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無窓居室
2023-02-03 02:53:31
8889文字
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鬼と悪魔の事情
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新年デート
正月ネタのつもりが別にお正月らしいことしてない。😈👦👹👸でショッピングモールへ行く話。
😈👹と少し👦👸っぽいデート風景がだらだら続きます。多分あとで改題する。
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「おい、なんかアレさとし泣いてないか?戻らなくて良いと思う?」
中庭ではやっと足を止めたアカネが窓越しに子供達の様子を伺っていた。ブラックが一目だけ見てアカネの心配を却下する。
「小学生にも色々あるんでしょう。いま行くのはかえって野暮かもですよ」
「そう
……
なのか?なら無理にとは言わないけどさ」
多少戸惑いながらアカネは空を仰いだ。暮れかかりのラベンダー色が滲みはじめている。どちらにせよそろそろ帰らなければいけない時刻のようだ。
「なあ、シャツありがとな。アタシのことからかうためだったとしても助かったし
…
嬉しかったよ」
タイムリミットなのでおふざけをやめてきちんと礼を伝える。アカネなりのけじめの付け方だ。ブラックも今は悪意なさげに相手を見つめ返した。
「からかうなんて。一つくらい普段と雰囲気の違う服を持っておくと便利ですよ。もしも動画でイメージチェンジの必要があるときは是非それを着て下さいね。他の人から勧められたのじゃなく
……
約束ですよ?」
ちなみに洗濯機で洗えます、と言い添えいつも通りの謎めいた笑顔で指切りまで求めてくるブラックの、こういう思わせぶりな言動をアカネはいつまでたっても上手く受け流せない。ぎこちなく小指を絡ませ、可愛い駆け引きの一つもできない自分を少なからず悲しく思いながら、それでも真面目に気に掛かっていたことを尋ねた。
「あのさ、服代いま返してもいいかな。レシート持ってる?」
「捨てちゃいました。いーですよ、決して高いものじゃないですし。頑張ってるアカネさんにオレちゃんからお年玉みたいなものです」
「そういうわけに行かないよ」
「では、次回お会いするときにはどうでしょう?ちょうど近くの遊園地がリニューアルオープンするみたいで
…
」
急にこちらを引き込むように積極的な話題を展開するブラックにアカネは少し身構える。しかも場所が遊園地というのが引っかかった。
「遊園地?ブラック前に人間界のは物足りないとかでわざわざ自分で作ったくらいだったじゃないか」
「アトラクションはたしかに。でも夜景がきれいみたいですから、そこでおやつか飲み物でも奢ってもらえればチャラということで」
「分かった。さとし達も一緒だよな?きっと喜ぶぞ!!」
「
…
そこで他の人を呼ぶの前提なんですか」
「薄情なこと言うなよ。さとしとひめがいなきゃ盛り上がらないじゃん。どうせなら他の友達も誘って」
一人ではつまらないと思っている場所にわざわざ相手を呼び出し、そこで夜景を見ながら飲食しようと持ちかけることの意味を全く察さないアカネに、今度はブラックが些か困惑の表情を浮かべた。
「
……
アカネさんを見てるとオレちゃんちょっと分からなくなってきます。真剣に想ってくれているんだと感じていたから応える気にもなったんですが
…
もしかすると、何もかもオレちゃんの思い過ごしでしょうか」
「ん、なんか言った?」
「いえ何も」
「そっか。
……
えっ!?よく考えたらさとした達が来ないってことは、遊園地にブラックと二人きりなのか!二人っきりで遊園地に誘われるなんて
…
いやいや!!変なこと考えるな!バレたら恥ずかしいじゃん!!!」
「全部聞こえてますけど
……
本当に、分からない人ですねぇ」
珍しく思考を投げたように目を閉じるブラックは、しかしそれが嫌ではないので居心地よさげにしばらくアカネの隣に佇んでいた。
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