三崎
2026-03-08 21:35:25
56935文字
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【サンプル】この惑星とともに

ガタケット183 Raven's Market3にて頒布予定のチャティ×621♂新刊「この惑星とともに」のサンプルです。
A6 350P カバー付 2000円 全年齢向け

チャティと621♂が協力してルビコンのあれこれの解決に向けて頑張る本。
いろんなルートの要素ごちゃまぜ。広い心で読んでください。
準備号と被っている部分もありますが、既公開部分を一部加筆修正しています。

表紙イラストはひめりさん(@momo25himeri.bsky.social)、表紙デザインはうぐさん(@sijinomix0343.bsky.social)にご協力いただきました。
いつもありがとうございます!

   0.レイヴンの火、そして


 赤く燃える惑星が、わたしが最後に見た光景だった。何もかもを飲み込んでいく真っ赤な炎。それきり視界は真っ暗になり、痛いほど静かになった。
 ――ああ、わたしも終わるんだ。そう思った。
 爆風を背にバスキュラープラントから離れ、けれど、機体は限界だった。壊れかけのACで、その場から逃げ切れるはずもない。
 飼い主も、面倒を見てくれた人も、友も、友と呼んでくれた人も、友になれたかも知れない人も、わたしを憎んだ人も、そうでない人も――誰も彼もが、死んでしまった。
 立ちはだかる誰かを殺し、守りたかったものは守れないまま。飼い主の願いを叶えたかっただけなのに、みんな、みんな死んでしまった。だから、自分もそうなることを、おかしいとは思わなかった。それなのに。
 ――何も見えず、聞こえず、静かで、痛くて、苦しくて――寂しい。
 寂しい? そうか。わたしは、寂しいんだ。一人ぼっちで死んでいくのが。
 ラスティを、戦友と呼んでくれた人を殺した時、カーラに言われた言葉が蘇る。
 ――覚えていてやりな。
 そうだ。誰かに思われて死んだなら、きっとそれは、一人じゃない。でもわたしは、誰からも思われないまま死んでいく。わたしを知る〝誰か〟は、もう、誰もいないから。
 それは――とても、寂しい。惑星を燃やす選択をしておきながら、なんて幼稚で、身勝手な思いなんだろう。けれど、もし……もしも、次があるのなら。
 ――せめて、手の届く範囲の誰一人、死なずに済む選択をしよう。一人ぼっちにならなくて済むように。
 痛みも苦しさも、もう、何も感じない。薄れゆく意識の中、何も聞こえなくなったはずの頭の中で微かに響いたのは、飼い主の優しい声。
……621、お前を縛るものはもう何もない。これからのお前の選択が、お前自身の可能性を広げることを祈る』
 ハンドラー・ウォルター、わたしは、あなたのことも……

   ※※※

 ――登録番号Rb23、識別名レイヴンによる認証を確認。安否不明状態を解除。ユーザー権限を復旧します。傭兵支援システム「オールマインド」へようこそ。
 レイヴン、貴方の帰還を……。失礼、貴方の帰還を歓迎し、さらなる活躍を期待します――