糸冬いずく
2024-05-04 01:43:02
56529文字
Public 二次創作:冠は余らない
 

冠は余らない

完結、花宮真、黒子のバスケ、Another

夜見山北中学出身の花宮真が誠凛高校バスケ部に入った話。「もうひとりなら殺してた」

ヒトないしヒトのようなものが死にます。
クロスオーバーです。複数の作品の世界観を融合しました。

ある年

  卒業前夜

 雨が降っていたから傘を差した。水の飛び散った音はするけれど、世界はザアザアうるさいから、どれがどれだかわからなかった。バケツをひっくり返したような雨だった。土砂降りが体をザアザア流していく。飛び散った液体が視界を延々邪魔していく。額に前髪がはりついて、ぼたぼた雨が垂れていく。足りないと思った。だから、もう一度、傘を差した。
 うつ伏せに倒れたから、仰向けになおして差した。
 もう一度。もう一度。もう一度。もう一度。
 差して、差して、差して、差す。
 傘を差す。
 もう一度。
 傘を刺す。