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ふみ
2026-02-23 16:15:27
6256文字
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プロット
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✈️👨✈️✕🎸👨🎤 別の話(思いついたのでメモ)
・前世の記憶なし(夢には出るかもしれないけど、あくまで現代AU)
・ノン20代後半くらい設定(25~27,8)
・殿下30代半ば前後くらい設定(33~36)
今はどちらも具体的な描写はないんですが、もし何かしら発生することになった時点で仔細記載します。
あと文まとめてないので粗いです
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二人が次に出会ったのは飛行機の中だった。
巡航高度。機体は安定している。
ファイノンは座席を見回りながら、視界の端に見覚えのある髪を捉えた。バルクヘッドで足を伸ばしているのは、あの時の彼だ。
暗がりで見たときと違って、昼光に晒された男はより硬質なたたずまいをしていた。
…
ああ、こんな顔をしていたのか。
視線は低く、顎のラインは静かに鋭い。髪はハーフアップにしてラフに纏めている。
スマートフォンを眺める男に、ファイノンはいつも通りの笑顔で近づいた。仕事の顔。それにほんの少しだけ本心が混ざっている。
「ご搭乗ありがとうございます。またお会いしましたね」
男の目が一瞬、わずかに動いて、低い声が返ってくる。
「
……
空でコーヒーを淹れる仕事、か」
…
覚えている。
ファイノンの胸の奥が、ほんの少しだけ鳴る。
「面白かった?」
男はファイノンの名札を見る。ゆっくり文字を追いながら答える。
「
……
淹れ方は、上手いのか」
「飲んでみる?」
「勤務中だろう」
「試飲はサービスのうちさ」
男はわずかに口角を上げる。
「なら、ブラックで頼む」
「待ってて」
ファイノンはいつものように、コーヒーを淹れる。
カップを差し出すとき、指先が触れるか触れないか。触れないように意識した。
男は一口飲んで呟いた。
「
……
悪くない」
「褒め言葉?」
「元から期待していなかった」
「ひどいな」
「嘘は言わない」
カップを握る男の隣で笑いながら、ファイノンは初めて思う。この人は、自分に合わせてくれない。
媚びないし、持ち上げない。用意した流れにも乗らない。
それなのに
――
居心地がいい。
男は窓の外を眺めている。その横顔が静かに太陽の光を受ける。
ファイノンは思う。この人は、たぶん誰かと三年続くタイプだ。
彼はきっと穏やかな関係を築く。そして相手に責任を持って付き合い、離れない。
でも、欲しがらないだろう。
そうぼんやりと考えているファイノンの姿を、男は、窓越しに見つめている。
「退屈していないのか」
突然問われる。
「何が?」
「いつも、空を往復して」
ファイノンは一瞬だけ、本音を飲み込む。
「慣れれば、どこも似た景色だよ」
男は小さく頷く。
「
……
音楽も同じだ」
ここが最初の共鳴点だった。
どちらも『移動する仕事』で、どちらも『誰かのための舞台』。そしてどちらも『自分は後回し』。
それにふたりとも、自分の役割を裏切らない人間だった。
ファイノンは最後に軽く言う。
「ライブ、いつ?」
男は視線を戻さずに答える。
「来週」
「じゃあ、聴きに行くよ。ブラックの感想のお返しにね」
「招待はしていない」
「チケットは自分で買う主義なんだ」
男は、ほんの一瞬だけ笑う。
「
……
勝手にしろ」
やっぱり、拒絶も、許可もしない。彼は欲しがらない。
飛行機が目的地に到着する。
乗客を送り出したあとになってからファイノンは気付いた。
曲を聴きに行くと言った。
でも、彼の名前もバンド名も知らない。
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