yoAi_mochii
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二つの性を持つカムクラくん(召神・狛日・カム日)

もし術後の日向――神座に、希望ヶ峰学園が「より優秀な才能を次世代へ継承させる」ことを目的とした機能を組み込んでいたとしたら

神座自身は性的機能にほとんど興味を示さない。一度、江ノ島盾子に誘われた時ですら、心は動かなかった。才能も絶望も理解できても、自分自身の欲求だけは理解しがたいまま、空虚に取り残されている。
希望ヶ峰学園を出た後、希望と絶望の観察を続ける傍らで、密かにある結論を検証し続けていた。
果たして自分にとって特別な存在はいるのか。
たとえ特別な存在がいたとしても、自分が興味を持てる相手とは限らない。
ほとんどの人は、神座に向けられるものを受け止める前に、あまりにもたやすく壊れてしまう。あるいは耐えきれず、自ら命を絶つ。
膨大な候補と未来を検討した末に辿り着いた結論はひどく単純。最後まで生き残ったのは幸運だけだった。

だから神座は何度も検証する。
召使いをその名の通り徹底的に使い倒し、命令し、従わせ続ける。相手は望めば命さえ捧げて希望になろうとする絶望であり、どれほど理不尽な要求でも喜んで受け入れる人格破綻者。
その想いは、これから先に広がる無数の未来の分岐の中でも、一度たりとも使い潰されることはないだろう。
もはや運命と呼ぶべき、とてもつまらない、天啓。

しかし彼らの間には、今もなお最後の一線が残されている。
それは理性でも倫理でもない、神座らしくない意地だった。
最初から決めている。その先だけは自分のものではない、と。
いつか日向創として生きる時が来たなら、その選択をする権利はもう一人の自分にもあるべきだと。だから途中で立ち止まる。
召使いと異様な遊びのような関係を続けるうちに、これまで感じたことのない、興味に近い感情が胸の奥に芽生え始めていたとしても。
結論に辿り着き、確信を得ていても。
そこだけは決して奪わない。
まるで長距離走のアンカーにバトンを託すように。
神座は答えだけを用意して、最後の選択を未来の日向創へ残した。

――もっとも、その行為は決して善意だけではない。異様な身体。常人なら抱えきれない機能。希望ヶ峰が理想を追い求めた果てに生まれた、歪な奇跡。それは才能がもたらした祝福であり、同時に呪いでもあった。
二人分の希望。
執着。
愛情。
それら全てを重ねて向けられることが、どれほど暴力的な行為なのか神座は理解している。
普通の人間なら耐えられない運命で、そんなものを向けられればただの人間は壊れる。
逃げ出すか、押し潰されるか。あるいは、自ら終わりを選ぶか。
神座が観測した可能性のほとんどは、その結末に行き着いていた。

最後まで残った一人。
カムクライズルの興味と、また生まれぬ、いつか必ず芽生えるハジメての愛情。
その両方を向けられるという災厄を、唯一生きたまま受け止められる存在。
幸運という理不尽そのものを背負った男。
狛枝凪斗だけだ。