MN*B
2024-06-19 01:11:47
15493文字
Public 蠱毒な夢術廻戦:pixivバックアップ
 

地獄の釜の蓋が開く時・上【探求編】

 シリーズ中第4話目になります。
注意書きは1ページ目に、シリーズ概要の方にもあります。
※最初の地図の入れ方だとアプリ版で見ることが出来なかったので、改めて入れ直してみました。

 このシリーズの小説の閲覧、ブックマーク、いいね、ありがとうございます。

今回の話は、上下の二つに分けて投稿することに決めました。あんまりにも長くなったので。
ある程度書いてからじゃないと変なとこがでそうだったんで、思ってたより上げるのが遅くなりました。

 話がほぼオリジナルなので、呪術廻戦要素薄いです…要素が五条先生と世界観しかない!!
書いてる本人もはよ高専行きたいって思ってます。もう少しお付き合いくださると嬉しいです。

まずシリーズ自体見切り発車だったので、ちょっと変なとこでるかもしれません…あんまりにも変だったら修正しようかと思ってます。
挿絵として地図が入ってますが、それっぽく描いただけなんで…現実に則してないです。
地図→ https://www.pixiv.net/artworks/87149262

 これを書いてる途中に別の夢小説を書いたんですが、こっちに戻ったら温度差で風邪ひきそうでした。



#オリ主 #五条悟 #夢術廻戦
2021年1月18日 22:27



 車を走らせ到着したのは、この町の小学校だ。
小学校敷地内にあった駐車場に車を止めると、運転していた彼は深く息を吐いた。
その様子を見ていた僕には、彼が緊張していたのがわかった。
だから僕が運転するって言ったのに。
その言葉は呑み込んで、車から降りることにした。

 天気はいいものの、冬らしい寒風が肌を撫でていくもう車の中が恋しくなってきた。
そう思っている僕の横へ、彼がすっと並んで立った。

「とりあえず小学校にってことで来たけどあそこに行くのか?」

そう言った彼の目線は、校舎とは反対側。
学校付属のグラウンドと、その向こうには呪物を置いていた森が見える。  

「違うよ。あの森にはもう何もないからね用があるのはコッチ」

僕の指が校舎を示すと、彼は不思議そうな顔をした。

 彼は知らないだろうが、元々呪霊が湧いていたのは校舎の方だ。
あの夜グラウンドにいた呪霊は、校舎からおびき寄せられたものが大半だろう。
呪物を回収しても湧くのならば、原因は校舎にある可能性が高い。

「人が集まるとこには呪いが湧きやすいっていう話はしたよね」

「あぁはい。え、じゃあ湧いてるのか、ここ」

「湧いてるね~。よっわいやつだけどなんかこう気配とか感じないの?」

おおよそ4級が1、2体だろうか。
事件の時にほとんどがおびき寄せられ、蠱毒の材料になったのだと思っていた。
まさかまた湧いているのか?
学校は呪いが溜まりやすいとはいえ、呪霊になるまでが早過ぎる。

 校舎からはそこそこ嫌な圧を感じるはずなのだが、彼は顎に手を当てて考えこんでいた。

「気配って言われてもな。嫌な感じはするけどここにはあんまりいい記憶がないからかと」

「そっか。ま、慣れればわかるようになるよ」

僕は彼の背中を軽く叩いて、校舎へ向かうのを促した。



 「いや〜、今日が休日で良かったね。そうじゃなきゃ夕方か夜中に来ないと行けなかったし」

そう言いながら歩くのは、人のいない校舎の廊下。
通り過ぎる教室の中にも人っ子一人いない。
スリッパを履いた僕たちの足音だけが響ている。

「てか、水道管調査ってなんだよ

彼がぼやいているのは、この学校に入る際に受付の事務員さんに言った方便のことだろう。

「あの森が大惨事になったでしょ。それの理由が、表向きは水道管破裂ってことになってるんだ。だから、この校舎を調べる表向きの理由は水道管調査ってわけ」

この事件に使われてる符号みたいなもんかな。と付け加える。

「あからさまに怪しいのに、なんで入れたんだと思ったらそういうことか

怪しいってそりゃまぁ僕たち、整備士には見えない格好だけどさ。
彼が言っているのはそういうことじゃないんだろうけど。


 一階には気になるところはなく、階段を上り二階へ。
そしてさらに奥へ進む。教室を見回り、校舎の突き当りまで行くとそこは理科室前だ。
廊下には展示物が張られ、脇に置かれた棚にはホルマリン漬けの瓶が並んでいる。
ここだな。

 着いてきていた彼の方を振り向き、問題を出す。

「さーてクエスチョン!ここには呪霊が隠れています。どこにいるでしょうか?」

僕はそう言って、彼の後ろに回った。
 彼は、周りを見渡し始める。
理科室の扉、壁、窓、棚、天井、さらに床にまで目をやる。

「質問なんだけど、呪霊って壁とか貫通できるのか?幽霊みたいに」

「できるよ。でも僕の言ってる呪霊はここの廊下の範囲にいます」

彼にわかるかな。
そして彼はいまだに呪霊を見ることができるのか、それを確かめたい。

 シンと静まり返った廊下。
しばらくして、彼は深く息を吐いた。

「二体いるよな、ここ。そこの棚と展示物と壁の隙間だと思うんだが」

彼がそう言った途端、その箇所から呪霊がうごめき出てくる。
声にならない声をあげているそれらに目を向け、彼はたじろいで一歩下がった。
見えてる。

「せーかい!よくできました!」

とりあえず確認したかったことはできたので、さくっと祓う。
襲い掛かってこようとしていた呪霊たちは、パンッと軽い音を立てて消えた。
突如呪霊が破裂したのを見て、彼は戸惑ったように僕を見る。

「消えた?」

「うん。祓ったよ」

僕レベルになると、あの程度なら予備動作なしで祓えるんだ。と言えば、ふーんとよくわかっていなさそうな返事。
自分で言っちゃうけど、結構かっこよくない?僕ポケットに手を入れたままだったんだけど?


 特に興味もないのか、黙ったままでいる彼。
呪霊は祓ったことだし、校舎内の探索に戻るか。
この調子じゃ何にもなさそうだけどねそう思いながら彼に声をかける。

「それじゃ次は「ちょっと黙ってくれ」え」

今まで白けた目とか不審人物を見る目で見られてきたけど、何か言われたことはなかった。顔にはめちゃくちゃ出てたけど。
予想していなかったタイミングで思わぬことを言われたので、僕はショックで言葉を失っていた。

 彼はそんな僕に見向きもしないまま、そばにある窓に手をかけた。
窓を開けるとゆるやかな風が滑り込んでくる。
彼がそこから身を乗り出していくのを見て、僕はハッと我に返った。

「うわぁあ!待って危ないから!!」

そう叫びながら彼の背中に飛びついた。

「は?いや、ちょッ」