enoki181
2022-10-09 17:14:52
25477文字
Public リプレイ
 

【CoC】夕星と上原兄妹でいく「女王の卵」【リプレイ】

他システムからのコンバートキャラで遊んだログ。これだけでも読めます。
PL:成海さん、エノキ(KP兼任)
シナリオ https://booth.pm/ja/items/172129



■プロローグ

 ふつふつと、何かが沸騰するような。
 ぐちぐちと、何かが沸きたつような。 
 粘度の高い泥濘に全身を包まれ、穴という穴から侵食される。
 内部に侵入したそれは強酸に変わり、粘膜と言わず臓腑と言わず、筋肉、骨、血、排泄
物にいたるまでを溶かしつくし、外皮を残してあなたの内側をどろりとした液体に変える。
 臓物と肉と脳が交じり合った皮袋となりはてたあなたは、激痛と同時に快楽を感じてい
た。
 
 あなたの内側で、粘液はどろりと沸騰する。
 
 液体の温度が上昇するにつれて、痛みは薄れ、心地よさが勝っていくようだ。
 やがて苦痛は完全に消え失せ、全身が交じり合う恍惚だけが残った。
 血肉と汚泥が混合する皮袋が生き物のように不気味に脈動する。
 不意に革の一部に亀裂が入り、ぶちり、と破れて中身が飛散した。
 あなたは自身の臓腑と肉と血と排泄物と脳をさらけ出し、
 聞くに堪えない醜悪な産声を上げた。

KP:HO1夕星晋の導入から。

 ここ最近、おかしな死体が増えている。
 警察は目下調査中としているが、それらの死体には一つだけ奇妙な点
があるという。
 死体には「脳」がない。頭蓋骨が割れており、脳はそこから摘出され
たと思われる。
 何よりも異様なのは、骨が内側から割れている点だ。
 頭蓋骨が内側から割れることなどあるのだろうか……? 
 頭部以外に大きな損傷はなく、死因は言うまでもなく脳の欠損である。
 行方不明となった者に関連性はないとされているが、一部では、ある
病院が関係しているのでは、と言われている。
 ――鞭典病院。
 異常死した人間たちは、この病院と僅かではあるが縁があるようだ。
 しかし何故、病院関係者が狙われているのか。理由は定かではない。
20xx.7.20 杏

――あなたは歩きながら、杏が残した資料に目を通す。
読み終えると、財布の中に折り畳んで入れた。

季節は夏。20xx 年7月中旬ごろだ。
つい最近、同僚の杏智也(あん・ともや)が消息を絶った。
あなたは街中を歩いている。杏の部屋から帰る途中だ。
自宅へと戻る途中。通いなれた道を歩いていたところ、黒いワゴン車が建物の前で停車していた。
あなたはそれを不審に思い、咄嗟に道を変えようとした。
車に向かい背を向けたところで、背後から何かがぶつかってきた。
次の瞬間、チクリ、と首裏に刺されたようた痛みが走り、あなたの意識はそこで途切れた。

KP:HO2、上原珠天と蒼華の導入。

走れ。
走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ。
あなたは逃げている。
走れ。
走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ、走れ。
あなたは追われている。
何故追われているのか――不明。
誰が追手なのか――不明。

ただあなたは帰宅の途中、夕暮れ街を追われ、追い詰められ、捕えられた。
せめて引き離されぬよう、互いの手を取り、意識はそこで途切れた。

KP:あなたたちは闇の中で覚醒する。

酷い汗をかいており、全身が湿っていた。
薄汚れたベッドに寝かされ、手錠で繋がれていた。

窓辺には花瓶がひとつ。花は枯れ、水は腐臭を放っている。
錆び付いたパイプ椅子、壊れかけたロッカー。

よく見ればそこは、病院の一室のようだった。

KP:ここから全員合流です。

夕星 晋:浮上する意識の中、面倒くささを感じた。杏の奴、面倒なことに巻き込みやがって。
しばらくそのままでいたが、近くに起きている人間はいないらしい。
身を起こすと、すぐ横のベッドにも同じ状況の人間を見つける。暗がりで顔が見えない。……放置していくわけにもいかないか。

