MN*B
2024-06-19 01:11:47
15493文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

地獄の釜の蓋が開く時・上【探求編】

 シリーズ中第4話目になります。
注意書きは1ページ目に、シリーズ概要の方にもあります。
※最初の地図の入れ方だとアプリ版で見ることが出来なかったので、改めて入れ直してみました。

 このシリーズの小説の閲覧、ブックマーク、いいね、ありがとうございます。

今回の話は、上下の二つに分けて投稿することに決めました。あんまりにも長くなったので。
ある程度書いてからじゃないと変なとこがでそうだったんで、思ってたより上げるのが遅くなりました。

 話がほぼオリジナルなので、呪術廻戦要素薄いです…要素が五条先生と世界観しかない!!
書いてる本人もはよ高専行きたいって思ってます。もう少しお付き合いくださると嬉しいです。

まずシリーズ自体見切り発車だったので、ちょっと変なとこでるかもしれません…あんまりにも変だったら修正しようかと思ってます。
挿絵として地図が入ってますが、それっぽく描いただけなんで…現実に則してないです。
地図→ https://www.pixiv.net/artworks/87149262

 これを書いてる途中に別の夢小説を書いたんですが、こっちに戻ったら温度差で風邪ひきそうでした。



#オリ主 #五条悟 #夢術廻戦
2021年1月18日 22:27



 俺から五条さんを引き剝がせたのは、もみ合いになってしばらく経ってからのことだった。

「何も言わなかった俺が悪いけど、あれくらいじゃ落ちねぇよ

俺が窓から身を乗り出すと、五条さんは大声をあげて俺を押さえにかかったのだ。
それがもみ合いになり、落ちる!落ちない!の問答を繰り返してやっと解放された。

サングラス落とすかと思った
俺は顔からズレたそれをかけ直した。

目の前には開き直った様子の五条さん。

「いやだって~、落ちたら危ないでしょ」

「むしろアンタに落とされるかと思ったんだが」

飛びつかれた拍子に押されバランスを崩した俺は、一瞬落ちるかと思いヒヤリとした。
正直その時が一番危なかった。

「それは……えへ」

えへじゃねぇよ。誤魔化すな。
俺が呆れた目で見ているのに気がついた五条さんは、ンンと喉を整えた。

「それで、君はなんであんなことをしたのかな?」

話を変える五条さんに俺は乗っかってやり、理由を話す。

「声を聞いてたんだよ外からの話し声。聞こえにくかったから窓を開けたんだ」

そう、あの呪霊の声がなくなったことで、外から話し声がしていることに気がついた。



 話は戻るが、この人も結構意地が悪いところがある一件だった。
あからさまに、ここに呪いいます!みたいな声が響く一画に連れてきて、どこにいるかを聞くだなんてな
最初は一体しかいないと思ったが、それにしては音の出ている場所が絞り込めなかった。
だから特殊な場所にいるかと思って五条さんに質問したのだが、その答えによって考え方を変えた。
思い返せば、五条さんは『ここにいる呪霊』としか言っていなかった。一体しかいないとは言っていない。
 それに気づけば後は簡単だった。
俺は、その呪霊の声を二種類に聞き分けた。
複数いるから声の発生源を一つに絞り込めなかったのだ。
こんな昼間でも呪霊って見えるもんなんだと思っている間に、その呪霊たちは祓われていた。



 そしてそんなうるさい存在が消えたあと、どこからか言い争う声がしていることに気がついた。
おそらくこの校舎の外グラウンドのそばで、子どもと思われる甲高い声たちが何かを話している。
俺は気になって耳を澄ました。

に言お」「のせい」「帰せ」「違う!」「元の」「社に」「戻そ

会話の内容が怪しいし、その雲行きも怪しくなっていた。
それをもっと詳しく聞くため、話し出そうとした五条さんを制し、窓を開けた。

があたったんだ!」「神様なんていない!!」

開けたそばからそんな声がして、思わず外を覗けば、グラウンドを横切るように一人の子どもが走り去っていくのが見えた。



 俺が見れたのはここまでで、そのあとは言わずもがな。
改めて窓の外を見ても、もうそこには誰もいなかった。
俺たちも結構な騒ぎだったから、それのせいで逃げられた可能性もあるが

