MN*B
2024-06-20 21:50:07
18516文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

E.2 回復する指針

シリーズ中第16話になります。
注意書きは1ページ目、もしくはシリーズ概要の方にあります。

このシリーズの閲覧、ブックマーク、いいね…どうもありがとうございます。
いつもと比較すると、ちょっとお待たせしました。

こんな文章量ですので、おそらく1週間に1本ペースですかね。
ストーリー内で開いた期間を補間するための話も書きつつ…って感じなせいなのもあります。

書いたのは番外編にあげようと思ってますが、キャラ数が増えてきて会話文多めなので、どういう文体にするかな…と迷ってますね。勢いで考えずにあげたい…願望…。
書かなくてもいい話たちじゃあるんですが、書き手のイメージを補うためですね。
どんくらい仲良くなったかな…ってイメージを固めるためです…。

 
最後の寿司話は、もうちょい掘り下げたのを番外編にあげる予定です。

 

【青嶺衛の『怖…。』レベル】
・五条悟の「それ相手死んじゃうかも」
・両面宿儺の「どこぞへ消えても構わんならな」
・釘崎野薔薇の「お子様どもめ!!」



#オリ主 #伏黒恵 #虎杖悠仁 #五条悟 #釘崎野薔薇 #夢術廻戦
2021年3月18日 05:42



 記憶と夢の波間から意識を引き上げる。
いつもと同じように瞼を開ければ知らない天井が見えた。
夢うつつで思い返していたのは、学校と閃光、と!?

驚いて、身体を思いっきり起き上がらせたが痛くない。
病衣に身を包んでいる俺は、至る所にガーゼや包帯が巻かれているせいで、少し身動きが取りにくく感じるだけだ。

 視界が白くない。物が見えるようになっている。
反転術式の治療は受けていないはずだが寝ているときにされたのか?

包帯の巻かれている箇所を眺めながら、俺は記憶を思い返していた。

 虎杖悠仁の知り合いも入院することになった病院で、俺たちは一晩を明かした。
何かしらの手当てを受けていた感覚はあったが、その時の俺には何も見えなかった。
おそらく伏黒も同じように手当てを受けていたはずだ。彼も隣のベッドで寝たはず。

カーテンの引かれた向こう側。
そちらへ意識を集中させれば、まだ寝ているのだろう吐息が聞こえた。

今何時だ。
俺は周辺を見回すが、時計らしきものは見当たらない。
カーテンの向こうには窓があるのだろうがやっと白んできたといった感じだろうか。
まだ俺としても眩しくはなかった。