「おい」

小さく声を掛ける。

上原珠天:「ん……蒼華……大丈夫か……

誰かに呼ばれた気がして意識が覚醒する。
まず最初に気になったのは妹の安否。

夕星 晋:「……上原?」
聞き覚えのある声を信じたくなかった。

上原蒼華:「なんで夕星の声がするのよ……って本人!?」

起き上がろうとして手錠が引っかかる。

「もう、最悪! お兄ちゃん怪我ない!?」

上原珠天:「支部長? ……あ、蒼華、俺は大丈夫だから自分の心配をまずするんだぞ」

夕星 晋:「本人だよ、悪かったな。……怪我?何があった?」

蒼華の声は元気そうだ。
手錠に阻まれて直接見に行くことはできないのがもどかしい。

上原蒼華:「不審者に追われて気絶させられたのよ!」
「あとお兄ちゃんこそ自分の心配して! 私より弱いんだから!」

上原珠天:「いや否定はできないけど……

夕星 晋:「お前だけならともかく、兄貴も一緒の時に?目的がわからないな」
考え込みながら室内を見回す。窓の外が見られるのならそっちも。

KP:廊下に続く扉は開け放たれているらしい。
ベッドは4台あり、脇にロッカーと机が並んでいる。
室内には【3-17】というプレートがかかっていた。

窓の外は真っ暗だ。周囲には木々が生い茂っており、ここが建物の1階ではないことがわかる。

上原蒼華:「嫌に埃っぽいわね。ここ何? 寝心地は病院のベッドみたいだけど」

夕星 晋:「……鞭典病院?」
浮かぶのは直近で聞いた、いや、見た名前だ。

上原蒼華:「あそここんな古くさくないわよ」

夕星 晋:「だよな、営業中の病院には見えない。 なんだ、蒼華、行ったことあるのか?」

上原珠天:「あーどちらかと言うと俺の方が多いですね。蒼華は風邪あんま引かないから」

上原蒼華:「予防接種とかに利用する程度ね」

夕星 晋:「上原も?なんだそれ、聞いてないぞ」

上原蒼華:「なんであんたに行ってる病院の名前言わなきゃいけないのよ」

上原珠天:「え、もしかして申告とか必要な感じですか?」

上原蒼華:「絶対違う」

KP:三人が状況を確認したところで、一人の男が転がりこんでくる。

男の姿は異様だった。
頭から水でも被ったかのように、上半身が濡れている。目は真っ赤に充血し、鼻から下は血で赤く染っていた。首筋から指先にかけて、皮膚が歪み、あちこちに赤黒い線が走っている。
それが特殊メイクなどではない証拠に、生々しい血の臭いが漂っていた。
男は夕星の姿を認めると、ふらふらと近寄ってきた。
どうやら夕星はこの異形の男と既知の関係にあるようだ。

上原珠天:「うわっ!?」

夕星 晋:「くそっ!」
咄嗟に前に出ようとして、手錠に阻まれて舌打ちをする。
しかし、こちらに近寄ってきた男の姿に眉を顰めた。

KP:男は夕星に向けて1冊の手帳と鍵を差し出す。

……俺の、せいで、……すまない
「 記録は、回収されないよう、………に、隠し
逃げ……は、殺し………

夕星 晋:「……杏?」
手帳を受け取りながら聞く。

KP:男が倒れた次の瞬間、その体からみしみしと軋む音が響きはじめた。

生木が裂けるような、陶器が割れるような、なんとも形容し難い異音と共に頭蓋が割ける。
頭の内側から透明な羽が見えた。まるで蛹から羽化する虫のようだ。頭蓋から現れたそれはぬるりと滑り、光り、湿っている。
それはかすかに甘い香りを漂わせ、奇妙な滑りを帯びたまま飛び立った。

