万丈
2026-01-25 21:41:55
5610文字
Public 小説
 

見守る会

【AI生成】【二次創作】【天空戦記シュラト】
女官のみなさんが生暖かく双璧を見守るシリーズ。
調和神スーリヤ様もこっそり見守っています。

関連の話1→雨宿りと、触れたい衝動
関連の話2→その熱を知ってしまったから
関連の話3→光流治療と熱の在処


番外編~調和神はすべてお見通し~

天空殿の庭園は今日も穏やかな光に満ちている。
わたくし調和神スーリヤは、この天空界の調和と安寧を司る者。
故にこの地に生きる全ての者たちの光流の流れ、その微細な変化を感じ取ることができます。

近頃わたくしの心をくすぐる、非常に興味深い光流の乱れが二つ、常に寄り添うようにして存在しています。

一つは雷鳴のように激しく、どこまでも真っ直ぐな光流。雷帝インドラ。
もう一つは水面のように静かで、しかし底知れぬ深さを持つ光流。幻帝ミトラ。

天空界最強と謳われる若き二人の神将。
彼らの光流はここ最近、面白いほどに乱れ、そして甘く絡み合っているのです。

きっかけは、あの雨宿りの任務の後からでしたでしょうか。
それまで互いを好敵手と認め合う、清々しいまでの緊張感を保っていた二人の間に明らかな変化が訪れました。

例えば先日の合同訓練の打ち合わせ。
後輩たちを前にあれほど厳しく意見を戦わせていたというのに、わたくしには視えました。

机の下でインドラの足がそっとミトラのそれに触れ、ミトラが表情一つ変えずに、しかし確かにそれに応えていたのを。
まあ、なんと初々しく、そして大胆なのでしょう。

そして今日の合同訓練。
ミトラが肩に傷を負った時のインドラの狼狽えようは、見ていて思わず笑みがこぼれてしまうほどでした。
あの冷静沈着な雷帝が、ただ一人の友の怪我にあれほど心を乱すとは。
きっと今頃インドラはミトラの部屋に見舞いに行っていることでしょう。
そして、ただ見舞うだけでは済まないのでしょうね。

わたくしはそっと目を閉じ、意識をミトラの私室へと向けます。

ああ、やはり。
インドラの気配がミトラのそれと溶け合うように近づいていく。
そしてインドラの中から、清らかな光流が放たれるのがわかります。

直接触れて治癒しているのですね。
若いというのは実に情熱的でよろしい。

……おや?

傷を癒すはずの光流が次第に熱を帯び、甘く濃密なものへと変わっていきます。
これはもう治癒の光流ではありませんね。ただの恋情の光流です。

あらあら、とうとう理性の箍が外れてしまったようですね。
まだ日も高いというのに感心しません。
……ええ、全く感心しませんとも。

わたくしはそっと意識を閉じました。
若人の睦み事をこれ以上覗き見るのは無粋というものです。

「スーリヤ様、お茶が入りました」

傍に控えていた女官が静かに声をかけます。

「ええ、ありがとう」

わたくしは差し出された茶杯を受け取りながら、くすくすと笑みを漏らしました。

「何か、良いことでもございましたか?」

不思議そうに尋ねる女官にわたくしは答えます。

「ええ。蕾がまた一つ綻んだのですよ。とても美しい花を咲かせてくれそうで、今から楽しみなのです」

きっとあの二人はまだ気づいていないでしょう。
自分たちの秘密の恋路が、この調和神に全て見透かされていることなど。
そしてわたくしが、二人の恋の成就を誰よりも温かく見守っているということも。

頑張りなさい、インドラ、ミトラ。
あなたたちの恋がこの天空界に新たな調和をもたらしてくれることを、わたくしは信じていますよ。

まあ、公務に支障が出ない程度に、ほどほどにお盛んでいてくださいな。

わたくしは茶の香りを楽しみながら、再び二人の若き蕾に思いを馳せるのでした。