柚子茶
2026-02-14 22:41:04
4016文字
Public 私とリオルシリーズ
 

私とリオルとときどきいとこ 後

リノンのいとこがイッシュに来る回後編。
仲直りできるかな。


 連絡なしの外泊で、二人して婆ちゃんに叱られたのが数ヶ月前のこと。仕事も休みで、ぬいぐるみ作りも一段落したところでロトムが着信を知らせてきた。どうやら小生意気な従妹のようだ。元気そうでなによりと挨拶もそこそこに、気になっていたことを尋ねる。
「あの子たちどうしてる?」
「休みの日にバイトに来てるみたい。手伝いのつもりがお給料出て恐縮してたよ」
 律儀だなぁ。猪突猛進かつクソ真面目なあの子と、お人好しで世話焼きで人情味溢れるご夫婦だ。そうなるだろうなとは思っていた。思わず笑いが漏れる。気がかりだったことを聞けてひと安心したところで、質問をもう一つ。
「あの時なんでわかったの?」
「なにが?」
「ゼブライカを宥める方法」
「ああ、あれ。ゼブライカが怖くてさみしいと思ってるんだって、リオルが教えてくれたから」
「怖くてさみしい?」
「うん。それで、なんでだろうなって考えて、思い出したの。ジュートちゃんのジヘッドが進化した時のこと。ジュートちゃんがいない時に進化してパニックになったんでしょ?」
 三年前の突発進化事故。姉さんのジヘッドが留守番中につまみ食いしたおやつの中に「ふしぎなアメ」が混ざっていたせいで、サザンドラに進化してしまった事故だ。混乱のまま暴れて築100年実家が瓦礫の山になったため、家族の中では実家崩壊事件と呼んで、もはや笑い話になっている。
 たしかにパニックは起こしていたらしいけれど、あれはお気に入りのスカーフが破れてボロボロになったからで、進化したことは二の次、むしろ気付いてなかったはず。いや、進化したことに気付いてからもパニクってたらしいから間違いではないのか?
「姿が変わって大事なスカーフもなくしちゃって、お姉さんに気付いてもらえなかったら怖い。お姉さんがチュリネを連れてたから、もう自分はいらないんだって、さみしくなったんじゃないかなって」
 驚いた。ずっとちっこいままだと思っていた従妹が、こんなにも考えていたなんて。後ろから覗いているリオルのお陰かな。
「私が気づけないことはリオルが気づいてくれるから、リオルが伝えたいことは私が伝えてあげるのです!」 
「成長してるじゃん。背は伸びてないけど」
「ひとことよけいですー!」

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