しろくまたたくはくしゅんさん
2023-10-04 20:46:23
8734文字
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【アルカヴェ】31回目の朝のこと

ねぼすけさんなお話

 ────〝むかしむかし、あるところにとてもきれいなお姫様が眠っていました〟

 その話はもう何回も聞いたよ、おばあさま。

 あら、それは雪のように白いお姫様のお話でしょう?今回のお話はね、ほら、この本のお話。

 みたことのない本だ。

 そうねえ、あんまり人気のない本なの。読んでみたらわかるわ。

 うん…………。────なるほど。このおひめ様は、ずいぶんねぼすけのようだ。

 ふ、ふ、ふ。そうなのよ。揺らしても、大きな音を立てても、おいしそうなご飯の匂いがしても、大好きな人からのくちづけを受けても、目を覚まさなかったの。

 おとぎ話らしいせっていだ。人はこんなに長いあいだ眠ることはできないし、強いしげきをうければ目がさめる。

 私のかわいい孫、アルハイゼンはなんてお利巧さんなのかしら!
 たしかに、私たちはたくさん眠ることはできないわね。でも、このお話はいろんな人に当てはめることができるものよ。

 ? それは、おばあさまや、俺にも……

 ええ。きっと、いつかあなたにもわかる日がやってくるわ────