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雨音
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安寧の灯
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【あずまこ小説集】
文字数少なめ(500~1500字程度)のあずまこ小説をまとめました。
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5
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【ふわふわな羊に包まれて】
町役場に提出するための書類の一番下にサインをする。不備がないかを確認してからペンを置く。
ふぅと息を吐いてグッと伸びをすると、パキポキと骨の音が鳴った。
伸びをしたついでに、ちらりと背後を見遣る。
こんもりとした小さな山が微かに上下していた。
椅子から立ち上がり、ベッドの縁にそっと腰かける。山
――
毛布に包まれて眠る真琴を見て安栖は穏やかな笑みを浮かべた。
小さな口から漏れ出る、規則正しい寝息。
ここに来た頃は緊張と不安で眠れなくてガタガタ震えていた。隣に座って背中を撫でていると次第に震えが収まって、電池が切れたように眠っていた日々を思い出す。
自分で眠れるようになったことに成長を感じて感慨深くなる。
「んぅ
……
」
ふと真琴の口元が緩んだ。珍しいなと思って、安栖はよく見ようと顔を近づける。
「ふわふわ
……
」
ふわふわ? 独り言のように紡がれた単語に安栖は首を傾げる。
何か夢を見ているのだろうか。不思議そうにしている安栖をよそに真琴は幸せそうに微笑んでいる。
「ふわふわ〜
……
ひつじさん
……
」
ふわふわ、羊。何となくどんな夢を見ているのか想像がつく。きっと可愛らしい夢を見ているのだろう。微笑ましくて安栖も口元が緩む。
真琴のさらりとした黒髪をそっと撫でて、安栖は物音を立てないように部屋を出た。
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