カレット
2025-09-24 20:44:00
5178文字
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アメリコ小話詰め合わせ3

アメリコやアメリコ前提のまとめ/大体111話の後に書いてるメガボルテージ編より後の話/何でも許せる方向け



(何でも許せる方向け)


お友達から始めましょう




「おじい様は、ルシアスを無二の仲間だと語ったそうだ」
 紫色の眼差しがこちらをひたと見据えていた。対峙する者全てをその色に染めてしまいそうな、強い視線だった。
「俺にとってのリコも、無二の存在だ。君を友だと……そう思っても、良いだろうか」
 それはどこか懇願するような声色で。
 ああ、やはり彼が求めるのは亡き祖父なのか、とわたしはどこか上の空な気持ちでいた。ギベオンがルシアスを大切な仲間だと思うように、わたしを友だと思っていいかだなんて。
 わたしにとっても、アメジオは代わりの居ない存在だ。最初は理解し得ない敵で、初めてニャオハと“このはいっぱい”を成功させた時の相手で、でも危ない所を助けてくれて、テラスタルで強敵と戦う姿に憧れて、今までもこれから先もずっと心の支えになる言葉をくれて、何度も隣に立ってお互いを信じながら戦った。そんな人が、友なんて言葉で収まるのか。
「もちろんだよ」
 本心を隠した返答は、不自然じゃなかっただろうか。果たして目の前の彼の表情は柔らかく緩んだ。うっかり見惚れて、油断した。
「ありがとう」
 気付いたらアメジオの腕の中にいて、耳元でそう囁かれてすっかりひるんだ。注意深く触れるか触れないかの距離が保たれた友愛のハグ。過去最高の接近に、内心で悲鳴を上げていた。自分の鼓動がどくどくと耳に響く。やけどのように顔は熱いし、まひしたように体が動かなくて抱き返すこともできない。
 ただそれも一瞬のことで、あっと言う間に離れていった彼は晴れた夜空みたいに静かな微笑みを浮かべてこちらを見つめていた。

 これでわたしとあなたは、ひとまずお友達になるのかな。
 でもここまで築いた関係は、いにしえの冒険者たちの因縁から始まったとは言え、全てが彼らのお陰な訳じゃない。あなたがギベオンじゃなくてアメジオであって、わたしがルシアスじゃなくてリコだったから、今ここまで来られたんでしょう。
 出会ってからというもの、あなたに抱く気持ちは大きく、強くなって、いつしか色を変えていた。友達で終わりたくない。でもまだ、ライバルと言うにも足りない気がする。願わくは、あなたの道をいつも照らす、そんな存在になれたら。
 うるさく高鳴る胸をそっと押さえて落ち着けながら、友達以上に想う目の前の人を、努めて気持ちを込めすぎないように見上げた。


 ▽


 友と思っていいかだなんて、とんだ詭弁だ。己を嘲笑いたい心持ちで、彼女から体を離す。叶うならば強く触れたいという衝動を理性で押し留めていたことを、悟られてはいないだろうか。
 もう、気づいてしまったのだ。リコの心を手に入れたいのだと。晴天のようにその存在で他者を照らし、道端の花のようにそうと知らず他者を癒やす彼女を、得難く離し難く想っているのだと。
 真っ向勝負を好むこの気質は変えられないように思う。この先人生経験を重ねたとて、搦手を使う気にはなれないだろう。
 だけど出会いを省みれば、任務のターゲットに見知らぬ他人ながらいきなり近づいたのが不味かったのだ。だから、段階を踏む。地道な鍛錬で力をつけていくように、接する機会を増やして距離を詰めて。
 ゆくゆくは、君の行く道の先にいつも共に在りたい。これはそのための道筋だ。そのためなら、おじい様とて利用する。
 今も敬愛するギベオン様だが、無二の仲間と言える相手に対して一方的に主張を押し付けるのはいただけない。対話もバトルもせずに、分かり合うことなどできないだろう? 俺はおじい様とは違う。替えの利かない存在ならその関係を大切にする。歩み寄り分かり合う努力をする。それを教えてくれた彼女のためにも。
 例えこの先リコと心が近づかなくても、諦めない。カルボウのように、強敵にこそ立ち向かいたいのだ。
 だが、その赤らんだ頬を見れば、望みは薄くなさそうだ。いつか君の心を奪う。俺はもう、こちらを見上げる空色に、既に心を染められているのだから。


ーーー

これは搦手ではないのか?と思いつつ、書きたいことを詰め込んだ
お互い脈ナシなのではないかと思っている両片想いが好き