思考せよ幸福定理 3/3
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自室に戻ると、ディ・モルダーは宣言通り健やかに寝ていた。そぅっと扉を閉めて、電気を消す。なるべく音を立てないようシーツをめくり、自分の身体をこっそり収める。
身体も悩み事も収まりがついた、はずなのに脳の動きは止まらない。
『ダン様のために働きたい、それだけでいい』
私はあの言葉を、どれほど本気で言ったんだろう。
可能性の羅列はできる。リスクの天秤も動かせる。それでも確信までには至らない。私達が、ダン様と共に居続けられるか。あの人の力になりたいと思った気持ちだけを尊く抱きしめ続けられるか。ずっとこの居心地の良さを続けるには、どうすればいいか。
一生同じものを見続けて同じ人と付き合い続けることなんて、とても不可能だ。だから私は明日も思考を巡らせ続ける。
考えることが苦しいといったディ・モルダーの代わりに、
漸進的な思考に慣れていないドレのために、
悩む暇など持ち合わせていないダン様のために、
ダン様側近頭脳労働専門として思考を走らせ続ける。
────明日もまた、彼らとおやすみを言い合うために。
~END~
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