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冬暁
2026-04-06 22:30:00
3507文字
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悠アキ
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悠アキSSまとめ
四作のSSをまとめたものです。特殊な設定の話も含みます。
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特別を返すから
カチリ、と秒針が振れる音が耳につく。逸る気持ちを抑えてペン先を紙面に走らせた。少しだけ乱雑に払われた自分の名をまとめて、椅子を蹴るように立ち上がる。
「副課長! 全部終わったので僕上がりますね!」
書類を彼女のデスクに乗せれば、確認するように流れた瞳がため息と共に伏せられた。
「いつもこうなら良いんですが」
副課長は一番上に乗せられた休暇届にサインをする。理由欄で少しだけ目が見開かれたけど、彼女は何も言わなかった。副課長の承認があるなら課長も何も言わず許可を出してくれる。
「お疲れ様でしたー!」
「お疲れ様です」
課長や蒼角ちゃんにも声をかけてロッカールームに飛び込む。家に帰って着替える時間はなさそう。
装備一式を外して鍵を閉めると、ルミナスクエア行きの時刻表を確認した。
「ギリギリってとこかな」
チョコレート色のボックスと、純白の薔薇を携えて六分街へと走る。
装備を外しただけの仕事着で、約束の時間まであと少し。
こんな時まで格好つかないなぁなんて苦い笑みが漏れる。
青空は眩しいくらいに高くて、春を前にした冴えた空気は焦燥感を払ってくれた。
見慣れたビデオ屋を前に、髪を整えて深呼吸を一つ。少しの緊張と、それ以上の喜びに自ずと笑みが浮かぶ。
あんたが僕に特別をくれたから。僕も僕ができる精一杯であんたにそれを返したいんだ。
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Posted by 冬暁/
薄明
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