室内から羽音とともに姿を消した異形の化け物を、あなたたちは為す術もなく見送るのだった。

KP:SAN値チェックです。
夕星は1/1D4。
上原兄妹は0/1D3。

上原珠天:1d100<=50 【SAN値チェック】 (1D100<=50) > 39 > 成功

夕星 晋:1D100<=75 正気度ロール (1D100<=75) > 36 > 成功
[ 夕星 晋 ] SAN:75 → 74

上原蒼華:1d100<=70 【SAN値チェック】 (1D100<=70) > 7 > 成功

上原蒼華:「知り合い?」

夕星 晋:「別んとこの支部長だ。少し前から行方不明になってた。……こいつが調べててたのが、鞭典病院なんだよ」

鍵は手錠のものだったらしい。自分のに続き、二人のも解除する。

上原蒼華:「あそこきな臭い病院なの? 最悪」
こんなところにまで危険が隣り合わせだなんて、たまったものではない。

上原珠天:「ありがとうございます。……うわあ……
死体を見て。手を合わせておこう

KP:ここで手記①を入手します。手帳に挟みこまれていました。
また、地図も挟まっていました。2階と3階のマップを開示します。

▼手記①

夕星へ。
 こんなことになるとは思ってもみなかった。失敗した。
 細心の注意を払っていたはずだが、嗅ぎ回っていることに勘付かれたようだ。
 この病院内に看護婦や医者の姿はない。設備は朽ちており、院内はあちこちが傷んでいる。ここは鞭典病院ではないのかもしれない。考えたくはないが、万が一の場合に備えて記録を残す。この手帳を誰かに取り上げられてしまう可能性も考えて、メモは建物内に隠しておく。
20××/3-25 杏

上原蒼華:「何か分かったのかしら?」
この隙に死体調べようかしら。

KP:杏の死体を漁るなら、ライターを発見する。
室内には月明かりしか差し込まず、とても暗いです。そのままだと【目星】は初期値でしか振れないですが、ライターを所持している探索者だけは本来の値まで回復します。

夕星 晋:財布の中から最初のメモも取りだそう。紙類は全部二人に見せる。……上原は巻き込みたくないけど、もう渦中にいるんじゃ仕方ないよな。

「ただ出て行くより、こいつの記録を探していきたい。そもそも、普通に出て行けるかも怪しいもんだ」

上原珠天:「うわあ……なんか凄いことになってますね」
一体どうしてこんなことに。

上原蒼華:「そうね。私も賛成……夕星、ライターあったわよ」
そう言って渡すかな。

夕星 晋:受け取ったライターの火が付くか確認してから戻す。
「お前が持っとけ」
多分いつものスタンガン持ってないだろ。

上原蒼華:「あら良いの? じゃあ貰っておくわ」
ポケットにしまっておく。

夕星 晋:杏の横にしゃがみ、目を閉じてから立ち上がる。
「じゃあ、メモを探すか。その前に、この部屋の位置を確認したい」
廊下に顔を出し、地図と照らし合わせて部屋の位置を知りたい。

上原蒼華:「と言っても部屋数が多いみたいだけど、まさか片っ端から漁るの?」

上原珠天:(二人とも手際良いなあって思ってる)

KP:廊下を見るなら、左手方向がぼんやり光っているのが分かるでしょう。階段があるらしいこともわかる。
廊下の形や部屋の位置から、今いる部屋が317号室だとわかっていいかな。

夕星 晋:「いや、さすがに。……次の場所を馬鹿正直に書いておくことはないだろうから、何かしらのヒントはここにあるだろ」
手記①を眺める。

上原蒼華:横から覗き込む。
「明らかに怪しいとこあるわね」

日付を睨みながら

夕星 晋:「これとか?」
蒼華に目配せし、室内のプレートを示す。

上原蒼華:「まんま答えね。ここから遠くもないし」

上原珠天:「え、何か分かったんですか?」

夕星 晋:「行ってみるか。外れたとしてもそんなにロスじゃない」
325室へ向かう。

「ああ、あっちの方。確認するかは後で相談したい」
明るいことも共有しておこう。