千草莱
2026-05-19 01:05:10
7526文字
Public 弟子バロ
 

【大逆転裁判】出会ってすぐに、召し上がれ

転生現パロのアソバロ。亜双義の執念は岩をも通す。



 皴だらけになったシーツの上、二人重なり合ったまま、うとうとと微睡む。
また短い夢を見た。
カズマとバロックが、自分たち同様にお互いを求めあう光景だ。
バロックの蒼い瞳は熱く欲に燃えながらもどこか切ない。
彼らが抱き合えたのはこの時限りなのかもしれない、と感じた。
その無念が自分をここまで連れてきて、新たに出会いを与えてくれたのならば
カズマに礼を言うべきなのだろう。

夢から覚めて、隣を見れば傷痕のない穏やかな寝顔が傍にある。
このままでは風邪をひいてしまうからと声を掛ければ、眠そうに目をこすっている。

「今夜は泊ってもいいよな?」

「どう引き留めようかと思っていた」

その言葉に、たまらなくなって抱きしめてしまう。
カズマとバロックの心残りはきっと晴れただろう。
でも自分たちの人生はこれからも続いていく。

「旅先での思い出で終える気はない。
 俺は、目の前の貴方をもっと知りたいし、もっと一緒に過ごしたい」

抱きしめる腕に力をこめる。どこにも逃がさないように。
すぐにこの国から去るのは自分の方だというのに、我ながら身勝手だ。

「まずはシャワーを浴びて、もうひと眠りしたい。
 起きたら朝食を食べながら話し合おう。これからの、私たちのことを」

汗で額にはりついていた前髪をはらわれ、そっと唇が落とされる。
お返しに頬にキスをすれば、夢の中の彼も笑った気がした。