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夜明 奈央
2024-05-05 13:55:38
10159文字
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中太小説
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クリスマスカウントダウン
付き合ってる(っぽい)中太がそうなって初めて迎えるクリスマスまでの約1ヶ月のお話
2022年12月1日〜25日の間にTwitterで連載していたアドベントカレンダー企画
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12/25 自宅
中也はカーテンの隙間から射し込むきらきらと輝く朝の日差しで目を覚ました。眠たい目を開けるよりも先に太宰が寝台から姿を消しているのを感じる。だが意識を研ぎ澄ませると扉の向こうから微かに気配を感じるので、帰ってしまったわけではないらしい。
布団から手を伸ばすと、冷たい空気が肌に当たる。暖房を入れているとはいえ、布団の中の方が暖かいのは仕方ない。そんな気持ちで携帯端末を手に取る。
だが、そこからすぐには動けなかった。視線の先にはリボンで飾られた細長い物体。分厚めの不織布素材で覆われたそれの中身は見えないが、形状からしておそらく瓶。昨晩まではなかったはずの物。
置いた人間の心当たりなど、たった1人しかいやしない。
そこまで考えが至ったと同時、すぐに引っ掴んで寝台から飛び出した。寒さなんて、もう気にしてなどいられなかった。
ばたばたと駆けていく足音は当然聞こえていたのだろう。もうすっかり普段通りの着替えを済ませた太宰は、優雅に朝の珈琲を楽しんでいた。お互いの姿を視認したところで立ち止まる。
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
普段とは異なる挨拶を交わし合う。それから何と言うべきか迷っていると、察した太宰が「それ」と先に口を開いた。指しているのはもちろん中也の手の中にある物だろう。乱暴に掴んだ所為でラッピングは少々よれてしまっている。
「私からのクリスマスプレゼント」
「なんで、昨日
……
」
「だって、あんなのもらっちゃったら、そんな物渡せないでしょう」
拗ねたように言う横顔は少女のようだった。
「開けていい?」
「もちろん」
逸る気持ちを抑えて丁寧にリボンを解く。姿を現したのは擦りガラスと高級そうな和紙ラベル。あまり詳しくはないが、中に入っているのはおそらく
――
「日本酒?」
てっきりこの形状なら中也の好きなワインが入っていると思っていたのだが。
「お正月か、大晦日でもいいけど。一緒に飲もうねって、つもりだったんだけど」
中也はきょとりと瞳を瞬かせて、太宰を見つめた。中也がじわじわと言葉の意味を理解するのと比例するように、太宰の頬が赤く染まっていく。太宰がカップを握る手にぎゅうと力を込めた。
「いいじゃん、飲もうぜ」
「うん」
太宰がこの世の幸せをかき集めたみたいに頷いた。ただそれだけで、言いたいことが全部伝わったような気がした。
でもきっとそんなことはない。伝えきれていないことなんてまだまだたくさんあるはずだ。
だけどそんなのは後回しにして、とりあえず今は、抱きしめてキスがしたいと思った。
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