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無窓居室
2023-02-03 02:53:31
8889文字
Public
鬼と悪魔の事情
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新年デート
正月ネタのつもりが別にお正月らしいことしてない。😈👦👹👸でショッピングモールへ行く話。
😈👹と少し👦👸っぽいデート風景がだらだら続きます。多分あとで改題する。
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「それにしても友達とのショッピングを中座してまで作業とは熱心ですね。どんな企画をアップするんです?」
「付き添いで来てただけだよ。動画は
……
へへ、秘密だ!」
「教えてくれないんですか、アカネさんとオレちゃんの仲でしょう?」
「わざとらしっ。ブラック相手だから教えないに決まってるだろ、アタシ達ライバルなんだから」
注文まで列に並ぶ間をブラックはアカネと他愛ない会話でつぶした。具体的な中身などあってないようなやりとりで、こうも時が経つのが早く感じられるのは何事かと思う。YouTubeが自分と彼女の共通のライフワークなのだと実感することがこんなに愉快なのは。
話に注意を向けさせつつ、ブラックはそろそろ気付かれてしまいそうな繋いだ手の指をそっと解いて離す。離しながら相手だけでなく自分自身の心理を細やかに観察した。アカネと手が触れ合わなくなる瞬間それが惜しいと感じたので、ここへ来る前に準備しておいたことを言おうと思った。
「アカネさん、ものは相談なんですがもうじき近くの
…
」
ブラックはホットのブラックコーヒー、アカネがカフェオレを頼み席へ戻る途中。ブラックが本題を切り出したところだった。
「うわっ!?」
「熱っ!」
「アカネさん」
「す、すみません!!」
「大丈夫ですか!?」
向かいから歩いてきたグループの一人がアカネにぶつかった。何人かの驚いた声。衝撃が閉め方の甘かったドリンク容器の蓋を跳ね飛ばして中身が溢れる。少し後ろを歩いていたブラックもすんでのところでカバーできない。火傷をする温度ではなかったがアカネのタンクトップがカフェオレで濡れた。
「ごめんなさい!!本当にすみません!」
「いや、いいよ。アタシも戻る席探してて前よく見てなかったし。おあいこってことで」
「いやでも僕は無事だけどお姉さん服汚れちゃってるじゃないすか。それに飲み物もこぼさせちゃったし、代わりの買わせて下さい」
「まだ半分くらいあるから気にすんなって」
「そうはいかないです
……
あっ、これ僕の連絡先なんで!クリーニング代とかが必要だったときのために」
相手は学生風の若者たち数人で、アカネにぶつかった一人は平身低頭して謝りながら、どうやらそれだけではないと思われる理由で食い下がってくる。仲間達からも「おいナンパかよ!」「クッソ迷惑だろ」とヤジが飛んできた。酒が入っているのかもしれない。
アカネの方はさとしとひめを待たせているかもしれないと思うと相手をするどころではない。幸い汚れの目立たない黒いタンクトップだ。放っておけば乾くだろうし、本当に気にしていないから早く終わりにしたいのに若い男はなかなか引き下がらない。
「それ以上のお気遣いは無用ですよ。オレちゃんの連れなので、後は任せて下さい」
いっそ強引にでも振り払おうとかと思ったとき、ブラックが穏やかに助け舟を出した。アカネの肩に手を置き抱き寄せるような仕草の効果は覿面で、若者は慌てて後ずさる。ブラックは礼儀正しく、ごく紳士的に会釈した。
「あ、あの
…
」
「彼女へのご心配ありがとうございました。アナタにもお怪我がなくて何よりです」
若い男が戻った人の輪から「バッカじゃねえの」「こっちが恥ずいわ」と声がする。手厳しい内輪の弄りを受けている若者を横目に、ブラックは携帯でさとしを呼んだ。それを聞いてアカネが我に返ったようだ。
「あ、ありがとブラック
…
もういいから離して」
「急に離れたんじゃあの方達に変だと思われません?」
視線で示された先ではさっきのグループが「彼氏さんいい人でよかったな!俺マジ怖い人かと思ってビビッたわ一瞬」などと会話している。根は気の良い若者達だったようで、目が合うともう一度全員で頭を下げてから立ち去っていった。
まもなくタピオカを持ったさとしとひめがやって来て「彼氏じゃないのに。
……
まあ、悪魔だしなぁ」などと独り言で気を散らしていたアカネは、そのままになっていたブラックとの位置関係を見られてしまい大いに慌てることになったのだった。
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