蜂宮
2026-01-26 12:07:58
7992文字
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教ルキの原稿尻叩き(🔞手前まで)

バレンタイン用の教ルキ。
直前まで魔トカゲは寝る時全裸なんじゃないかと悩んでいたけど、冬の寒さの中裸で布団にくるまってるのは流石に馬鹿なので服着てる。



意識が夢の狭間を揺蕩っていると、扉を開ける音がどこか遠くで響いた。
一瞬の間の後、私は跳ね起きるようにして扉の方へと顔を向ける。その先に立っているのは待ち焦がれていた恋人の姿だ。

まさかそんな素早い動きをされるとは思っていなかったらしい教授が驚いたような顔をしながら「ただいま」と挨拶をして入ってきた。

おや、随分と可愛らしい事をしているね。」
なんっ!」

なんの事だ、と言おうとした言葉は腕の中の感触によって寸断される。
そうだった。彼の衣類を抱いて眠っている姿を、当の本人に見られている。それも、自分は随分と所在無さげな顔をしていたに違いない。

あまりの羞恥に固まると、微笑んだ教授が優しく頬を撫でてくる。
羞恥がそのまま怒りの感情に転化する前に、近付いた事によって教授から甘い香りがする事に気が付いた。
少し考えればすぐに分かる。チョコレートの匂い。
こちらが気付いた事が分かったのか、教授はひらひらと左手に持ったラッピングされたチョコの箱を揺らす。

2月。バレンタイン。
頭の中でピースが嵌っていく。口元が引き攣り、彼が何をするために部屋を空けていたのかを理解する。理解はするが。

そんなものより!私の傍にいて欲しいものなのだが?!」
「おや、想定外の反応だな……食べないかい?私の手作りだぞ?」
「要らん!」

寧ろそれの為に教授と共にいる時間が減ったと考えると殺意すら湧いてくる。そして何より、私というものがありながら何故こんなものに現を抜かしているのだこいつは。
差し出された箱を手で払い除けようとするとサッと手を引っこめる教授。なんとも言えない顔をした後に、溜め息と共にベッド脇のサイドテーブルへと箱を置いた。
だがそれと同時に呟かれた言葉に私は衝撃を受けることになる。

仕方ない、後で一緒に作った子にでも渡してくるか。」

ガン!と頭を鈍器で殴られたような感覚。
教授が手ずから作った物を、他人が貰う?私ではなく、他の誰かが
脳裏に、教授が他のサバイバーにその箱を手渡ししている映像がチラついて、瞬間的に腹の底から熱が溢れ出した。

……おや、」

箱をひったくるように奪い取ると、長い爪で適当に包装を破りとっていく。
私程ではないにしろ人間にしては随分と爪が長い教授が良くもまぁこの包装を作り上げられたものだと些か感心してしまう。
その本人は箱を開けられたことに何故か満面の笑みを浮かべているが。

外見の箱もそれなりに大きかったが、中身もだいぶ詰まっている。
それこそ、大量に作ったチョコを適当に詰め込んで渡されたような感覚だ。荘園内の催しなど昔からそんなものだが、あまり渡される側の気持ちを考えていない。
これでは私以外に渡された女性なんかは幻滅してしまうのでは?いや、その女性達が率先してこういうものを作っているのか?
それにしても……

甘い。」
「あァ、なんだかミルクチョコレートが多くてね。」
「こんなに作ってどうするつもりだったんだ……私もお前も甘いものはそこまで得意ではないだろう。」

精々が研究の時に脳に回す糖分を欲した時にいくつか食べるくらいだ。
好き好んで買い貯めたりする程の好物ではない。
だが今私の手の中にある箱の中身は、少なくとも一週間は口寂しくなった時に食べられる分の量のチョコが詰まっていた。
しかも手作りだからか溶けやすい。人よりは体温が低いはずの私が手に持っていてもすぐに溶けて指にくっついてくる。

「おや、私はこうやって使おうかと思っていたんだよ。」
使う?」

チョコに対して使われる事はなさそうな単語が出てきて思わず聞き返してしまう。
箱から教授へと視線を上げると、ニコリと微笑んでいた教授がおもむろにベッドへと乗り上げてくる。
チョコを一つ摘みして、ベッドの上に座っていた私の脚の間へと潜り込んできた。

「あァ、こうして。」
は、なに、をっ!」

胸の谷間にチョコレートが押し付けられた。
教授の指の温度と私自身の体温であっさりと溶けていくそれが、滑り落ちるよりも先に教授が人よりも長い舌でそれを舐めとっていく熱がダイレクトに皮膚に伝わる。
ぞわり、と腰に何かが走った。

ぅ、や、やめ
「なァ、今日はこんなに部屋も暖かいのだから、少しくらい私のワガママに付き合ってくれても良いんじゃあないか?」
「そ、それは……ひ、ぐッ!」

次のひとつ。今度は左胸に押し付けられるチョコがじわりと溶けていくのと同じく、先程まで自分が考えていた事も相まって私の抵抗は口だけのものに成り下がっていく。
腕はとっくの昔に教授の肩に添えるだけになっていて、尾はこちらの意志とは関係なしに教授の腰へと甘えるように擦り寄っている。

久しぶりに彼の傲慢とも言えるワガママが聞けたことも、今更止める気などさらさらないであろう鋭い捕食者の視線に体の芯から震えと熱が沸き起こる現状も、こちらの返答よりも先に熱い舌が左胸を這っていく感覚も、全てが冬の思考低下に拍車をかけていく。
流されるように小さく頷いてしまったのも、全部冬が悪い。