あとは五条さんが来なければ話にならないがあの人遅れてくるからな

待ちくたびれた虎杖が、雑談ついでに話を始めた。

「一年が4人って少なくね?」

そう疑問を呈する虎杖。

「呪術師はマイノリティなんだよ」

「むしろ4人は多いほうなんじゃねぇか?」

三年生とか、姿見たこと全然ねぇし。それはまた別の話か。

恵と俺の返答を聞いても、虎杖はあまりピンとこない顔をしている。
それを見た恵は逆に質問をした。

「呪いが視えるって言うやつ見たことあるか?」

ねぇな。やっぱ視えるのって普通生まれつきなの?」

「そうなるな。お前みたいなのは例外中の例外あぁでも稀に"当て"られて、視えるようになるタイプもいるらしい」

「へ~。青嶺は?」

それらの中間。くらいか?」

「なんだそれ?」

「また意味わかんねぇ言い方してんなはっきりしろ」

伏黒が呆れたように突っ込んでくる。
俺は悩みながら、聞いた話を思い返した。

生まれつき視えてた可能性が高いが、呪いに関わってから視えるようになった?」

その辺のことは俺にもよくわかっていない。
視えていた記憶はないが俺が持っていないだけかもしれない。一度探ってみる必要があるのかもしれなかった。
あまり気は進まないが。

俺の返答を聞いた虎杖も、よくわからないといった風に首を傾げた。

「それって結局どっち?」

どっちって言われてもな
術式のことといい、どう説明したものかと迷った俺は結局、確実に言えることだけを言うことにした。

……俺が視えるようになったのは今年の始めからだ」

お前、説明が面倒になっただろ。ちょっと誤魔化したな」

恵は少し責めるような口調でそう言って、俺へ視線を向けてくる。
なんでバレた



 その視線にたじろいでいると、お待たせ~!という声がこちらへ向けられた。
五条さんだ。一気に全員の視線が彼に向けられる。
今だけは助かったと思って、小さく息を吐いた。

「制服間に合ったんだね」

「おう!でも伏黒とか青嶺とかとちょっと違うんだな、パーカーついてるし。青嶺のはなんか袖長いし」

虎杖は自分の制服と俺らの制服を見比べてそう話すがなんでそんな不思議そうなんだ。

「これもカスタマイズ可能な範囲だからなお前も自分で注文したんじゃねぇのか?」

「え?してないけど」

「そりゃ僕が勝手に頼んだんだもん!」

悪びれる様子もなく、五条さんは得意げにそう言った。
俺、夜蛾学長と家入さんに相談できて良かったな。

あまり気にしてない様子の虎杖に、五条先生こういうとこあるぞと伏黒が忠告している。

「あれ、衛はサングラス変えた?」

その質問に頷いて、事情を説明する。

「この間のでサングラスが一つダメになったし、家入さんからは調光タイプ?ってのにしたほうがいいって言われて。ここに集まる前に買ってきた」

なぜか恵が先導してと思いながら、その彼のほうへ目を向けた。
恵はしれっとして、話題を逸らした。

「そういえば、なんで原宿集合なんです?」

「本人の希望さて、そろそろ行こうか」

「あっ!俺ポップコーン食べたい!」

虎杖って結構もの食べるな、さっきもアイス食ってただろ。




 じと~っという視線を感じる。
入学が遅れていた、もう一人の一年。
彼女は、モデルのスカウトマンに自ら絡みに行くという、強メンタルの持ち主だった。

「俺、虎杖悠仁。仙台から!」

「伏黒恵」

「青嶺衛よろしく」

「はぁ私って、つくづく環境に恵まれないのね」

俺らの自己紹介を聞いて、そう呟きを漏らす彼女。
男子しかいないからな。女子一名ならそう思っても仕方ないか

それと同時に、真希先輩のことを思い出す。
真希先輩も二年では女子一人だけだったし。周りが男子ばっかだった真希先輩も、彼女の入学には喜ぶかもしれないな。

姿勢を正した彼女は、堂々と自己紹介をした。

「釘崎野薔薇。喜びなさい、紅一点よ」

俺らも喜ばないとダメか



「おのぼりさんが、実質三人。行くでしょう、東京観光!」

その言葉を聞いて、TDL行きたい!やら、楽しげに言い始める虎杖と釘崎野薔薇。
俺がその騒ぎを少しゲンナリとしながら眺めていれば、一緒にそれを眺めていた恵が話しかけてくる。

「青嶺、お前はなんかないのか?あいつらみたいにとは言わないが」

「ねぇよ行ったことないけど、うるさいだけだろ」

それが聞こえたのか、虎杖がバッとこちらを振り向いてくる。

「はぁ!?行ったことねぇのに、そんな決めつけんなよ!楽しいって!!」

「逆にお前はなんで楽しいって言いきってんだよ

引いたようにツッコミをいれる恵。
それには俺も同感だ。

そんな騒ぎを収めるように、五条さんが咳払いをした。

「行き先を発表しやす!……六本木!」



「いますね、呪い」

「嘘つきー!!」

やんややんやと騒ぎ立てる虎杖と釘崎野薔薇。

俺たちがたどり着いたのは、古そうなおそらく廃ビル。
薄汚れたコンクリートの濃灰色が、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している。

いる、のか」

居たとしても3級か4級な気がする。
周りがうるさいせいでハッキリとはわからないが。それに何体かいるみたいだし。

「相変わらずだねぇ。野薔薇と悠仁、祓ってきてくれ」

五条さんは俺に向かって呟いたあと、そう二人へ指示を出した。

「実地試験みたいなもんかな」

虎杖は不思議そうな顔をして、俺呪術なんて使えねーよ?と言っている。
五条さんは、君は半分呪いみたいなもんだからと虎杖へ話している。


「これを使うといい

そう言いながら五条さんが差し出すのは、鞘に納められた一本の刃物
うわ真希先輩がたまに使ってる呪具だ。

俺は思わず身じろぎして、少し距離をとった。

左手が空いてるならこっちでも何か使えと言われて、持たされたこともあったなと、そんな事を思い出す。
結局、持ってることを忘れて動くか、取り落とすかのどちらかだったので、シゴキすら諦められてしまったが。
俺に獣鉤手が扱えるのは、握力が必要ないからなのもあるな。なんせ手から直に生えてるし。


「宿儺は出しちゃダメだよー」

そんな言葉に虎杖は軽く返事をして、ビルのほうへ向かった。
俺らは行かなくていいのか。そう思いながら五条さんを見上げた。

「さーて、僕らは座って待ってようか」