 俺からその子どもたちの話を聞いた五条さんは、まず関心したように、ずいぶん耳がいいんだねぇと言った。
いや暢気か。
俺がそう思いながらジロリと彼を見た。
その視線に慌てて、五条さんは話を続けた。

「ここ二階だよ?僕には聞こえてなかったし、それってすごい特長だよ。それで子どもたちが話してたことだよね」

「ああ。何をやったかはわからんが、きな臭いのは確かだなまだ近くにいるかもしれない」

話を聞くために探してみようか。という五条さんの言葉に、俺は頷いた。


 校舎を出て周りを捜索するが、この辺りに子どもは一人も居なくなっていた。
あと見ていないところといえば子どもが走っていった方向にある、あの森くらいだ。
五条さんに目線で伝えると、彼も同じことを考えていたのだろう。
頷きを返され、二人でそこへ向かった。





 ここにはさすがに入ってない、か?
俺の視線の先には、『立ち入り禁止』と書かれたテープが張り巡らされた森があった。
そりゃまぁ見ての通り荒れまくってるし、危ないから封鎖もされるか。
そう思った俺が迂回しようとする前に、五条さんは気にせずテープをくぐり抜けた。

「え、入るの?ってか入っていいのか?」

テープの前で戸惑う俺を振り返って、彼は軽く返事をした。

「いいよ。だってこう指示してるのって、僕ら呪術師だもん。それに子どもならこういうとこ入ってもおかしくないし、確認はしとくべきだよ」

それもそうか。と納得した俺も、テープをくぐって進んだ。



 日の光の下で見るそこは、夜の時よりもマシなように思えた。
なぜだろうと考えたが、おそらく流れ出ていた水がなくなり、泥も乾いているからだろう。
あとは、気持ちの持ちようもあるかもしれないけれど。
それでもここが荒れ果てているのは変わらず、元の地形は見る影もなかった。
抉れた地面を見て、俺は顔をしかめた。

「んーこの辺りにも居なさそうだね」

顔を上げると、周囲を見渡していた五条さんがお手上げだと肩をすくめた。

 ここには水の流れていない川と、汲み上げた水を溜めた人工的なため池しかない。
ため池に水が増える様子はなく、水面は凪いだままだ。汲み上げを止めてあるのか?
その考えを独り言で漏らすと、それに五条さんが反応する。

「たぶん止めてあるんじゃないかな。川の途中も崩壊してるとこあったし、そのまま流すってことはできそうにないね」

そうか」

 人工的に作られた川だったし、流れも止めることができたっておかしくないな。
今までそんな状態を見たことがなかったから、変な感じがするんだろうなんだか落ち着かなかった。

「何か気になるのかい?」

 五条さんがこちらの様子を気にしてくる。
なんでもないと首を振ろうとしてふと思ったことがあった。

「なんでここが荒れまくることになったんだ?呪術師が呪霊を刺激したからひどいことになったって言ってたけど、ここに呪霊が湧いてたのか?」

ここはその性質上人が滅多に来ない。
人が来るのは精々ホタルの飛ぶ期間くらいで、それ以外の季節だと人は寄り付かない。
人の感情が集まりやすい場所とは思いにくいのだが

 五条さんは少しの間沈黙したまま、こちらを見ていた。

言ってなかったっけ?ここに特殊な物が封印された状態で安置されてたんだけどそれを回収する時に、校舎で湧いてた呪霊がこっち方面に引き寄せられちゃったみたいだよ」

だからグラウンドにも居たみたいだね。と、初耳なことがサラリと告げられる。
それになんだか引っかかる言い方な気がした。
俺がその少しの違和感を気に留める前に、五条さんはある箇所を指差してみせた。

「で、ここがその封印されてた特級呪物っていう、危な~いのが安置してあったところね」

そこは本来なら川の中である、今では乾ききった川底の一部分だった。
川底には四角く下げ掘られた穴が空いていた。

 川の中に入れておくとは、なかなか考えられた隠し場所だ。
水の流れを止めなければ、一見してそこに穴があるようには見えないし。
その部分を観察していた俺は、何気なく思ったことを喋る。

「その特級呪物?ってやつ、そんなに古くなさそうだなそれとも来たのが最近なのか?ここって割とできたばっかりだぞ」

「えっ?」

俺の呟きに、五条さんは驚きの声を上げた。

「あの特級呪物はすごく古いものだし、ここには昔から置いてあったみたいだけど」

は?」


 その特級呪物は、一体いつからこの町にある?