ベッドから降りて、置いてあったスリッパを履く。
手を前に出して、呪具の確認をする。いつも通り、4枚の刃が出てきた。

一時的な感情の高ぶりでしか、5枚にはならないのだろうか
そう考えながら、刃を仕舞った。

そして、俺は静かに病室を出た。




「青嶺ェ!!どこ行ってた!?」

病室に戻って早々に、そう怒鳴られた。
俺が思わず固まっていると、すごい形相の恵がズカズカと近寄って来る。

「お前が一番重傷だって言っただろうが!むやみに動くな」

「え、でも

もう治ってる、と言う前に、言葉を遮られる。

「でもじゃねぇ。目も見えてないのに歩き回って傷を悪化させるような真似はすんな」

そう言っている恵の頭には包帯が巻かれているし、話からして治っていないのが当然のようなまだ反転術式による治癒もしていない

もしかして、まだ怪我治ってないのか?」

「当たり前だろ。お前は痛み止めが……切れてるはずだ。痛くないのか?」

俺は頷いた。

「痛くないどころか、目も見えてるぞ」

これ何本に見える?」

恵がそう言いながら手で作るのは、玉犬の形だ。意外と意地悪だな。

「玉犬だろ」

「マジで見えてんだな。自然治癒なわけない、だろうな?」

そのへんはなんとも言えなくて、俺は黙り込んだ。
最初の頃、自分のことすら質問しなかったツケが回ってきている。

……誰か先生に聞いてみないと、わかんねぇ

回復した理由が、自分の術式なのか、まさか反転術式なのかそれとも俺が呪いに成りかけのせいなのか。判断が俺にはつけられなかった。

俺の返事を聞いた恵は、呆れたようにため息をついた。

「で、どこ行ってた?」

「時間確認しに、休憩室

時計がある場所を探してうろついていた、が正しいが。

「いつもぼやっとしてるだけなのに、こういうときはウロつくのなんなんだお前

納得がいかないといった顔で、こちらを見てくる恵。
いやだってなぁ
俺は気まずいものの、弁明を試みる。

「さすがに同級生の寝息2時間耐久はちょっとな」

「は!?お前何時に起きてんだ」

「四時」

「はやってかもう七時だぞ」

最後に時計を確認したときから、思ったより時間が過ぎていたようだ。
彼が起きてくる前に戻ろうと思っていたがそりゃもう起きてるか。
俺は謝る言葉を言いかけてちょっとだけ言うことを変えた。

「ありがとう心配させたな」

恵のガーゼの貼られた顔を見ながら、俺は素直にそう伝えた。
失明したと思ってるやつが消えたら、まぁ心配するよな。

「なんで礼なんだよそこは謝れよフツー」

少し不貞腐れように恵が言った。

「こういうときは、感謝の言葉を言ったほうが良いんじゃないのか」

俺の記憶違いか?
そう思って首を傾げた。

「というか何に謝ればいいんだ?」

「心配させたことについてだろーが!!」

でもそれって、恵が勝手にしたことだろ

俺の何が悪かったんだ
そう呟けば、恵は言い聞かせるように俺へ詰め寄った。

「お前の行動が、だ!ったく、思考回路が独特すぎる」

ちょっと五条先生に似てきてないか?とまで言われてしまった。
物凄く心外だし、それは嫌だ。

そう思いながらも、まずどうにかしなければならない問題があった。

ところで、俺のサングラス知らねぇか?」

……制服の中でバラバラだったぞ」

お前のケータイもなと、気まずそうに話す恵。
手当てを受けたときに制服は脱いだのだがそういえば、そこからお守りを取り出してもらった覚えもあるな

お互いに何も言わず、無言の状態が続いた。

とりあえず、俺は今向き合わなければならない問題があるのは変わらない。

……このままだと、俺また失明しそう」

日が完全に昇ってきており、眩しくて仕方がなかった。





 二人で向かった火葬場。
目の前にある扉の向こうそこで、おそらく五条さんと虎杖悠仁が話しているのがわかった。

うわ」

俺は待っている間、思わず声を漏らした。

「どうした」

恵が不思議そうにこちらを見てくる。

「いや

たぶん両面宿儺が笑ってるなんて、聞こえる俺としても耳を疑っている。
虎杖悠仁も笑いだした。
中で何やってんだ?



「おっ伏黒!元気そうじゃん」

扉が開くと、虎杖悠仁が溌溂とした挨拶をしてくる。

「そう見えるか?」

包帯とガーゼをした恵が、不機嫌そうに返事をする。
あっと気まずそうな顔をした虎杖悠仁は、今度は俺にも声をかける。

「それに比べて青嶺はマジで元気そうじゃん」

「怪我治ってるっぽいからな」

「マジで!?」

恵はため息をついて、話を切り替えた。

お前はこれから、俺らと同じ学校に転入するんだ」

へ?と何もわかっていなさそうな虎杖悠仁。
これ、五条さん説明してねぇだろ。

前例を思い出して、俺は五条さんへ呆れた目を向けた
視線を受けた彼は、説明はこれからかなと空笑いをした。そして話を逸らす。

「恵は硝子のとこ行ってねー、もちろん衛も」

「わかってます。こいつは俺が引き摺ってでも連れて行きますから」

「ってか何その衛のダサい恰好」

今の俺の恰好は、いつもの制服姿に、虎杖の高校へ潜入したときにも使った帽子と色の薄いサングラス。
アンバランスな感じがあって、自分でも変なのはわかっていた。

うるせぇ」

今度は俺が、視線を受けて気まずくなる番だった