MN*B
2024-06-19 01:11:47
15493文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

地獄の釜の蓋が開く時・上【探求編】

 シリーズ中第4話目になります。
注意書きは1ページ目に、シリーズ概要の方にもあります。
※最初の地図の入れ方だとアプリ版で見ることが出来なかったので、改めて入れ直してみました。

 このシリーズの小説の閲覧、ブックマーク、いいね、ありがとうございます。

今回の話は、上下の二つに分けて投稿することに決めました。あんまりにも長くなったので。
ある程度書いてからじゃないと変なとこがでそうだったんで、思ってたより上げるのが遅くなりました。

 話がほぼオリジナルなので、呪術廻戦要素薄いです…要素が五条先生と世界観しかない!!
書いてる本人もはよ高専行きたいって思ってます。もう少しお付き合いくださると嬉しいです。

まずシリーズ自体見切り発車だったので、ちょっと変なとこでるかもしれません…あんまりにも変だったら修正しようかと思ってます。
挿絵として地図が入ってますが、それっぽく描いただけなんで…現実に則してないです。
地図→ https://www.pixiv.net/artworks/87149262

 これを書いてる途中に別の夢小説を書いたんですが、こっちに戻ったら温度差で風邪ひきそうでした。



#オリ主 #五条悟 #夢術廻戦
2021年1月18日 22:27



 いつもと同じ、目覚めの悪い朝。
夢と記憶の間をぼんやりと微睡んでいると、自室のドアが開けられた。

「おはよ〜〜!!調子どう?」

五条さんだ。
うるさ朝からそのテンションなのかよ。
ため息をついて、目を開けた。

「ッ近い!!」

寝ていた俺を覗き込んでいる五条さんその距離わずか数cm。
目隠しをしたその顔が、すぐ近くにあった。
目が覚めてこれは心臓に悪い

「ごめんごめん!まだ寝てるのかと思ってさ」

軽く謝って、その上体を起こす彼。
布団に身体が埋まっていなければ、手が出ていたかもしれない。
そう思いながら身体を起こし、布団から出る。

「朝ごはん、もうできるみたいだよ」

その言葉にげんなりとして、またため息をつく。
息を吸えば、その匂いがこの部屋にもやってきているのがわかった。
そんな俺を見た五条さんは、改めて確認するかのように聞いてくる。

気が進まなさそうだね。そんなに嫌かい?」

嫌ってもんじゃない正直、苦行だ。
昨日の夕飯も気合で食べただけで、それをまたするかと思うと気分も下がる。
食べないという選択肢もなくはないが、それをする気にはなれなかった。

五条さんの質問には答えずに、ただ、おはようございますと言って話を打ち切った。



 三人で食卓を囲み、俺にとっての地獄が始まった
黙々と食事を口に運んでいる俺とは対照的に、母さんと五条さんは会話が弾んでいるようで、和気あいあいと何事かを話している。
聞けば時折、この辺りであった最近の出来事などをそれとなく聞いているらしい。
抜け目ないというか、しっかりしているというか。

「職業柄、地方の伝承とか神社とか確認したくなっちゃいまして。いや~ある意味職業病みたいな感じですよ」

と言って、あははと笑う五条さん。
それを聞いた母さんもまんざらではなさそうに笑って話す。

「あら、そうなんですか!良かったら気が済むまで泊まってってください、何のお構いもできませんけど

いえいえそんなといったやり取りが繰り広げられている。
それを聞き流していると、唐突にこちらにも話が振られた。

「今日は彼に案内してもらう約束をしてますんで、どうぞお構いなく!」

そう言って五条さんはこちらに笑いかけた。
それを聞いた母さんも、そうだったの。と言いながらこちらを見た。

「ぜひそうしてくださいな。この子そういったことに詳しいし、連れ回してやってください」

移動するための足も必要でしょうし。と付け加えた母さん。
その言葉に俺はギクリと身体を強張らせる。五条さんは不思議そうな顔をしていた。


 この田舎はバスが通っていない以上、移動手段は車か徒歩、もしくはバイクかチャリになる。
一家に一台どころか、人数分の車が必要になるのだ。
ゆえに俺も車を持っているし、身分上は免許も持っている。
何も問題はない。




 じゃんけんに勝利した俺は運転席に、負けた五条さんは助手席に座っている。
それがまだ不服なのか、隣に座った彼は言う。

「え~本当にいいの~?僕だって運転免許持ってるのに」

「アンタが運転するのはキツいだろ。これ軽だし、足つっかえるぞ

そう。俺が所持している車はコンパクトな軽自動車だ。
彼の足の長さでは、運転するには向かない。
それなら地元を知ってる俺が運転した方が、道案内する手間も省けてちょうどいいのだ。

 それに難色を示したのは五条さん。
彼は俺に運転をさせたくはなさそうだった。気持ちはわかる。
俺自身が運転した経験は一回しかないからな。
でもその時は問題なく運用できたし、田舎ですれ違う車や人は少ない。
 そのことを話しても納得はされず、ならば公平にどうするかを決めることになった。
それが乗る前に行ったじゃんけんの真相である。


 ミラーや座席を確認して、エンジンをかける。
五条さんは、窮屈そうにしながらぼやいた。

「心配だな~」

「何も問題ないだろ。使えるものは使っとけばいい」

言い切って、車を発進させた。

外まで見送りに出ていた母さんが見える。
それから視線を外し、真っ直ぐ前を向いて運転に集中した。



 「いいお母さんだね」

しばらくして、五条さんはそう言った。
それに俺は小さく同意した。

そうしてまた静かになる。
車内にはカーラジオから地方局の放送が流れているだけの時間。

それは長く続かず、また五条さんは喋った。

「衛(マモル)って、いい名前だね」

俺はどう反応するべきかわからず、ただ黙った。



 家から出発する前。玄関口で、母さんが言ったのだ。

「お母さんね、あなたを授かった時に名前を考えたの。その時はまだ性別がわかっていなかったから、男女両方の名前を

「男の子だったら、マモル漢字はこうよ」

そう言いながら、文字の書かれた紙を差し出された。
それには一文字『衛』とだけあった。

姿が変わっても、あなたはわたしの子よ」

そう言って、俺を抱きしめた。

「いってらっしゃい」