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冬暁
2026-04-06 22:30:00
3507文字
Public
悠アキ
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悠アキSSまとめ
四作のSSをまとめたものです。特殊な設定の話も含みます。
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僕の太陽
あ、と思った時には叩くような雨が降っていた。湿っぽい匂いを遮るようにドアを閉める。返却されたばかりのビデオを棚に戻しながら、曇天の空を思い返して息を吐いた。
「今日はもう終わりかな」
雨が降るとどうしても客足が遠のいてしまう。静まり返った店内は妙にもの寂しい空気を漂わせていた。
リンは大丈夫だろうか。友人と出かけた妹を思ってスマホを取り出す。特に連絡は入っていないようだから、どこか店に入っているのかもしれない。
人気のない薄暗さに寂寥感がふっと顔を出す。普段であれば思うことのないそれに、妹の不在をひしひしと感じる。
「まるで世界から切り離されたみたいだ」
ぽつり、と呟きが誰にも拾われることなく転がっていく。
「はは、なんて
———
」
から笑いを漏らしたところでドアベルが鳴った。は、と顔を上げる。
「すっごい雨だね〜。傘差してたのにびしょびしょ」
ぱたぱたと雨を払っていた彼は、僕を見つめてふわりと瞳を緩めた。薄暗く冷たい空気が途端にあたたかく色づいていく。
「相棒に会いたくなって来ちゃった」
胸に詰まる歓喜を小さく吐き出す。
「いらっしゃい、悠真。今、タオルを持ってくるよ」
踵を返した店内はさっきよりも明るい。何故かは明白だった。
どこまでも続く青空に燦々と輝く太陽、負けないほどに咲き誇る大輪の向日葵。心に浮かぶその風景の中で、何よりも眩い彼の笑顔があった。
僕はそっと頬を緩める。
——
太陽が顔を出したみたいだ。
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Posted by 冬暁/
薄明
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